平成30年12月12日 小田原駅周辺の土地活用、文化振興、水防対策、本市職員の姿勢について

◆25番(大川裕君) 誠風の大川でございます。通告に従い順次質問をさせていただきます。
 まず、大項目1として、小田原駅周辺の土地活用についてです。
 小田原市駅周辺は、通勤、通学、買い物などがしやすく、交通の便がいいこともあり、近年多くのマンションが建設または計画されております。しかしながら、駅周辺は建築物が密集した状態であり、今後は、何かを計画するとしても、なかなか大きな土地を確保していくのは困難な状況です。
 そういった状況の中で、駅付近の大きな土地と言えば小田原少年院があります。2019年3月末をもって閉院が決まっている小田原少年院で、10月27日に住民向けの説明会が開催され、現在の状況や閉院までのスケジュールが示されました。それによると、現在の収容人員は今年末までにゼロ人となり、職員も順次異動を開始して、2019年4月1日から人員がいなくなるそうです。説明会の中で跡地利用についての質問がされ、答弁として、現状は白紙の状態であり、あくまで財務省が跡地利用の方法を決めるということであります。土地の広さは約2万4000平方メートルもあり、冒頭申し上げたとおり、駅周辺で一塊の大きな土地と言えば、ある意味最後と言ってもいい物件と考えます。しかし、少年院の閉院は急に決まったことではなく、かなり前から計画されてきたものであります。
 そこで、質問の(1)として、少年院の跡地利用に関して市としてどのように動いてきたのかをお伺いいたします。
 また、(2)として、今後の展開についてもお伺いいたします。
 次に、大項目2として、本市の文化振興についてです。
 今日、社会の成熟化や価値観の多様化が進んでいく中で、市民生活における余暇活動として芸術文化活動が改めて見直されております。こうした活動の拠点となっているのが公共ホールや文化ホールなどと呼ばれ、音響設備の整ったホール、楽屋、練習室、多目的スペースなどの機能などを有した公共ホールであると思います。
 我が国では、1970年代から1980年代にかけて、全国各地の地方自治体で、いわゆる「箱もの」行政の代表格として公共ホールなどの芸術文化施設の整備が積極的に行われてきました。その結果、現在では、施設の地域的偏りや供給過剰、ホールが行う自主事業の質の低下や施設間格差、施設の維持管理と住民の利用実態のアンバランスなど、さまざまな課題が浮かび上がってきているところです。
 こうした現状を改善していくためには、自治体による文化行政の推進はもちろんのこと、公共ホールにおける自主事業の充実、地域住民による積極的な活用が必要であると考えるところです。ある分析結果によると、都市部に立地する大規模施設を中心に、芸術監督など専門家を招聘した劇場運営や、その施設を拠点とする専属劇団・楽団の存在が地域の文化力の向上に寄与していると指摘しております。しかし、こうした取り組みは、あらゆる地域の芸術文化施設で取り組むことができるものではありません。大都市圏から離れ、財源も限られている地方都市の公共ホールが、いかなる取り組みのもとで自主事業の充実や積極的な市民利用を実現させていくのかを考えていく必要があります。
 一般的に公共ホールの利用形態としては、「自主事業(主催もしくは共催イベント)」と「貸し館事業」の二つが挙げられます。自主事業とは、その当該ホールが主催もしくは共催となって企画・運営を行うものであり、それぞれの公共ホールでは、年度ごとに予算と市民の要望を勘案し、どのようなジャンルのイベントを幾つ開催するのか決めていきます。公共ホールという性格から、行われるイベントは幅広い年代に対応するものがよいとされ、一般的に歌謡曲や教育的要素を含むものが多い傾向があります。一方、音響に特徴のある公共ホールや文化行政に力を入れている自治体の公共ホールでは、行われるイベントにも多様性が見られます。その場合、さきに述べたジャンルに加え、クラシック音楽や若者向けのポップス音楽なども取り上げられているようです。
 貸し館事業とは、当該ホールが場所を貸すのみで、イベントには関与しないものであります。地域住民やイベント企画業者がイベントを持ち込み、使用料をホールに払うことで実施されます。行われるイベントの傾向としては、地域の音楽教室やサークルによる発表会、自治体や企業の会合やイベントなどが多く、貸し館事業では基本的に使用料が発生しますが、この使用料の発生しない、もしくは低価格であるものが「文教行政」による利用です。自治体や地元の学校が利用する場合、多くの公共ホールでは減免措置として利用料金が減額されます。このため、文化系部活動の発表や行政の会議、市民向けの催しに利用されます。この文教行政による利用が多いのは公共ホールならではの特徴と考えます。
 本市においては、平成33年度にさまざまな紆余曲折を経て市民ホールがオープンする予定になっております。
 そこで、質問の(1)として、市民ホールの整備の進捗についてお伺いいたします。
 (2)として、現状使用している市民会館の利用状況についてお伺いいたします。
 (3)として、今後完成する予定の市民ホールの管理運営はどのようにされる予定なのかお伺いいたします。
 また、(4)として、文化振興における本市の役割をどのようにお考えになっているのかお伺いいたします。
 次に、大項目3として、本市の水防対策についてです。
 昨今、全国的に風水害の発生状況が激甚化しております。本年6月29日に発生した台風7号は、太平洋高気圧の外側を回り込むように7月4日にかけて東シナ海を北上し、対馬海峡付近で進路を北東に変えて日本海上に抜けましたが、西日本において豪雨災害を引き起こしました。また、太平洋高気圧の影響で梅雨前線が7月2日から5日ごろに北海道に停滞し、北海道の広範囲で、雨量が7月の月降水量の平年値を超えるなどし、北海道では堤防の決壊や内水はんらんに伴う床上・床下浸水、がけ崩れ等の被害が出ました。この豪雨により、西日本を中心に多くの地域で河川のはんらんや浸水害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える甚大な災害となりました。平成に入ってからの豪雨災害としては初めて死者数が100人を超え、「平成最悪の水害」と報道されたのは記憶に新しいところであり、被害に遭われた方々に改めてお見舞いを申し上げるところであります。
 本市でも7月28日に台風12号の逆走による高波被害が発生、小田原漁港周辺を初め、海岸線のインフラに大きな被害が出ました。また、台風24号では風速30メートルに近い強風などで、市内各所で被害が発生しております。
 西日本豪雨において大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町は、二つの川の合流点の上流にあり、堤防が決壊した大きな要因の一つにバックウォーター現象があると言われております。これは、豪雨などで川の本流の水位が上がることで、本流に流れ込むべき支流の水が壁にぶつかるように流れを阻害され、行き場を失ってあふれ出す現象であり、基本的にどこの河川でも起こり得るものと指摘されております。本市においては、特に酒匂川、狩川の合流点が危険なものではないかと考えます。
 そこで、まず質問の(1)として、酒匂川の水防対策は現状どのようにとっているのか、また、今後の展開をどうしていくのかお伺いいたします。
 また、質問の(2)として、市内各地域の水防対策はどのようにとっているのか、加えて地域の水防団(消防団)の位置づけについてお伺いいたします。
 次に、大項目4として、本市職員の姿勢についてであります。
 昨今、大手航空会社のパイロットの飲酒事件、日産自動車の報酬問題など、社会人のモラルの低下と思われる不祥事が散見されます。本市においても、過去、職員による不祥事があったところでもあります。
 そこで、質問の(1)として、その後の倫理観の醸成対策はどのようにされたのか、また、その効果をどのようにとらえているのかお伺いいたします。
 2016年9月、国は働き方改革実現推進室を設置し、働き方改革の取り組みを提唱しました。働き方改革とは、一言で言えば、一億総活躍社会を実現するための改革と言えます。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組むことが必要になってきます。
 一方、地方行政においては、地方分権の一層の進展や地方創生の必要性等により、地方公共団体の役割が増大していることから、みずから考え、企画・行動し、困難な課題を解決していく能力と高い業績を上げることができる職員を育成・確保していくことが重要となっています。近年では、住民ニーズが高度化、多様化しており、部署によっては多忙をきわめるところもあると伺っているところであります。
 そこで、質問の(2)として、働き方改革を踏まえた職員の意識改革について、その取り組み状況と方向性、目指している着地点についてお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。(拍手)

P.69 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員の御質問に順次お答えをいたします。
 初めに、少年院跡地活用に関する市の対応についてのお尋ねでございました。小田原少年院につきましては、平成20年に法務省から、現地再建は行わず、国の施設の集約化に伴い閉鎖して、跡地は財務省に移管した後に財産処分するという方針が示されております。当該地は、小田原駅周辺の重要な土地でありますことから、跡地の適正な土地利用が図られるよう、これまで関東財務局横浜財務事務所と土地利用に関する協議や意見交換を行ってまいりました。平成27年度に示されました国の見解では、当該地をより高く売却する考えであり、市の意向を考慮することは難しいとのことでありましたが、引き続き、機会をとらえて市の考え方をしっかりと国に伝えてまいる考えでございます。
 次に、本市の文化振興に関し、市民ホール整備の進捗についてのお尋ねがございました。現在、実施設計を進めておりまして、来年の1月には完成する見込みでございます。作業も順調に進んでおりまして、予定しております平成33年秋のオープンに向けて、引き続きしっかりと整備に取り組んでまいる考えでございます。
 次に、市民会館の利用者状況についてであります。平成29年度の稼働率は、大ホールが78%、小ホールが63%、展示室が34%でありました。また、自主事業と貸し館の割合については、約95%が貸し館利用となっております。利用の内容につきましては、大ホールでは音楽会や演芸会などの公演が多く、小ホールでは講演会や式典関係が多くなっております。なお、貸し館利用のうち、減免措置を行いましたものは約55%でございました。
 次に、市民ホールの管理運営の方針についてでございます。市民ホールは、現市民会館とは規模も諸室構成も異なる新規施設でありますことから、開館から5年程度は直営方式による運営を考えております。また、この間の収支の状況、維持管理費、利用率、使用料収入などが安定し、明確になった段階で、改めて運営方式について検討を加えてまいりたいと考えています。
 次に、文化振興における市の役割についての御質問でございます。文化芸術基本法におきましては、施策の推進に当たりましては、文化芸術を行うものの自主性を尊重することを旨としつつ、年齢、障がいの有無、経済的な状況にかかわらず、等しく文化芸術の鑑賞等ができる環境の整備に配慮すべきことなどが定められております。また、地方公共団体の責務として、「自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する」とされております。本市では、このような考え方に基づき、市の役割については、市民が文化に親しみ、市民による文化の振興がなされるよう、必要な環境整備と支援を行うことであると考えています。
 次に、本市の水害対策に関連し、酒匂川の水防対策についての御質問がございました。本市では、台風等により酒匂川の洪水が発生するおそれがある場合は、降雨量等の気象情報のほか、河川水位や三保ダムの放流に関する情報を収集いたしまして、流域住民の皆様に対し、早目に安全な場所へ避難していただくよう防災行政無線等を活用してお知らせをいたしますとともに、職員や消防及び消防団を動員し、流域住民への広報や河川の巡視などを行うこととしております。酒匂川や狩川が万一決壊した場合には、安全性を確認した上で、できる限りの被害拡大防止に努めるわけでございますが、はんらん流の危険性などから水防対応は困難となりますため、住民の避難の呼びかけや救助などの対策を重点的に行うこととなると考えております。今後も引き続き、住民への説明会や訓練等を通じまして、避難する場所や避難経路、避難するタイミングなど、命を守るための適切な避難について啓発に努めてまいりたいと考えています。
 次に、市内各地域の水防対策についてでございます。酒匂川、狩川以外の山王川や早川などの河川や水路についても、河川水位等の情報を収集し、洪水等が発生するおそれがある場合には、職員や消防及び消防団を動員するとともに、状況に応じて土木関係の協定団体に要請し、土のう積みなどの応急対策を実施することとしております。消防団は、市水防計画におきまして、災害の状況に応じ水防活動を行うことと定めておりまして、各地域の地理に精通し、日ごろから地域住民とのかかわりが深い消防団が活動する意義は大変大きく、地域の危険箇所の巡回や応急対策などの水防活動を担っていただいております。
 次に、職員の倫理観の醸成についての御質問がございました。本市では、過去の不祥事を受けまして、平成23年5月に小田原市職員コンプライアンス推進委員会を立ち上げ、コンプライアンス推進の基本方針及び推進計画を作成いたしまして、誠実かつ公平な職務の遂行を目指し、職員一丸となって取り組みを進めているところでございます。外部識者でありますコンプライアンス推進アドバイザーからは、取り組みの効果として、職員の高い意識がうかがえ、推進計画の成果が上がっていると評価を受けております。倫理観の醸成につきましては、継続的な取り組みの必要性を感じておりまして、今後も不断の努力を続けてまいる考えでございます。
 次に、働き方改革を踏まえた職員の意識改革の取り組み状況とその方向性、目指している着地点についてのお尋ねでございました。本市では、職員が生き生きと活躍できる職場環境を整備することによりまして、これまで以上に良質な市民サービスの提供を実現していくことを目指し、本年6月から「小田原市版働き方改革」に取り組んでいるところであります。具体的には、円滑な人間関係の構築のほか、職場環境の整備、業務の効率化、健康経営の実践、この四つのテーマを柱といたしまして、全庁的に行う取り組みや所属ごとに行う自主的な取り組みを実践しているところでございます。
 以上をもちまして、25番大川議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。

P.71 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) それでは、上から順番に再質問させていただきたいと思います。
 少年院の件については、16番篠原議員のほうで、あらあらの形でお聞きいただいたので、別の角度からお話をしていきたいと思いますけれども、お答えの中では、平成20年に方針が決まってある程度物事が動いてきたということですが、従前、上町のほうに少年院の移転が決まっていたいきさつもあったかと思うのですけれども、そのときさまざまな構想が役所のほうであったかと思うのですが、そのときの状況というのはどういうことだったのか、まず確認をさせてください。

P.72 政策調整担当部長(豊田善之君)
◎政策調整担当部長(豊田善之君) 少年院の上町移転ですか、それが検討されていた時点での少年院跡地に関する構想的なものがあったのかというような趣旨のお尋ねでございます。少年院の移転問題につきましては、昭和45年6月に地元からの移転に関する陳情が出されて、これが出発点というように認識してございます。その上町地区への移転を模索する中で、結局、平成4年から平成5年にかけては、法務省のほうで、上町地区への移転についてはだめだということで拒否されたというふうに伺っております。このあたりでの少年院跡地での利活用の市としての方針ということでございます。私もちょっと記憶が定かでございませんけれども、この当時、国と県と市でつくった行政拠点地区整備構想というのがたしかあったと思います。これはたしか、市内に分散している国や県の官公庁施設を、この市役所の周辺に集約していく、そのような内容の構想だったと思いますけれども、この中で、たしか少年院跡地についても何かシミュレーションがあって、その一つとして、現在の裁判所跡地、あるいは検察庁ですか、こちらを移転していくという、一つの案がたしか示されていたのではないかというふうに記憶しております。
 以上でございます。

P.72 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) そういった案があったということで、そういうことがあって、では現状こういうふうになっているというのは、その案というのはもう立ち消えになったということで理解していいのか確認させてください。

P.72 副市長(加部裕彦君)
◎副市長(加部裕彦君) 行政拠点地区整備構想ですね、一つの構想をつくった経緯はございます。もし間違っていたら御容赦いただきたいのですが、平成4年から平成5年ごろにかけてではなかったかなと思っております。その当時の一つの大まかな考え方としては、少年院の移転というものが市にとって大きな課題で、山橋市長のころからの話でございますけれども、もとを正せばもっと古いのです。もう数十年前から、実は穴部というような候補地になったこともございます。それで上町、それは小澤市長の段階ですけれども、山橋市長でしたかね、段階でありまして、いろいろるるありましたけれど、結果的にだめになったのですが、その間に少年院を上町に移転できた場合に、その当時、行政拠点地区整備構想というような、三の丸の構想の後につくっているのです。これは県と一緒に本町周辺地区の構想というのをつくりまして、これは平成2年、平成3年ぐらいだと思いますけれども、つくったのは私だったのでよく覚えているのですが、これも構想です。それで、三の丸のところに当時は(仮称)城下町ホールというものをつくって、大手門広場等をつくって、三の丸地区を歴史的景観のあるホールを主体とした空間にしていこうと。この構想が綿々と、その流れはずっときて、今日の市民ホールの整備にもつながってきていると思っております。
 一方で、行政拠点地区整備構想というのは、当時、市役所はこちらへあったわけですけれども、さまざまな国や県の機関を、行政拠点地区といって、この荻窪周辺に集約できないかと非常に壮大な構想をつくったことがあったのです。そのときに上町に少年院が移転できたならば、少年院の跡地に、今申し上げました大手門広場等を整備していこうといったときに、支障となるであろう裁判所とかそういった法務省関係の機関を、この同じ法務省が所管している少年院のところに移転できればいいねというような大まかな構想です。その他もろもろ、さまざまないろいろ国の機関がございますけれども、そういったものをこの跡地に、少年院が移転した後に持ってこれればというようなことであったのですが、その当時いろいろ構想としてつくりましたけれども、アクセスの問題が非常に難しいと。小田原駅西口から少年院、非常にこれは大きな課題であって、相当な都市計画的な大きな変更をして、道路整備などもきちっとやらないとなかなか難しいのだという課題を持ったまま、それは構想で、正直申し上げまして、まして上町のほうへの移転というのはとんざいたしましたので、そのまま行政拠点地区整備構想のすべては整ってはいない。ただ、小田原警察署はこちらへ来たりとか、そういう経緯はございました。大体そういう経緯でございます。

P.73 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 従前の経緯については理解ができるところではありますが、本市においては、例えば今、加部副市長がお話しになった三の丸についても、二の丸についてもさまざまな構想があって計画が動いている。一方で、コンパクトシティだったり、さまざまあって、そのような中で法務局の庁舎の移転ですとか、そういうところができずに現地建てかえとなってしまったりですとか、それぞれの計画がどうしてもばらばらで動いてしまっているように感じられるところです。そこで、それぞれの計画の整合性を図って先を見据えたまちづくりを考えて、小田原駅周辺の土地利用を考える必要があるかと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。

P.74 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員御指摘のとおり、本市、特に駅周辺にはいろいろな歴史的な経緯もあって、また、それぞれ重要な小田原城に関しては、史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想があり、また、以前の三の丸構想等も踏まえた中で、直近でも三の丸地区の整備構想というものを出させていただいた。最近では、立地適正化計画に基づきます地方再生コンパクトシティの認定等もあり、いろんな枠組みが確かに重複して存在しています。ただ、それは決してばらばらに動いているわけではなくて、それぞれの計画、構想等が打ち出される際には、それ以外のものが想定する土地利用、また施設整備の構想といったものを当然視野に入れてやっておりますので、それぞれが全くばらばらに動くということについてはないわけでございますが、ただ、今後、今度そこに民間の動き等も入ってきている中で、いろいろ流動的な条件もありますから、これまで以上に、その辺の相互の連携をより明確にとっていく必要が当然あるというふうに思っていますので、この辺は十分留意して取り組んでいきたいというふうに思います。
 以上です。

P.74 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 今後、競輪場の跡地の問題、これからどうなるかまだわからないですけれども、あそこも4万7000平米という大きな土地でございますので、このあり方なども加えてくると、いろいろとさまざまな絵づらが変わってくるかというふうに思います。小田原市として、先ほどの16番篠原議員のお話、質問の中にお答えいただきましたけれども、小田原市は買わないよというお答えがありましたが、買わないまでも、行政と民間が知恵を出し合って、駅周辺の土地活用を考えていくことが非常に重要ではないかというふうに考えております。市にはぜひそのための支援、応援をしていただきたいと一つ申し添えておきます。
 それでは、大項目の1はこれで終わります。
 次に、本市の文化振興についての再質問です。
 答弁をお聞きしましたけれども、市民ホールのハード整備は順調に進んでいるようですが、オープンまで3年もないスケジュール感の中で、なかなか管理運営についての検討が余り進んでいないように感じました。その中でも、特に現在の市民会館の利用状況がこのまま市民ホールの利用に移行したら、市民ホールの管理運営はどうなってしまうのかと危機感を持っているところです。例えば、市民会館は高い利用率を誇っておりまして、貸し館利用がほとんどですが、そのうちの約55%が減免措置を受けているとのことで、市民ホールでそのまま減免措置を継続すれば、貸し館による収入に多くは望めないところで、収支は一体どうなってしまうのか、市財政へ負担が重くのしかかるのではないかと考えるところです。
 また、開館から5年間は直営で、その間の収支等が明確になってから運営方式を改めて考えるとのことですが、開館後5年もの長期にわたって以降の運営方式を検討することは、余りにもお役所的な発想であり、なぜスピーディーに判断ができないのか理解に苦しむところであります。指定管理者制度の導入など、現時点でも直営以外にも考えられるオプションはあるはずです。そこで、開館から5年間とは言わず、できるだけ早く指定管理者制度の導入など、管理運営方式を確定させるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

P.75 副市長(時田光章君)
◎副市長(時田光章君) 市民ホールの管理運営体制について御質問をいただきました。私ども、オープンまで全く管理運営について検討していないというようなことではなくて、今、文化部、それから庁内各所管が連携しまして、さまざまな角度からフリーにディスカッションをしているところでございます。今御指摘の指定管理者制度につきましては、経費の削減や業務の効率化、あるいは資金調達等の面ですぐれていると考えられます。市民ホールの将来的な管理運営体制としては、一つの有力な選択肢だというふうに認識しているところでございます。直営方式につきましては、開館から5年程度を目安としておりますけれども、市民ホールの収支の状況等が明確になった段階で、できるだけ早く、指定管理者制度の導入も含めまして、適切な管理運営方式を定めてまいりたいというふうに考えております。

P.75 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ありがとうございました。指定管理者制度の導入も含め、5年にこだわらず、早期に結論を出すとのことでしたので、そのとおりにお願いいたしたいというふうに思いますが、結論を出すに当たっては、減免措置がどうなるかというのが大きなポイントとなろうかと思います。減免措置により貸し館収入が減ってしまうことで、指定管理者が見つからないというような事態にもなりかねないということで、減免措置に限らず、受益者負担の考えもあり、使用料も市民会館より値上げすることも考えられるところです。もちろん、公共のホールでございますので、収益のみで減免措置や使用料を語るわけにもいかないことも承知はしておるところですけれども、現時点での減免措置や使用料については、市民会館と比較してどのようになるのか伺います。

P.75 文化部長(安藤圭太君)
◎文化部長(安藤圭太君) 市民ホールの減免措置や使用料についての考え方でございますけれども、減免措置につきましては、市民ホールの安定した経営を図るためにも、やはり現在の市民会館の規定からは見直しをする必要があるだろうというように考えております。また、使用料につきましても、これからできます市民ホール、当然、新規の施設でございますし、諸室の機能も今まで以上に充実するということになりますので、今、近隣の文化施設の半額程度というふうになっております市民会館の使用料ですが、この使用料よりは、やはり増額になることは避けられないだろうというふうに考えております。また、その額につきましては、今後、受益者負担の考え方を基本に検討してまいりますけれども、その際、近隣文化施設の使用料等も十分に参考にさせていただきながら決定してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

P.76 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ありがとうございます。指定管理者制度の移行も見据えて、減免のルールや使用料の設定を要望いたしますとともに、これは、利用者である市民の活動にも直結するわけですから、案の段階で、なるべく早く市民意見を聴取していただくよう要望させていただきます。
 それから、文化振興における市の役割ですが、市民が文化に親しみ、市民による文化の振興がなされるよう、必要な環境整備と支援を行うとのことですけれども、答弁をお聞きいたしましても、具体的なことが余り見えてこないというのが本心でございます。必要な環境整備と言えば、思い浮かぶのが市民ホールなのですが、前計画の芸術文化創造センターの入札と呼応するかのように、平成27年6月に小田原市文化振興ビジョン推進委員会に対して、文化にかかわる条例の制定について意見を求めています。そこで、市民ホール整備と文化振興条例の制定は関連しているものなのかどうかお伺いいたします。

P.76 文化部長(安藤圭太君)
◎文化部長(安藤圭太君) 市民ホールの整備と文化振興条例の制定との関係について御質問をいただきました。文化振興条例につきましては、国が定めました文化芸術基本法、こちらの考え方ですとか、市の附属機関でございます小田原市文化振興ビジョン推進委員会からいただいた答申などを踏まえまして、文化振興における本市としての基本的な考え方や役割、方向性などを明文化するために制定したいというふうに考えていたところでございます。このため、市民ホールの整備のために文化振興条例を制定するということではございませんので、この点はぜひ御理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。

P.76 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 関連がないということですけれども、市民ホール整備のために文化振興条例を制定するわけではないとのことですが、ホール整備が停滞していたこれまでの間、文化振興条例の制定も停滞していることを見れば関連してないとは言い切れないととらえています。文化振興における市の役割は、理念条例となりかねない文化振興条例を制定することではなく、市民の自由な文化活動をやりやすくすることではないかと思います。そういった意味で、あえて条例を制定するのではなく、現在の文化振興ビジョンで十分役割を果たすと考えておりますが、見解をお伺いいたします。

P.77 副市長(時田光章君)
◎副市長(時田光章君) 文化振興条例ではなく、現在持っている市の文化振興ビジョンでその役割を果たしているのではないかというような趣旨の御質問でございます。文化振興条例につきましての市としてのスタンスは、ただいま文化部長から御答弁したとおりでございますけれども、昨年、御存じのように文化芸術基本法が議員立法によって改正されまして、より幅広にその法令の中に取り込んでいる、観光だとか、まちづくりだとか、福祉だとか、そういう方面まで取り込んでいるというような法令になっております。そういった法令の趣旨からしますと、やはりこの文化振興の主体は市民の皆様でありますけれども、その環境を整備していく、あるいはそれを支援していくというのは、市の役割だというふうに、我々の責務だというふうに思っているところでありまして、いろいろな考え方はあると思いますけれども、我々としましては、その文化条例の条例化に向けまして、さらに議論を深めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

P.77 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 従前から、私は、文化に対して条例化するというのはいささか問題があるのではないかなというふうには思っているところなのすけれども、どうしても文化振興条例を制定するのであれば、市民ホールと関連づけたほうがある意味すっきりするところではないかと思います。市民ホールでどのような催しや文化活動が行われて、どのような管理運営方式となっていくのかが明確に見えていない現時点の文化振興条例の制定には、なかなか無理があるのではないかと思います。今回の答弁をお聞きした限りでは、市民ホールはハード整備は進んでおりますけれども、ソフトの検討がかなりおくれているようにも見受けられます。市民ホールに多額の維持管理経費がかかり、市立病院再編整備事業など、その他の事業に影響を及ぼすことがないよう、市民ホールの維持管理の検討を進めていただくよう、これについては要望させていただきます。
 大項目の2については、以上で終わります。
 それでは、水害対策について再質問させていただきます。
 まず、酒匂川の洪水浸水想定区域内にある公共施設については、どのようにお考えになっているのかお伺いいたします。

P.78 防災部長(杉山博之君)
◎防災部長(杉山博之君) 酒匂川の洪水浸水想定区域内にある公共施設について御質問をいただきました。台風等により、本市に水害が発生するおそれがある場合、まずは、各部局の職員で組織されております防災対策連絡会を開催いたしまして、気象情報や各所管の対応状況等の情報共有を図るとともに、所管施設について事前の水防対策を講ずるよう指示しております。そして、公共施設のうち、洪水浸水想定区域内にあって、かつ風水害避難場所にしている学校などの施設につきましては、市民が避難してまいりますので、状況に応じて校舎など建物の2階以上へ避難するなどの対応をとることにしております。
 以上でございます。

P.78 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 状況に応じてというのはなかなか難しいところではないかなというふうに思うところですけれども、ここで、消防の署所が成田地区に整備される予定になっておりますが、前回の質問でもお伺いしたところですけれど、新たにここにできるということで、そこについてはどのようにお考えなのかお伺いいたします。

P.78 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 成田地区に新たに整備をいたします出張所の水害対策についてのお尋ねでございます。消防庁舎につきましては、非常用の電源等の重要な設備を安全な場所に配置するなど、発災時の被害を最小限にとどめる対策をとる予定でございます。また、酒匂川の洪水、浸水対策につきましては、流域の降雨量や河川の水位情報などから、あらかじめ被害発生の予測が可能でございますので、消防部隊及び車両を避難させるなど、事前に対策をとることが可能であるというふうに考えております。
 以上でございます。

P.78 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ありがとうございました。ぜひそのような対策をとりながら住民の安全を守っていただきたいというふうに思うところです。
 そもそも根本的な話として、酒匂川が一級河川になったほうがよろしいのではないかという話が出てきているところがあります。河川の区分は大きく一級河川と二級河川とに大分されるわけですけれども、この等級により、一級は国ないし都府県、二級は都府県の管理河川となっていることから、酒匂川は神奈川県が管理する河川となっているところです。
 神奈川県では、平成22年の台風9号による被災を契機に、酒匂川流域における総合的な土砂管理が必要と判断し、森林や砂防ダムの稼働域、海岸に至るまで、国や県の各分野の管理者と連携し合い、山から海に至る一連の流砂系の土砂管理に取り組むべく、平成25年3月に酒匂川総合土砂管理プランを策定し、この中で堆積土砂のしゅんせつを進めていると伺っておるところですが、なかなか進んでいないように見てとれるわけです。水害というのは、川の底が深ければ深いほどオーバーフローしてこないわけですから、堆積したものは取っていっていただかなければいけないのですけれども、なかなか進んでいないというのが現状というふうに感じ取れるところです。
 そこで、現在、神奈川県では2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に備え、県央から東側に予算の集中投資が行われている関係上、県西地域の県土整備に対する予算については大変厳しい状況が続いているものと考えるところでありますが、こうした状況もオリンピックとパラリンピックが終了すれば変わってくるのではないかと思うところです。一方で、終わったとしても十分な予算の確保ができるのか不安を感じるところでもあります。仮に酒匂川が一級河川に格上げされれば国が管理者となって、こうした不安は払拭されるのではないかと考えてしまうところでございますが、そこで、酒匂川を二級河川から一級河川に格上げする必要要件についてお伺いさせてください。

P.79 建設部長(村田真一君)
◎建設部長(村田真一君) 酒匂川の一級河川への格上げにつきまして質問がございました。河川法には、一級河川の指定に際し、さまざまな要件が定められております。酒匂川につきましては、河川流域は相応の規模を有しておりますが、想定氾濫区域の面積や人口が要件に該当しておりません。また、水系が2県にまたがっていることから、両県で治水、利水、河川環境の整備等を調整する必要がある場合には要件に該当することも考えられるところであります。いずれにいたしましても、国が、国土保全上または国民生活上、特に重要な水系であると認めたものを指定するものであります。
 以上でございます。

P.79 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 今の答弁からは、一級河川への格上げについては大変難しいように受けとめさせていただきました。そうなると、県が取り組んでいる土砂管理プランによる維持管理に期待することということになりますが、どうも進捗が芳しくないように感じておるところです。河川の堆積土砂の問題については、私以外の議員の皆様からも再三質問されているところでありますが、酒匂川の河床の至る箇所に土砂が堆積していることが明らかに見てわかる状況であります。特に市民の健康増進に資する酒匂川スポーツ広場前の河床にも多くの土砂が堆積しておりますが、この影響からか、去る9月に襲来した台風24号では酒匂川スポーツ広場は浸水し、一時利用休止となってしまいました。この堆積土砂がなければ浸水しなかったのではないかと悔やまれるところでもあります。
 そこで、酒匂川スポーツ広場前を含め、河床に堆積した土砂について、今後県はどのような取り組みを行っていくのか。また、今以上に、県の取り組みを強化していただけるよう、市から働きかけるべきではないかと思いますが、御見解をお伺いいたします。

P.80 建設部長(村田真一君)
◎建設部長(村田真一君) 酒匂川の堆積土砂の今後の取り組みにつきまして質問がございました。神奈川県県西土木事務所によりますと、平成25年度から昨年度までの5年間は、平成22年の被災前の状態に回復させる取り組みでありまして、今年度からのしゅんせつこそが、流下能力を確保するために重要な取り組みとの認識から、これまでのペースを落とすことなく取り組んでいくと伺っております。また、この取り組みの中で、スポーツ広場前の堆積土砂につきましても、今年度から対応していただくことになったところでございます。いずれにいたしましても、県の取り組み状況を注視し、必要に応じ働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

P.80 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ぜひ、安心・安全のために御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、川の物理的な整備についての後に、今度は、実際の災害が起きたときの水防対策について伺ってまいりたいと思いますが、水防団についての位置づけについてはお伺いさせていただきました。では、具体の活動についてはどのようになっているのか、まずお伺いさせてください。

P.80 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 水防団いわゆる消防団の水害時の具体的な活動内容というお尋ねでございます。大雨警報や水防警報等が発令されたような場合には、電子メールを一斉送信いたしまして、体制をしき、必要に応じ、分団単位で受け持ち区域の河川や水路等の巡回を実施してございます。消防団への出動指令は電話連絡により発令しておりますけれども、消防団がみずから災害の発生を発見したり、住民から直接要請を受けて出動する場合もございます。災害への対応は、その動員力を活用し、主として土のう積みなどの水防活動を実施しているというところでございます。
 以上でございます。

P.80 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 土のう積みとかを実際やったことがありますから、本当に大変な部分があるのですが、今回、板橋の水防倉庫が火災により被害を受けたのですけれども、そこは水防倉庫ということで資材が置いてあって、その地域においてはポイントになる場所ではないかと思います。しかしながら、そこは道路にかかっているところということで再建は難しいというお話でございましたけれども、今後の対応はどのようになさっていくのかお伺いいたします。

P.81 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 焼失をいたしました板橋の水防倉庫についての今後のお尋ねでございます。板橋の水防倉庫につきましては、既存の水防倉庫、酒匂川防災ステーション、消防の各署所の現有の水防資機材を精査確認いたしまして、配置の見直しを実施した上で、必要に応じ資機材の補充を行い、水防体制の充実を図ってまいりたいと考えておりますので、現状においては建てかえについては考えておりません。
 以上でございます。

P.81 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 現状については建てかえは想定していないということですが、酒匂川のほうに持っていくという部分がお答えの中にもありましたけれども、酒匂川に持っていってしまうと、早川のほうが手薄になってしまうと危惧するところです。酒匂川防災ステーションは、場所的にも物理的にも真ん中にあるとはいえ、各地の防災ステーションというにはなかなか機能しないのではないかというふうに考えられるのですが、水防倉庫の配置や資機材の配備について、どのようにとらえているのかお伺いさせてください。

P.81 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 水防倉庫及び水防資機材についてのお尋ねでございます。市の水防計画におきまして、洪水等の緊急事態に対処できるよう、水防倉庫の施設及び水防用資機材の整備を実施するものと定めております。現在、板橋の水防倉庫が焼失をいたしましたので、市内5カ所の水防倉庫のほか、消防署所の6カ所に水防用資機材を備蓄してございますので、水防活動のための一定数量の資機材が確保できているというふうに考えております。
 以上でございます。

P.81 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 各地区にある用水路等々の水防活動を含め、水防団の役割というのは非常に大きいというふうに思っているところです。また、その必要性というのも非常に高いと思うところですが、水防活動の技能向上のための訓練をもっともっと手厚くするべきだと思うのですけれども、御見解をお伺いいたします。

P.81 防災部長(杉山博之君)
◎防災部長(杉山博之君) 消防団の水防訓練について御質問をいただきました。現在、市ではこれまでの訓練の見直しをしておりまして、来年度以降、地震、風水害などの災害ごとにテーマを設けて、市内全域の総合訓練を行っていく考えでございます。平成31年度は「水防」をテーマにいたしまして、洪水や土砂災害等を想定した訓練を実施する計画でございまして、水防技術の向上を含め、基礎的な訓練を積み上げまして、より実践に基づいた訓練になるよう調整しているところでございます。また、本市は指定水防管理団体でもございますので、毎年の水防訓練が義務づけられております。そこで、水防訓練につきましては、平成32年度以降につきましても、実践に基づいた訓練を継続的に実施していく予定でございます。
 以上です。

P.82 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 水防訓練は年に1回あったわけですけれど、消防団が水防訓練に出る場合、従前ですと団員全員出ていたわけですが、最近の訓練ですと半分ぐらい、例えば20人いる分団だと10人が出動して訓練に当たるという形がとられているかと思います。そういったことを考え合わせると、隔年ないしは風水害を分けてしまうと、例えばそれが2年に1回の訓練になったり、もしくは3年に1回の訓練になったり、それが半分だと、さらに6年に1回とかということになってしまうということを考え合わせると、大きな防災訓練とは別に個々の水防団向け、そういった訓練もやっていただかないと、いざ災害があったときに対応がなかなかできないのかなというふうに思いますので、そういった面においては、しっかりと訓練における担保をしていっていただきたいというふうに思います。
 今回、水防についていろいろ聞かせていただきましたけれども、答弁が防災部と消防に分かれていたわけです。市役所、行政体の中で割り振りがなかなかできない部分かというふうに思いますが、こういったことに関しては、より防災部が軸をとってやっていったほうが、いざ災害時にはよりスムーズに物事が進むかと思いますので、ぜひ御検討をお願いいたしたいというふうに思います。これについては以上で終わります。
 それでは、大項目の4のほうに移らせていただきます。
 お答えはわかりました。(1)のほう、私たち議員も同様でございますけれども、コンプライアンスに関してはきっちり気をつけていかなければならない部分かというふうに思います。そこで、まず、職員の皆さんが職務を遂行する上で、最も重視すべき職員の姿勢についてはどのように考えているのかお伺いいたします。

P.82 副市長(加部裕彦君)
◎副市長(加部裕彦君) 職員の倫理観についての御指摘でございます。本市の職員といたしましては、法令や社会規範、道徳の遵守は当然のこととした上で、市民からの信頼を得て期待にこたえていくことが最も重要でございます。そのためには職員一人一人が高い倫理観を持ち、市民全体の奉仕者として何を求められているのかを常に把握しながら、その期待にこたえるために持てる力を十分発揮し、能動的に、そして誠実に職務に当たることが必要であると考えております。

P.83 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 私たちも肝に銘じながら物事に当たりたいというふうに思います。
 働き方改革のほうですけれども、8月17日に株式会社武蔵野専務取締役の矢島様を招いて働き方改革に係る研修を実施されたようでございますございますが、その効果及び職員の変化についてお伺いいたします。

P.83 理事・企画部長(林良英君)
◎理事・企画部長(林良英君) 働き方改革講演会を受けての効果、また、それがどういった形で市民のほうにも還元できるのか、こういった観点での御質問だと思います。働き方改革の講演会につきましては、今年度掲げました「小田原市版働き方改革」の趣旨を理解し、意欲的に取り組めるようにするために開催したものでございます。講師のほうからは、職員の意識を変えるためには、まず環境整備が必要であるという提案をなされまして、執務環境の改善にも現在積極的に取り組んでいるところでございます。所属ごとにさまざまな取り組みを実践しているところでございますが、全庁的に協力して取り組んでいる事例といたしましては、倉庫の本格的な整理整とんを行うことによりまして、手狭な執務環境が現在変わり始めてきております。このことは、書類や物品を探す時間を短縮できるほか、職員が生き生きと活躍できる職場環境が整備されることによりまして、職員の仕事に対する意識といったものをさらに高めることで、これまで以上に良質な市民サービスの提供の実現にもつながっていくものと期待しているところでございます。
 以上でございます。

P.83 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 本当に、なかなか捨てるものが捨てられないと、断捨離の精神が必要だというところがあろうかと。なかなか私も捨てるものが捨てられないというところがあって苦労している部分がありますけれども、肝に銘じながらやっていきたいというふうに思うところではあります。
 一つ、ちょっとここで例えばの話で例を出させていただきたいと思うのですけれども、消防の新規職員が基本的に研修を受けていない状況の中で部隊に配属されているのかどうか、まず確認をさせてください。

P.83 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 消防の新採用職員の配置についての御質問でございます。消防職員は採用後、国の告示で定める「消防学校の教育訓練の基準」によりまして、初任教育を受けることとされてございますが、入校時期の定めはなく、部隊編成の関係から、採用2年目に派遣している状況でございます。このため、現在は新採用職員を各署所へ配置し、訓練、研修を重ねながら、部隊の一員として消防業務に従事させております。
 以上でございます。

P.84 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 普通に考えると、研修を受けていない方が部隊へ配置されるというのは、甚だ危ないのではないかということで、安全管理上、問題ではないかというふうに考えるところですけれども、どのようにお考えでしょうか。

P.84 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 配置先におけます新採用職員の安全管理についてのお尋ねでございます。新採用職員につきましては、各配属先の経験豊かな教育担当職員が基礎的な訓練から災害対応訓練まで個別対応で教育してございます。災害現場の活動につきましては、火災現場での屋内進入や高所での作業等の危険な業務につきましては制限をいたしまして、主に後方支援活動に従事させるなど、安全管理を徹底しております。
 以上でございます。

P.84 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 危険な業務を制限しているということでございますけれども、その火事場に行ったときに銀のジャンパーを着て銀の長靴を履いて、そういう消防吏員の格好をしていれば、どの方も、それはもう消防職員だということで地域の人たちは見ているわけです。その入ったばかりの人には若葉マークをつけて、そこに立っているわけではないですから、そういった場合、危険な業務を制限しているということですけれども、それをいつになったら解除になるのかお伺いさせてください。

P.84 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 災害現場におけます危険な業務への制限についてのお尋ねでございます。初年度に部隊に配置された職員につきましては、個人装備の着装や資機材の取り扱い等の基礎訓練、ホース延長や放水訓練等の基本訓練から始めまして、訓練の成果を踏まえた上で、順次、火災を想定した応用訓練等を、消防学校入校までの1年間に繰り返し実施してございます。このため、この1年間は、災害現場での安全管理上支障がある危険な作業につきましては制限をしているというところでございます。
 以上でございます。

P.84 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 制限をしているということでございますけれども、ここでちょっとお伺いしたいのですけれど、研修を受けていない状況の初任教育を受けていない職員が現場に行くことに対して、もし何かあった場合、公務災害というのは認定されるのかどうか確認させてください。

P.85 消防長(穂坂明利君)
◎消防長(穂坂明利君) 災害現場でけがをしたときの公務災害の扱いということだと思いますけれども、これは当然、業務をした中での傷病といいますか、けがにつきましては、当然のように公務災害規約に当たるということでございます。
 以上でございます。

P.85 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 公務災害に当たるとはいえ、もし新規の職員がけがをしたりそういうことがあって、災害に遭ってしまったということに合わせると、なぜ出したのだという話に受け取られかねないという部分は、とても危険なことだというふうに思うのです。リスク管理の面からいえば、そういったことはしない方がいいというふうに思います。今までの消防の観点からいけば、新規職員を出すことは普通にやってきたことだったのかもしれないけれども、基本的には、グレーゾーンの人事管理のやり方なのではないかというふうに感じるところです。やはり一定期間の研修の後に現場に行かすということが、これから先、必要になってくるのではないかというふうに感じるところです。私自身も火事場に行ったときに、どうしても頭に血が上って使命感に駆られて入っていってしまうわけです。それで、私に合う銀の長靴がなかったものですから普通の長靴で行ってしまって、火事場でくぎを踏み抜いて、ちょっとちくっとしたことがあったのです。たまたま火事場に救急車が来ていて、ちょっと消毒液でも塗ってもらおうと思って行ったら、ばんとドアを閉められて、100メートルサイレンを鳴らされて行ったのですけれども、そういったこともありますので、ともすると、新人というのはなかなかわからない部分がありますから、そういった面を考え合わせた上で、しっかりと安全管理をしていっていただければいいかと思います。
 例えばの一例として、働き方の形のものを今回話させていただきましたけれども、いずれにしても、事ほどさようにこういったことはいっぱいあるかというふうに思います。各部署によっては、本当に定時ではなかなか帰れない部署がどうしてもあろうかと思いますけれども、いろいろな場面でそういったことを人事管理のほうで手当てをしていただいて、より働きやすい環境を整備していただけることを要望いたしまして質問を終わります。

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