平成25年 6月 定例会 - 06月21日-03号
◆3番(大川裕君) 誠和の大川でございます。それでは、通告に従い順次質問をいたします。
まず、小田原市学校教育振興基本計画についてです。
今年の3月に正式に決定した小田原市学校教育振興基本計画ですが、昨年の12月定例会において、旧計画からどこをどうバージョンアップしたのかとお伺いをさせていただきました。その時点ではまだ素案でありましたので、今回の正式案について、素案から変更した点をお伺いさせていただきます。
また、小田原ならではの教育スタイルとはどのようなものなのか、具体的にお伺いいたします。
次に、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社小田原フルフィルメントセンターの開所についてお伺いさせていただきます。
私は、これまでの定例会において、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の進出について、たびたび質問させていただきました。それは、計画されていた物流施設が20万平方メートルにも及ぶ大規模なものであること、また、これに伴い相当量のトラックをはじめとした通行車両の増加が見込まれること、さらには、新たに多くの雇用が生まれることから、事前にこれらの課題への対策を講じる必要があると考えるとともに、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の本市への進出による波及効果を、本市において最大限享受すべきであるとの考えからであります。
この質問と並行するように、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社との進出の協定をもとに、市では同社の進出が円滑に行われるようさまざまな協力を行い、先ほど申し上げました課題に対応してきたかと思いますが、地域では特に大きな問題もなく、市では最善の対処をしてこられたことと理解させていただいております。そして、めでたくこの4月にはアマゾン小田原フルフィルメントセンターが開所し、4月24日には開所式がとり行われました。開所式には私も出席させていただきまして、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの内部を見学させていただきましたが、真新しい施設内には、最新システムが導入され、急成長を遂げるアマゾン社の勢いを感じ、本市への進出を改めて喜ばしく感じた次第であります。当日の開所式には市長も臨席され、内部を見学されたことと存じますが、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの開所に当たり、市長の所感をまずはお伺いいたします。
また、4月には開所にはなりましたが、今6月となり、私が想定していたよりも、トラックの通行量はまだまだ少ないと感じております。そして、今後徐々にアマゾン小田原フルフィルメントセンターの稼働率が上昇し、トラックの通行量も増加してくるのではないかと見込んでおります。以前、トラックの通行経路については、国道255号飯泉入口交差点を通らずに高速道路へアクセスするとの御答弁をいただきましたが、そうなると、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの東側、酒匂川沿いの市道をトラックが北上することになりますが、この道路の入り口部分、県道怒田開成小田原線の今井ガード下交差点を左折して、JRの東海道新幹線と平行するところでは、道路幅員が狭いため、トラックの通行に支障を来すおそれが非常に高いものと感じております。さらに、国道255号飯泉橋西交差点については、右折矢印信号の時間延長等は警察の所管であり、営業開始時の状況によって警察との協議も必要であると考えるとの御答弁をいただきましたが、こちらの箇所についても交通渋滞の懸念をいたしております。いずれにいたしましても、現在では、大きな交通渋滞が発生したり、交通事故が発生したりということを耳にしてはおりませんが、これから稼働が本格化し、徐々にトラックの通行量がふえてくることを見込んで、今からとれる対策を講ずべきであると考えますが、今後の周辺地域の交通安全対策について市長の見解をお伺いいたします。
それから、地元自治会から同社に対し、自治会への加入と、津波一時避難施設として協力することについての要望があり、これについては、同社では、事業計画が確定しない段階においては要望に対し確約はできないこと、さらには、事業計画が明らかになる中で、市から地元の要望について働きかけていくとの御答弁をいただいたことを記憶しておりますが、事業計画はおろか、開所いたしましたので、こちらの要望については、現在どのようになっているのかお伺いいたします。
最後に、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの開所による今後の波及効果については、本市全体で最大限享受しなければなりません。おかげさまで、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの食堂の食材を地元の業者が納めるなど、企業間取引が始まっており、地域では波及効果が目に見える形になってきています。これは、本市と同社との間で締結した進出協定による地域貢献の一環であるものと理解しておりますが、今後引き続き、地域貢献、特に地域経済振興における波及効果を追求していくべきであると考えております。以前、市長から、同社がインターネット通信販売を手がけていることから、本市の地域特産品の紹介を働きかけているとの御答弁をいただきましたが、こちらについては、現在どのような状況になっているのかをお伺いいたします。
次に、市内各地商店街についてお伺いいたします。
1960年から中小企業庁が実施している商店街実態調査によれば、平成21年の調査時で、全国の商店街数は1万4467商店街で、前10年と比べ4000ほど減っています。また、商店街における景況状況は、平成24年度の調査で、衰退している、もしくは衰退するおそれがあると答えた商店街が77.6%と非常に悪くなっております。本市においては、現状、小田原市商店街連合会のデータによれば、商店街数は29、店舗数は1071プラスアルファとなっておりますが、そのうち7の商店街では20店舗を切り、うち一つは10店舗を切り9店舗となっております。消費の低迷や郊外への大型店舗の進出、消費者のニーズの多様化、生活様式の変化、経営者の高齢化や後継者難による空き店舗の増加等、また、それに伴う商店街への加入者の減少など、商店街の活力は年々失われつつあります。
種々申し上げましたように、衰退しつつある要因はいろいろとあるわけですが、特に大きな要因は、消費者が大型店に向かったことにあります。商品の豊富さ、買いやすい商品の配置、駐車場の完備、快適な店舗、ワンストップショッピングの便宜性など、既存の商店街は大型店に圧倒されてきました。しかし、近年では、大型店同士の競合による撤退も、商店街にとって、また地域の住民にとって大きな問題となってきています。経済効率から見た場合、商店街の存在意義は小さくなってきているかもしれません。しかしながら、角度を変えて、それで地域コミュニティがよくなるか、地域の人々にとって住みよいまちになるのかといった視点からすると、地域にとってはいまだ重要な核の一部であり、今後、高齢化社会の到来がより確実な今、従来以上に、買い物難民や交通難民となり得る高齢者にとって必要な受け皿となるのは商店街であると考えます。しかしながら、商店街が今までそこに存在していたから、今後も存続させなければならないといった単純な商店街活性化論は、かえって失敗をしてしまうとも考えられます。こうした現状を市としてどう認識されているのかお伺いして、登壇しての質問を終わりにさせていただきます。(拍手)
○議長(井原義雄君) この際、暫時休憩いたします。
再開は午後1時10分といたします。
午前11時51分 休憩
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午後1時10分 開議
○議長(井原義雄君) 休憩前に引き続き再開いたします。
市長、登壇願います。
〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) 3番大川議員の御質問に順次お答えをいたします。
なお、小田原市学校教育振興基本計画についてにつきましては、後ほど教育長から御答弁申し上げます。
まず、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの開所に当たり、私の所感についてのお尋ねがございました。まずは、世界的な企業であり、成長著しいアマゾン社の事業所が本市に開設されたことを大変喜ばしく思っております。私も、4月に行われました開所式に出席させていただき、内部を見学いたしましたが、広大な物流倉庫の中で、最新のシステムが稼働し、大勢の従業員の方々が生き生きと働いておられました。私も3番大川議員と同様に、急成長を遂げるアマゾン社の勢いを感じたところでございます。また、御案内に立たれた多くの若手スタッフの皆さんが、小田原城に桜の花をデザインしたそろいのTシャツを着て、小田原への思い入れを体現されていたことも、誠に心強いものでございました。これから、同社が地域に根差した企業として活躍されることを心から期待しているところでございます。
次に、周辺地域の交通安全対策についてのお尋ねがございました。本市でも、今後の稼働率の上昇に伴いまして、トラックの通行量が増加していくものと見込んでおります。御指摘のとおり、トラックの通行経路には、道路幅員が狭い箇所、また飯泉橋西交差点の右折など、交通集中による渋滞が発生する可能性がある場所も存在しております。そこで、市では独自に交通調査を実施いたしまして、交通状態を把握してきております。今後も交通状態の把握に努めますとともに、その状況に応じて、アマゾンジャパン・ロジスティクス社と協議し、交通安全対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地元からの要望に対する対応についての御質問がございました。まず、アマゾンジャパン・ロジスティクス社の地元自治会への加入については、既に同社が地元の自治会に加入したと伺っております。また、津波一時避難施設への協力につきましては、同社から前向きなお話をいただいておりまして、現在、具体的な事項について調整を行っている段階にございます。
次に、今後の波及効果についてのお尋ねでございます。アマゾン社の進出によりまして、地域経済の振興をはじめ、本市ではさまざまな波及効果を期待しております。特に本市特産品などのインターネット販売につきましては、先日の開所式におきまして、ジェフ・ハヤシダ社長へ私からも直接働きかけを行わせていただきました。これに対しジェフ社長からは、先行して取り組んでおられます岐阜県多治見市での取り組みを引き合いに出されながら、ぜひとも小田原モデルをつくる方向で協力したいと、かなり前向きなお話をいただいているところでございます。そして、既に、これらを踏まえ、担当者レベルでの検討も始まっております。本市といたしましては、これからも同社と連携、協力をいたしまして、本市特産品などのインターネット販売の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、市内商店街の現状についてのお話がございました。商店街の状況につきましては、各商店街へのこの間のたび重なるヒアリング等によって現状把握に努めているところではございますが、3番大川議員の御指摘のとおり、郊外への大規模小売店舗の進出、また後継者不足等の影響を受けて、商店街の経営環境は大変厳しいものと認識しております。しかしながら、3番大川議員御指摘のとおり、超高齢者社会の進展を見据えますと、徒歩生活圏内の地域住民の生活を安定して支えるといったように、地域コミュニティの核としての役割は、むしろますます重要になってくると考えております。今年度から、扇町商工振興会の空き店舗を活用された「まいど扇町事業」、あるいは橘商店会の「出張商店街事業」など、地域コミュニティを支える活動に対しても、補助制度を新設して補助しているところでございまして、今後もこうした活動に対し支援し、持続可能な商店街の形成をバックアップしてまいりたい考えでございます。
以上をもちまして、3番大川議員の御質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の小田原市学校教育振興基本計画に関する質問につきましては、私から御答弁申し上げます。
はじめに、素案からの変更点についての御質問でございました。平成24年11月20日に開催されました厚生文教常任委員会におきまして、小田原市学校教育振興基本計画素案を報告した後、市民との意見交換やパブリックコメントを通していただいた御意見をもとに、一部計画の変更を行いました。主な変更点といたしましては、教職員の健康対策として、相談体制の充実を図る旨の記述や、幼児教育において基礎的な体力が培われるよう支援するとの記述を追加したことが挙げられます。
次に、小田原ならではの教育スタイルについての御質問でございました。今回の学校教育振興基本計画では、基本方針の一つに「小田原ならではの教育スタイルの確立」を挙げておりまして、一人ひとりの教育的ニーズに応じた多様な学びを保障するとともに、子供の学びと育ちを地域ぐるみで支える取り組みの推進に努めていくこととしております。特に、子供の感性を養い、健やかな成長をはぐくむためには、さまざまな体験や人とのかかわりが不可欠でありますことから、小田原の豊かな自然環境や歴史・文化を生かした体験学習の一層の充実を図り、学校・家庭・地域が一体となって子供の学びを見守り支える体制づくりを推進し、子供たちに豊かな体験とさまざまな人とのかかわりを保障していきたいと考えているものでございます。
以上をもちまして、3番大川議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
◆3番(大川裕君) それでは、順次再質問をさせていただきます。
まず、アマゾン社のことについてでございます。市長の所感をお伺いいたしまして、私と同様の感想を持たれていたようで、本来ならばこの場で最新の事業所の様子を少しでもお話ししたいところではありますが、企業の情報ですので、披露することは差し控えさせていただきます。本当にすばらしい事業所ができたと、私も市長の御答弁をお聞きし、改めて感じたところであります。
さて、やはり気になりますのは、周辺の交通安全対策でありまして、トラックの通行量増加に伴う交通安全対策は、これから状況に応じて徐々に対応されるということで、こちらはできる限りの事前の対策をお願いしたいと思っております。
また、従業員の通勤においても、アマゾンジャパン・ロジスティクス社では、稼働を開始してから4月中の1ヵ月間、通勤時間帯に、小田急線足柄駅と大雄山線井細田駅から小田原フルフィルメントセンターまでの間に社員が立って安全確保に努められておりました。稼働率上昇に伴い、従業員数もふえてくると思っておりますので、通勤時の歩行者をはじめとした通勤安全対策についても、十分に御配慮をお願いいたしたいと思っております。
それから、自治会加入については、市では、地元自治会との調整、さらには同社への働きかけ、いろいろとお骨折りをいただいたと聞いております。津波一時避難施設として協力することについては調整中とのことでありますが、折衝事ですので、なかなか状況をお話しできないとは思いますが、現時点での津波一時避難施設の協定締結に向けての折衝状況について、差し支えない範囲で結構ですので御答弁いただければと存じます。
そして、本市特産品のインターネット販売への働きかけは、市長が直接ジェフ社長にトップセールスを実施しており、ジェフ社長からも前向きな話をいただいているようで、必ず実行していただきたいですし、実行するだけでなく、ぜひとも成功させなければなりません。そのためには、本市の魅力、地域資源を最大限活用する必要があります。そこで、本市の魅力をしっかりとアマゾン社に伝えて調整を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。以上、再質問をさせていただきます。
◎市長(加藤憲一君) 3番大川議員からの再質問、私の方からまず1点お答え申し上げます。
本市の魅力をアマゾン社にしっかり伝えてインターネット販売につなげるべきであるという話でございます。これについては先ほどお話ししたこともそうですし、あの会場で、3番大川議員もごらんになったでしょうけれども、本市がつくりましたPR動画である「美しき日本 小田原」が上映されておりまして、その前には、その中にも出てまいりますちょうちんですとか鋳物ですとか、あるいは木工製品等が展示されておりました。この動画等につきましては、アマゾン社の幹部も含めまして多くの社員の方から、大変すばらしいというふうに評価もいただいておりまして、スタッフの方はもとより、来場された方々に対しても小田原の魅力をPRしていただいたと考えております。また、これに先立って、ジェフ社長とは開所に至るまで数回にわたってお話をさせていただいておりますけれども、ここの立地に出店をするというふうに決めていく経緯の中で、社長自身が何度も足を運んで小田原の魅力を確認してきたということで、彼自身もともと当地域の魅力にしっかり着目しておられたということを私も感じているところでございまして、そういったものが、今後、アマゾン社がそこに拠点を設けることにより事業展開にも生かされていくものと期待しているところでもございます。いずれにいたしましても、今後とも、先ほど触れたアマゾン社との地場経済の結びつきによる小田原モデル、こういったものをぜひ立ち上げていただきたいと思っていますし、そこに向けた作業等を通じて、本市の魅力についてはしっかりと伝えまして、本市の特産品等のインターネット販売の実現にできるだけ早くつなげていきたいと考えております。
私からは以上です。
◎防災部長(柳田治夫君) 3番大川議員の再質問のうち、津波一時避難施設の協定締結につきましては、私からお答えいたします。
先ほど市長から答弁いたしましたとおり、アマゾン社から前向きなお話をいただいておりまして、現在、避難場所や避難経路、収容人数などの具体的な事項について調整を行っているところでございます。したがいまして、協定締結へ向けた折衝は順調に進んでいるものと考えております。
以上でございます。
◆3番(大川裕君) 小田原のファンが今後アマゾン社の中にも多くふえてくれば、より小田原のためになると思いますので、ぜひとも前向きに検討していただければいいかなというふうに思います。
また、津波一時避難施設の協定締結については、引き続きよろしくお願いいたしたい、そういうふうに思っております。
地元からの要望に関連しまして、地元の扇町商工会では、現在、足下地蔵尊隣の駐車場でイベントを開催いたしておりますが、手狭であるため、広い場所の確保が求められております。アマゾン小田原フルフィルメントセンターの社員用通路にある緑地帯の広場は、比較的面積も広く、新たなイベントの場所として最適であり、こちらを貸していただくことはできないのかとの声も出ております。市におかれましては、商店街の活性化の面からも、本件につきましてはひとつ御認識しておいていただきたいと、こちらは要望いたします。
そして、本市特産品のインターネット販売については、市の意気込みも伝わってまいりましたので、今後さらに推進していただければと思います。
最後に、大切な雇用についてでございます。アマゾン社では正規雇用と非正規雇用の従業員数や人員配置計画については非公開であると以前から御答弁をいただいておりますが、現時点ではまだまだ稼働率が低いように見受けられ、私には1000人規模の雇用が発生しているとの実感はございません。そこで、市では、現時点でのアマゾン小田原フルフィルメントセンターの雇用状況を把握しているのか。また、今後の雇用の増加に向けて、市民が多く採用されるよう働きかけていく考えはあるのかどうか、見解をお伺いいたします。
◎副市長(加部裕彦君) 3番大川議員からアマゾン社の雇用に関する再質問がございましたが、後段の方の地元からの雇用について、私の方から御答弁申し上げます。
地元からの雇用につきましては、市といたしましても以前から働きかけを行っておりまして、本市では、現在のアマゾン社の最優先課題は、雇用をふやしつつ、着実に稼働率を上げていくことであると理解をいたしております。そこで、今後もアマゾン社と調整しながら、稼働率を上げていく中で、地元からの積極的な採用を行っていただきますよう、引き続き働きかけを行ってまいりたいと思っております。
私からは以上です。
◎経済部長(長谷川孝春君) 3番大川議員の再質問の前段の部分の現時点での雇用の状況について、私から御答弁させていただきます。
本市では、アマゾン社から雇用についての情報をある程度いただいております。しかし、同社が、雇用計画等については、これは全国一律ですが、非公開としていることから、この場で詳細について申し上げられないことは御理解いただきたいと存じます。ただし、現状では1000人規模には達しておらず、今後、徐々に雇用をふやしていくというふうに伺っております。
以上でございます。
◆3番(大川裕君) 現状については把握できました。いずれにしても、市民の雇用の確保において、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの開所は大きな意義を持つことであります。アマゾン社に対し、今後も市から市民の採用について積極的に働きかけていただきたいと思います。いずれにいたしましても、アマゾン小田原フルフィルメントセンターの開所とこれからについて、地域住民をはじめ多くの市民が注目しております。特に、今回質問をいたしました周辺地域の交通安全対策と今後の波及効果について、その中でも地域経済の振興と雇用の確保、これらについては私も大きな関心を持っておりますし、本市の重要な課題であるとの認識もいたしております。アマゾン小田原フルフィルメントセンターの開所による波及効果を本市が最大限享受できるよう、執行部におかれましては今後も鋭意努力いただきますよう、これは要望いたします。
次に、商店街についての再質問をさせていただきます。
商店街が衰退する要因をいろいろと申し上げましたが、もう一つ、加入者の減少による費用負担の増加が挙げられます。例えば、商店街の街路灯の電気料金は、現状、市が2分の1を補助しておりますが、LED化することにより省電力化や料金の節減を図ることができ、あわせて市の補助金も削減できると考えられます。加えて、CO2の排出量も削減できるでしょう。川崎市では、商店街の街路灯の省エネ化を目指す商店街エコ化プロジェクト事業を推進し、市内商店街13団体が参加した1年間で、電気料金480万円、CO2排出量2000トンの削減効果があったそうです。また、プロジェクト開始からの3年間で24団体が参加し、電気料金の削減率は平均53.9%だったそうです。これまでは、初期投資の大きさがLED化を進める際の課題となっておりましたが、初期投資分がかからずにできるような手法もあると伺っております。商店街、市双方の負担が軽減できるような新たな手法を検討し、LED化を進めるべきと考えますが、見解をお伺いさせていただきます。
◎経済部長(長谷川孝春君) 商店街の街路灯につきましての再質問につきまして、私から御答弁いたします。
街路灯のLED化につきましては、節電による費用負担の軽減に加えて、CO2排出量の抑制など、環境負荷が低減できる効果もあるというふうに認識してございます。そのため、商店街のLED化を含めまして、商店街が実施する省エネ対策に関する取り組みにつきましては、現在行われております、持続可能な商店街づくり事業費補助金といった既存制度の中で対応可能というふうに考えておりまして、さまざまな方法で支援してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆3番(大川裕君) 報道等によると、円安の影響やほかのさまざまな要因により、電気料金のさらなる価格上昇が懸念されております。こうした状況を踏まえますと、例えば私の扇町商店街などにおいては、昨年の街路灯の電気料金は70万円でしたけれども、今年度に関しては80万円に上がってきております。1年に10万円が値上がるというのは、やはり地元の商店街にとってはかなり大きいわけでございますから、商店街の街路灯については、効果的な手法の検討をぜひ進めていただきたいというふうに思っております。
また、商店街の街路灯に限らず、市の施設や防犯灯、1870基ほどあると伺っておりますが、LED化できるところは可及的速やかに導入していくことは、市の財政に対して軽減効果が必ずあると思いますので、御一考をお願いいたしたいというふうに思っております。
それでは、学校教育振興基本計画について再質問させていただきます。
まず、小田原スタイルについては理解できましたし、大変だとは思いますが、オンデマンドな教育サービスは、これからますます重要になってくると思います。しっかりと推進していっていただければと考えますが、小田原スタイルにこだわる余り、携帯電話ではありませんけれども、小田原だけがガラパゴス化してしまうおそれもあります。そういった点にぜひ御留意をされて、臨機応変な対応をされていくことが必要だと思います。
計画を10年から5年スパンで改定していくことは、今の社会情勢では必須であると思いますし、非常にいいことだと考えます。クライアントである生徒や保護者のニーズを的確に把握し、折々改定をしていくことがこれから肝要になると考えますが、前回の議事録を見ますと、土曜授業に関しての要望は特にないということでした。2学期制についての質問のときもそうだったのですが、アンケート等をとった内容が保護者の方々の要望とあまりにも乖離していると思いますが、情報収集の方法に問題はないのか、また、どういったルートで教育委員会に情報が上がるのかお伺いいたします。
加えて、計画の中で体験等の内容が多くなっているようですが、現状のかなりタイトなカリキュラムの中で対応が可能であるのか、地域との連携はもちろんですが、内容的に近いと思われる青少年課の事業とのリンクなどは考えておられるのかお聞きいたします。
◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の再質問にお答えします。
2点ございました。1点目、教育委員会の情報収集やニーズの把握についてでございますが、教育委員会では、直接のルートとしましては、地域ぐるみの教育推進懇談会や市PTA連絡協議会等において、地域の方々から教育に関する御意見を伺っております。また、間接的には、学校での学校評価アンケート等によりまして保護者や地域の声を集約し、いただいた御意見を学校運営に反映させており、教育委員会でもその都度その内容を把握しております。今後も、市民や保護者の声を広く集めるために、市民と教育委員との意見交換の場を設けるなど、一層工夫して取り組んでまいりたいと考えております。
それからもう一つ、体験学習への対応及び連携の必要性についての御質問でございました。学習指導要領の重点の一つに、体験活動の充実が挙げられておりまして、現在、学校では、各教科や総合的な学習の時間、学校行事等で積極的に体験学習を取り入れております。体験学習をより豊かなものとするためには、適切な場や指導者、多様な活動を保障していくことが必要でありますが、それらを学校だけで整えることは大変難しい状況もありまして、さまざまな教育資源の活用が求められております。現在、連携の一環といたしまして、青少年課主管の指導者養成研修事業の受講修了者に、小学生の宿泊学習や総合的な学習の時間にかかわっていただいておりまして、活動の充実が図られております。今後も、体験学習の一層の充実を図るために、地域や関係諸機関、市長部局との連携を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆3番(大川裕君) 本当にタイトなカリキュラムだと思いますので、ぜひそういった連携を充実させて、有効な体験学習をやっていっていただきたいというふうに思います。
さて、12月定例会の質問の折、教育長は、土曜授業に関して横浜市はルール違反とおっしゃっておりましたが、学校教育法第61条の例外規定を使って横浜市は弾力的に運用しているようでございます。このことについて、教育長はどういったお考えでしょうかお伺いします。
◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の御質問にお答えします。
12月議会で土曜授業に関してルール違反と発言しましたのは、あくまでも除外規定、例外規定とも申しますが、現行の法の適用範囲外で行われているという意味で答弁いたしたものでありまして、誤解を招いたようであれば訂正申し上げます。申しわけございませんでした。
以上です。
◆3番(大川裕君) 今年4月25日付で出された中央教育審議会の第2期教育振興基本計画の答申の中には、「全国学力・学習調査状況や国際的な学力調査などの結果により、新学習指導要領の実施状況や学校現場が抱える課題を把握し、必要な支援策を講じるとともに、学習指導要領の不断の見直しを行う」、さらに「土曜日における授業や体験活動の実施など、各地域の実情を踏まえ、土曜日の活用を促す」とあります。また、先日の6月14日の閣議においても、閣議決定をこの件についてはされています。これを受けて、市としてはどのような対応をとられていくのかお伺いさせていただきます。
◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の再度の質問にお答えします。
本市における土曜日の活用の促進についての御質問でございました。国の第2期教育振興基本計画では、土曜日における授業や体験活動の充実など、各地域の実情を踏まえた土曜日の活用が促されております。現在、本市の小・中学校では、土曜日に学習参観日を設けたり、保護者と子供による清掃活動や小・中学生の交流事業等を行ったり、各校の創意工夫を生かした活動を行っております。また、教育研究所では、土曜日の午前中に自然観察会を開催しており、年間多くの児童・生徒や保護者が参加し、小田原の身近な自然に関する興味・関心を高める一助となっております。さらに、公民館等を利用し、体験活動の機会を設ける地域もありまして、異世代間の交流の場ともなっております。地域の行事に参加したり、地域の方と触れ合ったりすることは、本市が取り組んでおります地域一体教育と一致するものでありまして、今後も、学校週5日制の趣旨を尊重して、学校・家庭・地域とが連携し、取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
◆3番(大川裕君) それでは、再々質問をさせていただきますが、国としてそういった方向性がある程度出てきて、実情を踏まえるという文があるにせよ、地域の中ではやはり土曜日を開校していただきたいという声が多く出ているのが実情だというふうに考えております。そういった声を踏まえて、では委員会なりを立ち上げるのか、そういった機を見て敏に動かなければ、やはり教育は早さが必要だと思いますので、そういった先々のことに手を打って動かれる予定があるのかお伺いいたします。
◎教育長(前田輝男君) 土曜授業に関しまして、先ほど申しましたように、いろんな御意見が上がっているということでございますが、私が調べましたところ、市PTA連絡協議会、PTAさんは、前も申しましたように非常に貴重なステークホルダーでありますから、意見を尊重したいということで、平成20年度前までさかのぼって調べました。これは、事務局の保護者の方、また生涯学習課の担当の方、また事務局担当校の教頭先生に聞きましたが、土曜授業については一件も上がっていないと、ただ平成21年に2学期制については意見があったとのことでございます。また、学校評価の中から、これは学校評議員、保護者のアンケートなんですが、これも土曜授業に関しては、こちらで確認しているのは市内で1校、1件ございましたが、強い要望はないものでございます。ただ、文部科学省の下村大臣の最近の談話の中で、国の第2期教育振興基本計画を今後もっと強力に進めていくんだという談話がございます。その中で、学校教育法施行規則第61条、この辺を見直していく必要がある。その内容は、学校5日制の見直しと、土曜日を地域の実情を踏まえてというところを外してしまうかと、そういった論議がされているようでございます。そこで、前から申しますように、私どもは国の動向を見ながら、おくれをとらないように対応してまいりたいと思います。そういったことで、来月、7月16日に開催いたします地域ぐるみの教育推進懇談会の中での議題にしております。
以上でございます。
◆3番(大川裕君) 現状、土曜授業については、横浜市とか大井町、県内ではそのぐらいで実施されているところで、大多数というところではないわけですけれども、今後、文部科学省からそういう答申が出てきたということであれば、もっともっと俎上にのってくることだと思いますので、これからもっと研究していっていただいて、前向きに検討していただければというふうに思います。
いずれにいたしましても、保護者、生徒、そして教員、それぞれの要望を時期に応じて計画に取り入れていくことが非常に重要だと思います。しかし、今回の策定委員会の方々の多くは、ある意味、子育てが一段落した方々でありました。本来、策定委員会に参加すべきなのは、子育て現役の世代であり、必要なのはそういった方々の意見だと思います。まちの将来のためにも、人選については今後考慮すべきだと考えておりますが、その辺の見解をお伺いいたします。
◎教育長(前田輝男君) 今回の策定委員会14人の中の子育て現役の方は、確かに小田原市PTA連絡協議会の代表の方のみでございました。こういった性格の委員会は、多様な意見を集めるということで、一部の年代層でなく、幅広い層から御意見をいただくということも趣旨の一つであります。しかしながら、現役世代の方の意見をもっともっと反映したいという考えも私もございます。だから、一般公募という枠もございます。人選につきましては、今後、次回の策定委員会の立ち上げのときに考えさせていただきたいと思います。
以上です。