◆25番(大川裕君) 誠風の大川でございます。26番加藤仁司議員、16番篠原弘議員、5番鈴木和宏議員、15番神戸秀典議員、6番浅野彰太議員、そして私、大川で構成されます会派誠風を代表いたしまして、通告に従い順次質問をさせていただきます。
まず大項目1、平成29年度施政方針についてです。
(1)として、「はじめに」について、アとして、小田原市の現在位置と目指すべき目的地をどのようにとらえているかについてです。
市長は冒頭、「私たちを取り巻く時代と社会の状況を客観的かつ冷静に」云々と述べられておりますが、本市においての現在位置、そして目指す目的地を、現状どのようにとらえているか伺います。
次に、(2)として、市政運営の基本方針についてです。
アとして、持続可能な地域社会モデルとした理由について伺います。
モデルという言葉をひもとくと、模した形であり、何かを模倣し具現化したもの、一般的には3次元の造形物を指すが、実物だと都合が悪い、あるいは現物を使うより都合がいい場合につくられるものとあります。そこで、なぜモデルという言葉をつけられたのか伺います。また、何か前例として、モデルという言葉どおり模したものはあるのか伺います。
次に、(3)重点方針についてです。
まず、アとして、地域コミュニティモデルの進化についてです。
地域コミュニティについては、重点方針において「地域コミュニティモデルの進化」を、また、分野別基本方針においては「地域コミュニティの強化」として取り組みを推進することとされています。そこで、これらの取り組みについて何点か伺います。
まず、地域コミュニティにおける「モデルの進化」とは、何を指しているのか伺います。
また、その取り組みとして地域活動の拠点確保が掲げられていますが、どのように地域活動の拠点を確保されるのか、市長の考えを伺います。
さらに、分野別基本方針の「地域コミュニティの強化」において、新たな分野や事業への取り組みを推進するとしていますが、新たな分野と事業とはどのようなものなのか伺います。
次に、イとして、子育て世代包括支援センターについてです。
子育てに適したまちというと、今までは自然豊かで教育環境の充実などが重視されてきましたが、共働きの子育て世代がふえた近年は、安心して子育てができる社会、預けられる環境に重点が移りつつあります。施政方針には、子育て世代包括支援センターの設置と保育コンシェルジュの配置がうたわれており、期待が高まるところです。センターの設置により、今までと比較してどのような点が向上するのか、具体的に伺います。
次に、質問のウとして、市民ホール整備についてお伺いいたします。
市民ホールの整備については、23日に開催された厚生文教常任委員会において、要求水準書骨子及び事業者選定方法について説明がありましたので、それらを踏まえて何点か伺ってまいります。
まず、要求水準書骨子についてですが、市の考え方として、計画地の概要、必要諸室及びその考え方と想定配置図の3点が示されました。しかし、この骨子には、整備の根幹であり基盤となる市民ホール整備の必要性と役割、整備の目的と方針は示されていませんでした。唯一、「シンプルで使いやすく、質のよいホールを整備することを前提」との方針はうたわれていますが、そもそも望まれている市民ホールは質のよいホールではなく、質の高いホールであるはずです。このように事業の本質や核心が抜け落ち、発注者である市の意図が明確になっていないものでは、今後作成が予定されている要求水準書は、ただの箱もの建設のためのものになりかねないと懸念されます。また、加えて言えば、市議会への説明内容としても極めて不十分であります。そこで、このような骨子のあり方で、事業の進め方への信頼性を確保できると思われているのかどうか、市民ホール整備の最高責任者である市長の所見を伺います。
次に、諸機能の一部を街なかに配置することについて伺います。
昨年11月、市民ホール整備方針についての議員説明会において、展示系及び創造系・支援系の機能の一部については、民間再開発事業の中で、規模や配置等の整備の可能性を検討・調整するとの説明がありました。そこで、市民ホールの一部機能を民間再開発事業で整備することについては、現状どのような進捗状況なのか伺います。
次に、現状の市民ホールの整備方針について伺います。
現在の市長の市民ホール整備方針は、三つの機軸で成り立っているととらえています。それは、第1に入札不調リスクを回避すること、第2に市民会館の現状と市民の声を踏まえて早期完成を目指すこと、第3に建設費を63億円程度に抑えるためにコスト低減を図ることであります。そこで、今後もこの3点を機軸として要求水準書を作成し、整備を進めるという考えでよいのか、改めて確認させていただきます。
次に、エとして、「分かち合いの社会」の創造について、まず「分かち合いの社会」とはどういったものを想定されているのか伺います。
また、懇談会を設置するとありますが、人選はどのようなものなのか、加えて、その会議体で議論する内容は受益と負担とありますが、どのようなものになるのか伺います。
次に、オとして、大規模なスポーツイベントをまちに生かす取り組みについてです。
既に、開催まで残り数年となった2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、2019年ラグビーワールドカップ日本大会ですが、本市においてスポット的な動きがあるにせよ、市を挙げての動きはいまだ見えてきていないのが現状と考えます。しかしながら、こういった世界的なイベントが近くで開催される機会を有効に活用し、まちに生かしていくことは、本市のブランド力を上げる意味でも有効な手段であると考えます。そこで、事前キャンプの受け入れなども当然の動きですが、市井の中で今まで以上に機運を高めていく方策について、どのようにとられていくのか伺います。
次に、質問のカとして、インフラ・公共施設の維持と再配置についてです。
今後の財政状況は大変厳しくなるという推計が出ており、少ない財源で効果的・効率的な行政サービスを行っていくためには、公共施設の統廃合や複合化を行うことは不可欠です。国においては、「インフラの老朽化が急速に進展する中、『新しく造ること』から『賢く使うこと』への重点化が課題である」との認識のもと、平成27年11月にはインフラ長寿命化基本計画を策定しています。
国からは、速やかに公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための計画(公共施設等総合管理計画)の策定を要請されており、本市では「市有施設の管理運営に係る基本方針」を平成27年3月に改定していますが、具体の計画は策定されていないのが現状です。インフラ・公共施設の維持と再配置について、ようやく検討するようですが、大切なのはその計画の中身であると考えます。
そこで、まず公共施設の配置の分析、建てかえの際の複合化の分析、住民サービス機能の向上・低下などは検証していく考えがあるのかお伺いします。また、どのような時間軸で取り組んでいくのか伺います。
インフラについては、計画的な維持管理、ライフサイクルコストを考慮した長寿命化に取り組むということであります。昨年、小田原市道路施設白書を策定していますが、橋梁の維持管理、統廃合についてはどのように行うのか伺います。
また、少子化が進む中、長期的な視点に立って小・中学校の統廃合についても検討する必要があると思いますが、どのようにお考えなのか伺います。
立派な計画をつくっても実行されなければ意味がありません。実効性を確保するためにどのように取り組んでいくつもりなのか伺います。
次に、(4)として分野別基本方針について、まず、アとして高齢者福祉についてです。
(ア)として、地域包括支援センター増設について。
市内12カ所の日常生活圏すべてに地域包括支援センターが設置され、地域包括ケアシステムが一つ到達点を迎えます。高齢化社会を迎えるに当たり、今後の支援センターのあり方と今後の高齢者への支援体制の取り組みをどのように進めていくのか、見通しを伺います。
次に、イとして、健康づくりについてです。
(ア)として、健康寿命の延伸と未病への取り組みについて。
神奈川県の進める未病への取り組みとして、市庁舎内に気軽に健康状態をチェックできる体制ができることは好ましいことと考えます。特定健診の受診率向上や専門的知見を得る機会がふえるように努めていただきたいところですが、一方で、平日に市庁舎を訪れる市民はごく一部であり、病状の重篤化を防ぎ、より多くの市民を救えるような活動をお願いしたいと考えております。そこで、未病の取り組みをする県及び民間企業との連携をどのように進めていくのか伺います。
次に、質問のウとして、市立病院の経営改革プランについてです。
小田原市立病院経営改革プラン(案)では、小田原市立病院の県西地域の基幹病院としての役割、今後のあり方、将来像が示されており、経営改革プランにおいて、市立病院の課題として収支状況の改善が認識されています。
市立病院は、平成27年度決算において約3億7000万円の純損失を出しており、そのため、まずは経営改革を行い黒字体質にする必要があるということであります。平成32年度までに経営収支黒字化という目標を達成し、経営基盤を確立する目途を立てた上で独立行政法人化の検討を行うということで、経営改革が進まなければ、今後の独立行政法人化の検討が進まないようです。また、経営収支黒字化とともに、市立病院の建てかえの検討は並行して行っていくべきとも思います。
そこで、収支状況の改善に向けた取り組みの一つとして、未収金抑制施策とありますが、未収金抑制及び未収金回収について、今までの取り組み状況と、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、質問のエ、消防救急体制の充実についてです。
新事業として消防庁舎再整備事業が挙げられており、待機宿舎の維持管理、消防車両やその他の備品の計画的な装備を進め、地域防災力の向上を図るとあります。今回の総務常任委員会で説明もありましたが、消防の広域化がなされ、見えてきた課題への対応や、分団の詰所も含めて多数ある署所の計画的な見直しをすることで、昨今言われている、非常に増加している救急案件への対応がどの程度充実するのかお伺いいたします。
また、広域化に伴い、震災等が発災した場合の同時多発的な案件に対し対応するためには、消防団の活用をどのようにしていくのか伺います。
次に、質問のオとして、安心・安全で快適な教育環境の整備について伺います。
本市の学校施設の老朽化対策及び教育環境の計画的整備については、平成26年2月に市教育委員会が策定した学校施設整備基本方針に基づき取り組むこととされています。また、平成29年度の施政方針においても、安心・安全で快適な教育環境の整備については、学校施設整備基本方針に基づく緊急度の高い修繕工事や施設の老朽化対策、トイレの洋式化や空調設備の整備について取り組むとされています。この学校施設整備基本方針では、基本的な考え方として、緊急度の高い修繕は短期間で行い、整備の長寿命化や建てかえに係るものについては、中期から長期計画で対応することとしています。
市長は、昨年の予算特別委員会の総括質疑において、学校施設の計画的整備の位置づけについて、重要度が高いと認識していると答弁しています。しかし、平成26年度から平成28年度における短期計画の達成状況は50%に達しておらず、重要であるという認識と実際の達成結果には乖離があります。
また、時田副市長からは、短期計画で着手できなかった工事は平成29年度以降に順次着手していくと答弁されております。加えて、短期計画後となる平成29年度以降の学校施設の長寿命化については、平成28年度に中長期計画を策定し、その中において順位づけして取り組んでいくと答弁しています。
そこで、これらの答弁を踏まえて伺います。
まず、市長は、学校施設の計画的整備は重要度が高いと認識していながら、短期計画の達成状況が50%にも満たない状況について、どのように受けとめられているのか伺います。
また、短期計画で着手できなかった工事について、平成29年度以降、どのように取り組んでいかれるのか伺います。
さらに、平成28年度に策定するとしていた中長期計画の策定状況は、どのようになっているのか伺います。
次に、質問のカ、観光について、(ア)として、シティプロモーションについてです。
昨年策定された小田原市観光戦略ビジョンによると、入り込み観光客数の目標値として、平成34年度までに700万人、平成41年度までに1000万人を目指すとされています。施政方針の中でも、観光振興や地域経営の観点で、都市セールスやプロモーションという言葉が使われておりますが、魅力的なコンテンツの創出やメディア戦略など、目標を達成するためには、より具体的なシティプロモーション計画が必要であると考えます。そこで、目標達成に向けたシティプロモーションへの今後の取り組みについて伺います。
次に、キとして、水産業についてです。
本市の経済活動の中でも重要な部分を占める水産業は、関連する事業者も多く、本市において非常にすそ野の広い産業であり、従事されている方も非常に多いものとなっています。観光の面から見ても、訪れる方々の興味は小田原城と双璧をなす部分と言っても過言ではないと考えます。平成30年度には交流促進施設が整備されると、3月定例会の建設経済常任委員会で説明がなされたところで、さらに多くの方が訪れることだろうと関係者は期待を寄せている状況であります。
最近は、物を買う消費より、体験することの消費がふえていると言われております。そこで、質問の(ア)として、交流促進施設において交流の体験の機会をどのように演出していくのかについてお伺いいたします。
加えて、以前から再三質問で申し上げておりますが、週末ともなるとかなり混雑する漁港周辺が、交流促進施設ができることで、さらに混雑がひどくなることが予想されます。その対策について、どう対処していくのか伺います。
魚を消費していく仕掛けづくりも重要ですが、一方で安心・安全な魚介類を安定して供給していくことも考えていく必要があります。市場施設は昭和43年に開設以来50年近く経過し、老朽化に加え衛生的にも万全とは言える状況ではなく、これではブランド化して魚介類を売っていくにも支障が出てきます。そこで、質問の(イ)として、水産市場施設の再整備の検討状況について、どのようになっているか伺います。
また、本市において、今後さまざまなインフラ整備事業が控えておりますが、水産市場施設の優先順位はどのようなものなのか伺います。
次に、質問のクとして、三の丸地区について伺います。
(ア)として、三の丸地区全体の整備構想についてです。
三の丸地区での市民ホール建設はいまだに紆余曲折しておりますが、この建設予定地及び近隣地域は城址公園の隣接地であり、多くの観光客を迎え入れる大きなポテンシャルを持った場所であると思います。そして、三の丸地区のまちづくりの成否が、将来にわたっての本市の観光交流、地域経済の活性化を大きく左右するものとも考えます。また、昨年11月に小田原箱根商工会議所が発表した「平成の城下町・宿場町構想」では、三の丸地区に魅力ある、皆がわくわくするような絵が発表されました。
昨年の12月定例会にて、26番加藤議員から、小田原法務合同庁舎敷地交換の実現が図られた際には、新たな周遊拠点整備の方針を立て直し、将来的な整備計画の策定を行うべきでないかとの質問に対し、市長は、今後、御指摘を踏まえて、三の丸地区全体の構想について検討する必要があるものと考えていると答弁されております。
前述したとおり、これから作成される三の丸地区全体の整備構想は、三の丸地区の歴史的な特性を生かした構想になるものと期待しておりますが、この構想の根幹となるべき三の丸地区の土地利用について、市民ホールと小田原法務合同庁舎の用地との一部交換の協議がされていることは、甚だ疑問であります。この交換が成立すると、検察庁は現地で建てかえを行い、横浜地方裁判所小田原支部と一緒に、今後50年以上、三の丸地区に存在することとなる可能性があります。
検察庁が建てかえを検討している今こそが、裁判所と合わせて三の丸地区からの移転が可能となる絶好の機会であり、両者が移転して、この土地を市が取得し、三の丸地区の整備構想で有効活用することを目指すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
また、三の丸地区全体の整備構想は、どのようなスキームで策定する考えなのか伺います。
次に、質問のケ、情報共有の推進に関連して、(ア)予算編成過程の公開について伺います。
予算編成過程の公開については、16番篠原議員が昨年の予算特別委員会総括質疑において、本市においても実施すべきではないかと提案いたしました。このことに対して加部副市長から、時間的な制約がある中で予算編成作業を進めており、公開のための作業を合わせて行うことは難しいとの答弁がありました。そこで、私ども誠風では、既に実施している自治体が、予算編成作業を進めながら、どのように予算編成過程の公開作業を進めているのか、その状況を調査することとし、この1月に、本市と人口、予算規模が類似している島根県出雲市を視察いたしました。
出雲市の財政部財政課担当職員の説明によれば、現市長の公約である「開かれた市政の実現」、「市民への説明責任」の一環として、平成22年度当初予算編成から公開しており、公開対象は一般会計の1000を超える事務事業予算のうち、市民生活にかかわりの深い事務事業や建設関係など、約200の事務事業予算としています。公開内容は、前年度予算額、当初予算要求額、財政部長査定額、市長査定額に査定の考え方を付記しています。
御懸念の事務負担については、担当課が公開事業の選別と当該事業概要や予算額等の資料を作成し、財政課がその内容を確認することが主な事務分担となっており、導入当初は事務的負担があったということでしたが、事務処理に順応してからは負担感が少なくなったとのことでした。
そして、公開の効果については、内部的には、市民目線で予算要求が行われる風土が生まれ、職員の意識改革につながったこと、外部的には、市民の市政への関心や参画意識が高まったとのことでした。
こうした先進地の取り組みの意義と効果から、本市も予算編成過程の公開を検討すべきと考えますが、市長の所見を伺います。
次に、質問のコとして、競輪事業について伺います。
競輪事業はこの数年、1億円を一般会計に繰り出しており、経費削減を行いながら収益確保に努めていることは大変評価するものですが、事業の継続性という観点では、施設の老朽、入場者及び売上金の減少など、将来的な不安要素はなかなか払拭できません。市長は競輪事業の今後の進展と存廃をどのように考えられているのか、所見を伺います。
次に、先述したとおり、小田原競輪場は開設から既に60年以上の歳月が経過しており、老朽化が著しい施設であります。そこで、競輪場建てかえの可能性はあるのか、また廃止された場合において、当該地についての土地利用制限はあるのか伺います。
次に、大項目の2、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」についてです。
初めに、本年4月からスタートする後期基本計画について伺います。
本計画策定に当たっては、総合計画審議会において審議され、答申が出された上で計画策定となったものでありますが、まずアとして、計画推進に当たって、前期基本計画における事業施策の進捗はどうであったのか、また、前期で終結したもの、後期計画に継続して取り組むものは何があるのか伺います。
次に、イとして、後期基本計画への意気込みとして、後期計画は何を基本として策定したのか、さきに発表された財政推計策定による影響はどのように見ているのか、計画年度である6年後の財政、事業の見通しはどのように見ているのか伺います。
次に、(2)インフラ整備について伺います。
初めに、アとして、道路整備についてですが、現在事業が進められている都市計画道路小田原中井線、都市計画道路穴部国府津線、都市計画道路城山多古線・小田原山北線の道路整備の進捗状況及び平成29年度以降の進展について伺います。
次に、イとして、無電柱化の推進について伺います。
周知のとおり無電柱化は、国土交通省において、昭和61年度より電線類地中化計画による整備が進められ、現在は「無電柱化に係るガイドライン」に沿って無電柱化が進められています。本市においても、国道を初め幾つかの幹線道路において無電柱化が図られておりますが、現況について伺います。
また、国土交通省では、平成32年度の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を視野に入れつつ、次期計画を検討していると伺っておりますが、本市における平成29年度以降の具体的な取り組みについて伺います。
次に、ウとして、情報インフラの整備についてです。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、観光立国を推進する観点から、総務省が中心となり、情報インフラとしてのWi-Fi整備を推進しております。現在、数多くの自治体により先進的な取り組みがなされておりますが、Wi-Fiを整備することで、観光面では、訪日外国人へのインターネットアクセスの提供や、効果的な情報提供による集客・回遊の促進効果、防災面では、住民や観光客、職員への迅速な情報伝達や被害状況の情報収集の効率化、そのほか住民サービスや行政業務の効率化など、さまざまな分野で効果が期待できます。
本市においても、公共施設等でWi-Fiが提供されているのは承知しておりますが、横断的に取り組むべきであると考えます。おだわらTRYプランを推進するに当たり、他分野にまたがる情報インフラの整備について、今後どのような体制で臨むおつもりなのか、所見を伺います。
以上で登壇しての質問を終わります。
◎市長(加藤憲一君) 誠風・25番大川議員の代表質問に順次お答えをいたします。
初めに、本市の現在地と目指す目的地についての御質問でございました。人口減少・少子高齢化が進展し、さまざまな課題が山積しておりますが、将来都市像「市民の力で未来を拓く希望のまち」のもと、豊かな地域資源を生かし、地域コミュニティ活動や市民協働の取り組みを充実させることにより、問題解決能力の高い地域へと確実に歩みを進めているところであります。今後は、平成29年4月からスタートする後期基本計画に基づき、これまでのさまざまな取り組みを軌道に乗せ、結果を出していく段階へと進み、直面する当座の課題解決にとどまらない持続可能な地域社会の実現に向けて、明確な意思を持って進めてまいります。
次に、持続可能な地域社会モデルとした理由についてでございます。本市が目指すべきこれからの社会の姿を持続可能な地域社会のモデルとしておりまして、実現したい社会の状態のことでございます。この内容は、後期基本計画に示してありますとおり、これまで本市が取り組んできたさまざまな官民協働の取り組みを揺るぎないものとすることで、本市の取り組みが全国の自治体の先駆け、すなわちモデルになることを目指そうとの気概を込めております。そのため、社会のモデルとして模したものはございません。
次に、地域コミュニティモデルの進化についてでございます。これまで市内26の自治会連合会の区域ごとに、市民と行政との協働で進められてきた取り組みの成果を踏まえ、今後、地域コミュニティとして取り組むべき課題領域、備えるべき機能、果たし得る役割、活動推進に必要な態勢、財源、拠点、行政との連携などにつきまして、先進事例にも学びつつ、目指すべき地域コミュニティ像を見定め、さらなる取り組みを進めていこうとすることを、モデルの進化ととらえているところでございます。
次に、地域活動の拠点確保についてでございます。地域における主体的なまちづくりや課題解決に向けた取り組みが円滑に進められますよう、各地域コミュニティの活動の状況に応じて、既に活用されている公共施設や地区公民館に加え、学校や民間施設なども視野に入れながら、活動の場を確保しようとするものでございます。また、それらの場を確保するために、民間資本を利活用するなどの手法についても研究を加えてまいりたいと考えています。
次に、新たな分野や事業への取り組みについてであります。今年度、各地区で行われた地域別計画の見直しの中で、計画策定時からの地域の変化と現在の課題が整理され、今後の取り組みなどが明確化されてきております。新たな分野や事業への取り組みとは、見直された地域別計画の中にあります、住民同士の交流につながる広報の充実や、地域で支え合う仕組みなど、これまで着手できていなかった、あるいは十分に対応できていなかった活動等を指しておりまして、地域コミュニティ組織が着実に事業を実施できるよう、市としては引き続き支援してまいりたいと考えています。
次に、子育て世代包括支援センターの開設についてでございます。今までは、妊娠の届け出の際に、母子健康手帳の交付のみを行っておりました。今後は、ファーストタッチから保健師や母子保健相談支援専門員が面談を行いますことで、支援が必要な妊婦を把握し、その後の円滑な相談・支援につなげてまいろうとするものであります。
次に、要求水準書の骨子のあり方で、事業の進め方への信頼性を確保できるかについてでございます。今回の要求水準書の骨子の策定に当たりましては、まず、市民の皆様からさまざまな御意見をいただいた市民ホール基本計画をもとに、限られた整備費の中で最大限の実現を図ることを主眼に作成させていただきました。この結果、基本計画のすべてを整備することはできませんが、多機能化など工夫をすることによって、相当程度の実現が図られるものと考えております。この骨子の詳細を、今後の作業を通じて詰めていくことによりまして、市民の皆様に納得していただける整備内容の要求水準書ができるものと考えています。
次に、市民ホールの一部機能を民間再開発事業で整備することについてでございます。昨年11月に整備方針を発表した際に、減額した事業費では、基本計画のすべてを現市民ホール計画地で実現することはできなくなり、計画地に建設費内で可能な諸室を整備するとともに、一部機能については民間再開発事業の中で、規模や配置など整備の可能性を検討・調整することを発表させていただいております。今後も引き続き整備の可能性を検討し、まち全体としてのにぎわいの創出を実現したいとしているところでございます。
次に、不調リスクの回避、早期完成、コスト低減を機軸として整備を進める考えかとの御質問でございました。今回の整備におきましては、質のよいホールを整備することは大前提でございます。その上で不調リスクの回避、早期完成、コスト低減は、これまでの経緯にかんがみましても、留意する必要が当然あると認識しております。今回、設計者を重視した新たなデザインビルド方式を採用することによりまして、不調リスクの回避や、市が求める機能・性能を担保し、さらにすぐれたデザインでありながらも、建設費及びランニングコストを低減した市民ホールが早期に整備できるものと考えているものでございます。
次に、「分かち合いの社会」についてでございます。「分かち合いの社会」とは、課題山積の時代を乗り越えていくため、まちづくりをともに進める喜びや楽しみ、苦労や負担を皆で共有し、担い合う社会であると考えています。
次に、この「分かち合いの社会」懇談会の人選についてのお尋ねでございます。「分かち合いの社会」懇談会では、経済格差への対処や、協働のより一層の充実、行政サービスの維持・更新に係る受益と負担のあり方などについて議論し、その取り組みを展開してまいります。この懇談会には、全国で活躍される有識者の方や地域で活動に取り組んでいる方々にも出席をいただき、取り組みの理論構築と実践へのフィードバックを行っていきたいと考えています。
次に、「分かち合いの社会」における受益と負担のあり方についてでございます。将来を見据え、本市が必要な行政サービスを提供していくことは当然のことでありますが、限られた経営資源で市民のニーズに的確にこたえていくためには、行政、市民、地域団体、事業者、NPOといった多様な主体が、それぞれの特性を生かして役割を分担するとともに、民間企業等の力を活用することが極めて重要でございます。「分かち合いの社会」の考え方は、そのような社会の基盤となるものであり、持続可能な行財政運営に向けまして、まちづくりの現場での喜びや楽しみ、苦労や負担を分かち合うだけではなく、受益と負担のあり方についても踏み込んで議論していく必要があるものと考えています。
次に、大規模なスポーツイベントを契機とした方策についてでございます。スポーツを通じた地域の活力づくりを進める観点から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会関係では、機運醸成のため、エリトリア国の選手との交流事業や「おだわらスポーツフェスタ」に取り組むほか、リオオリンピックに出場した松下選手を応援するためのパブリックビューイングなどを実施してきました。また、ラグビー関係では、ラグビーの普及啓発に向けまして、ストリートラグビーやタグラグビー大会などのイベントを実施しており、今後はこれらの取り組みをさらに充実させますとともに、PRを進めてまいる考えでございます。
次に、公共施設の再編の取り組みについてであります。市が保有する公共建築物いわゆる箱ものにつきましては、老朽化に伴いまして、今後多額の更新費用が必要となり、現在の規模のまますべての施設を維持することは非常に困難であります。そのため、ライフサイクルコストの低減及び施設の長寿命化を図りますとともに、施設の複合化や統廃合などによります総量縮減にも取り組んでまいります。具体的には平成29年度、平成30年度に策定いたします公共施設再編基本計画の中で、それぞれの施設の持つ機能や住民サービスへの影響などを個別に検証し、将来にわたりまして持続可能な施設の適正配置を目指してまいるものでございます。
次に、再編のスケジュールについてであります。公共建築物の再編につきましては、今後、公共施設再編基本計画を策定してまいりますが、計画に基づきます公共施設の再編整備は、その後、数十年の長期間にわたって取り組んでいくこととなります。また、公共施設再編基本計画の策定作業と並行して、市民とのワークショップを開催し、市民と行政がともに知恵を出し合って、地域におけるこれからの公共施設のあり方を考えていく取り組みを予定しております。
次に、橋梁の維持管理や統廃合の進め方についての御質問でございます。橋梁の維持管理につきましては、施設の長寿命化を図りますため、近接目視による点検を行い、現在は、その結果をもとに修繕計画を作成しているところであります。今後は、この計画に基づき、道路利用者の安心・安全を第一に考え、効率的な修繕を行っていく予定でございます。また、橋梁の統合や廃止につきましては、市民生活に直結いたしますことから、地域の意見を取り入れながら、長期的な視点に立ちまして、代替等も含めてあらゆる方策を探ってまいる考えでございます。
次に、小・中学校の統廃合についてのお尋ねがございました。学校施設は教育施設としてだけではなく、スポーツ活動等にも活用されていることに加えまして、今後、地域コミュニティ活動の場としても期待されておりますことから、その重要性はますます大きくなっていくものと考えています。公共施設の総量縮減を進めていくため、学校施設も含めまして、これからの時代に見合った施設のあり方や適正配置を図ることができるよう努めてまいりたいと考えています。
次に、施設再編等の実効性の確保についてでございます。公共建築物の再編の取り組みについては、施設の利用者である市民との合意形成が重要であると考えており、ワークショップ等を通じまして、本市の公共施設を取り巻く現状や課題を市民と共有し、建設的な議論を重ねながら、今後の取り組みに対する市民の理解を深め、施設再編の実効性を高めてまいりたいと考えています。
次に、地域包括支援センターについてのお尋ねでございます。地域包括支援センターは、地域の高齢者が、住みなれた地域でその人らしい生活を継続するための身近な相談窓口であり、必要な支援を包括的に行う中核機関でございます。今後は、複雑化する相談への対応に、地域包括支援センター職員の人材育成を支援しながら、機能強化を図ることが重要であります。高齢者の支援体制につきましては、12カ所の地域包括支援センターと、医師会や民生委員など関係機関とのネットワークの構築を、これまで以上に図りまして、地域全体で支え合う地域包括ケアシステムを推進してまいる考えであります。
次に、未病に取り組む県や民間企業との連携についてでございます。未病センターは、神奈川県が進めております未病センター設置の取り組みと連携し、市民の健康づくりに役立てるため開設するものであります。本市といたしましても、県や民間企業が実施するさまざまな事業と連携いたしまして、健康寿命の延伸に向けた取り組みを推進してまいります。
次に、小田原市立病院の未収金の抑制についてのお尋ねがございました。現在、未収金を抑制するために、督促状の発送や分割納付の案内など、さまざまな取り組みを実施しております。経営改革プラン内でお示しをいたしましたように、今後、病院の収支状況の改善を図る手法の一つとして、より一層の未収金抑制対策に取り組む必要があると考えています。そこで、現在行っております取り組みをより効果的に活用いたしますことで、発生抑制策として、医療費の速やかな請求と納付しやすい環境づくりを、また、未収金発生後の対応として、それぞれの患者の生活状況に即した速やかな納付方法の相談の実施など、両面から取り組んでまいりたいと考えています。
次に、増加する救急案件への対応でございます。今年度策定いたしました小田原市消防署所再整備計画でお示しいたしましたとおり、消防署所の再配置につきましては、現状より署所数を減らしても、全域での救急隊の運用効果の向上が見込まれるものでございます。しかし、救急需要につきましては、総務省消防庁の調査によりますと、高齢化のさらなる進展も見込まれますため、平成37年ごろまで増加することが想定されています。このため、署所の統廃合により効率化した人員を活用いたしまして、救急隊を増隊することで、増加する救急需要に対応していきたいと考えています。
次に、震災時における消防団の活用についてであります。震災時における同時多発的な案件に対する消防団の活動は、小田原市消防団災害等活動規程に定めておりまして、発災と同時に情報収集や消火、救助、応急救護等の任務を分団単位で行うことといたしております。また、東日本大震災を教訓に、震災に対する平時からの備え、地震発生時の初動体制や参集方法等を明確に定めました「小田原市消防団震災時における活動マニュアル」を作成いたし、消防団年間事業計画に位置づけた研修を行いまして、消防団員に周知をしているところでございます。
次に、短期計画の達成状況についてでございます。私といたしましては、学校は子供たちが安全かつ快適に教育を受ける場であることはもとより、地域の拠点としての役割も担っておりますことから、施設環境を整えることは最優先課題の一つであると認識しています。しかしながら、市全体の財政的制約や国庫補助金の採択状況などから、計画どおりに進んでいないことについては、大変心苦しく思っているところでございます。
次に、着手できなかった工事の取り組みについての御質問でございます。短期計画に位置づけた工事のうち、積み残したものにつきましては、翌年度工事に繰り越すこととしておりますが、平成28年度末の達成率は約55%にとどまっておりまして、残りの工事につきましては、平成29年度以降に計画的かつ早急に取り組んでいかなければならないと考えています。今後とも、国庫補助金、交付金を初め、あらゆる角度から財源の確保に努めまして、学校施設を適正に維持管理できるよう取り組んでまいりたいと考えています。
次に、今後の整備計画についてのお尋ねでございます。これまでも説明してまいりましたとおり、今後の学校施設の長寿命化を図るため、中長期の視点を持った学校施設の再整備計画の策定作業を進めておりまして、今年度末に完了する予定であります。内容的には、今後の財政負担がどれくらい見込まれ、その平準化を図りながら、施設の老朽化の度合い等を考慮した上で、整備の優先順位や手法を示していくこととなってまいります。なお、基本的な考え方といたしまして、現状の施設を維持するとともに、新たな教育的ニーズにこたえますため、整備、維持管理に係る経費の圧縮等を図るべく、学校と幼稚園の合築なども視野に入れますとともに、公共施設マネジメント基本計画との整合を図りながら、施設の複合化についても検討していく必要があろうかと認識しています。いずれにいたしましても、老朽化対策は喫緊の課題でありますことから、公共施設全体の中で調整しながら進めてまいりたいと考えています。
次に、観光プロモーションについてのお尋ねがございました。本市はこれまで、観光都市としてのイメージ向上を目指し、首都圏を初め、関西、東北地方などでプロモーションを実施してまいりました。現在、市では、観光協会の地域DMOとしての機能強化を支援しておりまして、今後は、これまで十分でなかった商店や飲食店などの紹介を含む、民間ならではの情報発信が、さらに活発になされるものと期待しているところでございます。さらに、それと相乗効果が図れますよう、引き続き交流人口拡大に向けた都市セールスもしっかりと行ってまいる考えでございます。
次に、交流促進施設での体験の演出についてでございます。交流促進施設は、管理運営を指定管理者に任せる予定であります。そのため、体験型イベントにつきましては、指定管理者選定の際に、指定管理者となる事業者から提案していただくことを想定しています。想定される体験型イベントにつきましては、多目的室を利用した魚のさばき方や、しゅんの魚を使った料理教室の開催や、海・港・魚とのふれあいをテーマとした体験学習などが考えられております。
次に、交流促進施設完成後の交通渋滞についてでございます。駐車場は、県営駐車場を含め約160台が整備される予定であります。渋滞対策といたしましては、交流促進施設への進入路となります国道135号の既存交差点を改良し、右折レーンを設置することで渋滞を緩和させると県からは伺っています。また、国道135号から交流促進施設までの臨港道路の距離が約400メートルありますことから、敷地内の滞留車線としての効果もあると考えております。
次に、水産市場施設再整備の検討状況でございます。水産市場施設の再整備につきましては、昨年度、小田原市卸売市場審議会からの答申を受けまして、将来像を「地域が潤い、豊かになる、にぎわい水産市場」といたしまして、審議会から示されたコンセプトを骨子に、市場関係者等と検討を行っています。今年度は、現地調査及び市場関係者からのヒアリングを実施いたしますとともに、水産物の取扱量の将来予測の検討から施設規模を算定し、限られた漁港用地における現地再建の可能性について、幅広く検討しているところでございます。
次に、水産市場施設再整備の位置づけについてでございます。水産市場施設につきましては、今年度策定する第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」後期基本計画で、再整備の検討を位置づけている施設の一つであります。再整備に当たりましては、市場関係者との調整や財政面での検討など、整理すべき課題が多岐にわたりますため、再整備に係る他の施設との優先順位については、今後の検討状況に左右されるものと考えております。
次に、三の丸地区全体の整備構想における市民ホールと小田原法務合同庁舎の用地の一部交換等についての御質問でございます。用地の一部交換につきましては、小田原法務合同庁舎の本格的なリノベーション計画が具体化してきましたことから、将来の三の丸地区全体の整備を視野に入れ、市道0003(お堀端通り)の良好な景観形成等を図る等のために協議を始めたものでございます。三の丸地区全体の整備構想を策定する上では、小田原法務合同庁舎及び横浜地方裁判所小田原支部の全用地を取得することが望ましいわけでありますが、これには代替地の確保や巨額となるであろう移転費用の負担等の課題がありますことから、現時点でとり得る選択肢の中では、用地の一部交換を行うことが最善と判断しているところでございます。
次に、三の丸地区構想の策定スキームについてであります。構想については、まずは、これまでの検討状況を踏まえて関係部局と調整の上、市の方針を整理し、その上で地元商業関係者など外部の方々の意見を伺いますとともに、アドバイザーの助言を受けながら策定していくことを考えております。
次に、予算編成過程の公開についての御質問がございました。予算編成は、年次ごとの市全体の歳入の状況を見通した中で、事業内容の精査や優先順位づけを重ねて行い、限られた財源の配分により最終的な予算案としているものでございます。また、財源確保の機会を逸することのないよう、国や県の予算編成の状況が明らかになってくる年末以降のさまざまな情報に基づき調整を行っておりまして、時間的制約のみならず、最終案となるまでの時点ごとの予算調整の状況は大変流動的であり、公開に適さないと考えています。しかしながら、財政の全体像について市民と情報共有することの重要性は十分認識しており、わかりやすく時宜にかなった情報発信を行い、市政への関心や参画意識を高めるよう努めてまいりたいと考えています。
次に、競輪事業の存廃についての御質問がございました。競輪事業は、市財政への寄与に加え、安定した雇用の確保や地域経済にも貢献している事業でございます。また、入場者数の減少傾向が続くなど、大変厳しい状況ではございますが、売上増加策と経費削減の両面に工夫をしながら、収益を確保し、今のところ健全経営に努めているところでございます。平成19年度の小田原市競輪事業検討委員会の報告書では、赤字もしくは赤字が予測される状況となった場合には廃止を検討すると結論づけられており、まずは、この趣旨を尊重していきたいと考えています。今後も、競輪事業につきましては厳しい状況が続くものと予想される中で、事業収支はもちろんのこと、事業実施による効果や影響、周辺のまちづくりにおける展望など、さまざまな観点から検証を加えつつ、この先のあり方を見きわめていく必要があるものと考えています。
次に、老朽化している施設を建てかえる可能性についてでございます。小田原競輪は、昭和24年に開設してから60年以上が経過し、施設の老朽化が大変進んでおります。この間、補修工事などにより施設や設備の延命化を図ってきておりますが、小田原競輪場は、都市計画法や建築基準法等の規制により、建てかえや増改築等の大規模改修はできないものと考えております。
次に、競輪場用地の土地利用制限についてでございます。競輪場用地は、第一種中高層住居専用地域でありますが、同時に第一種風致地区となっておりますことから、建築物の高さは8メートル以下、建ぺい率は20%以下の制限などが定められています。また、競輪場用地は、都市計画決定いたしました「中央公園」の一部となっておりますため、一定の建築行為が制限をされております。
次に、前期基本計画の進捗についての御質問がございました。前期基本計画に位置づけました事業については、ほぼすべての事業に着手はしておりますが、大規模事業については実施年次がおくれているものもございます。また、先導的施策を初め、各施策に位置づけました事業は順調に進んでいる状況であり、直近の事務事業評価におきましては、成果指標が7割以上達成している事業が全体の94%となっております。
次に、前期基本計画で終結した取り組みについてでございます。個々の事業について述べますと多岐にわたってしまいますが、例えば小田原地下街「ハルネ小田原」や小田原市民交流センターUMECOの開館、市庁舎や天守閣の耐震改修などのハード整備が完了いたしますとともに、地域コミュニティ組織の全26地区での設立など、一定の成果を得ているソフト事業も多数ございます。
次に、後期基本計画に継続する取り組みについてでございます。前期基本計画に位置づけるほとんどの取り組みは、後期基本計画に継続をしてまいります。特に、後期基本計画において新たなステージに進んでいくものといたしまして、森里川海がひと連なりの特徴を生かした、多様な主体の連携による自然環境の保全と再生、観光戦略ビジョンに基づく観光まちづくりの推進などの重点テーマに掲げる取り組みが挙げられるところでございます。
次に、後期基本計画の策定についてのお尋ねがございました。今回の後期基本計画は、基本構想については変更しておりませんが、平成27年度の有識者懇談会や市民との対話により整理いたしました基本的考え方をもとに、社会経済環境の変化を踏まえた基本計画の見直しを行っております。また、「小田原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」や、さきの市長選挙の際にお示しいたしました第3ステージの取り組み指針の内容についても、反映した計画となっております。
次に、財政推計策定による計画への影響についてであります。後期基本計画の策定や2市協議における検討作業等の基礎資料として作成いたしました本市財政推計では、諸種の与件はございますけれども、平成34年度に収支不足となることを推計いたしております。後期基本計画の策定に当たりましては、この財政推計を考慮いたしまして、6年間の計画期間における事業展開を、将来的な負担の配分を念頭に慎重に見きわめ、必要な事業の位置づけを行っているものでございます。
次に、6年後の見通しについてでございます。6年後の平成34年度は、第5次小田原市総合計画の最終年度でございまして、基本構想に掲げる将来都市像やまちづくりの四つの目標が達成していることを目指して、取り組みを進めてまいります。本市の財政運営につきましては、社会保障関係費や公共施設の維持管理・更新経費の増加など、一層厳しさを増していくことが想定されますことから、計画の実施と合わせた行政改革の推進を、量と質の両面から実施していかなければならないと考えています。
次に、県の都市計画道路の進捗状況についてのお尋ねがございました。都市計画道路小田原中井線につきましては、羽根尾土地改良区内の用地取得が完了しており、平成29年度以降は、鉄道事業者や交通管理者との協議を進めていくと伺っています。都市計画道路穴部国府津線につきましては、現在、交通管理者であります県警本部と交通協議を行っておりまして、協議の調ったところから、順次用地を取得いたしております。平成29年度以降は、引き続き用地を取得しますとともに、鉄道事業者との協議を進めていくと伺っています。都市計画道路小田原山北線・城山多古線につきましては、現在の用地取得率が全体では約4割、整備を優先しております小田原山北線では約8割に達しておりまして、平成29年度以降は、引き続き用地取得を進めていくと伺っています。
次に、無電柱化の整備状況とその取り組みについてでございます。本市における無電柱化事業につきましては、国道1号で約5キロメートル、国道255号で約0.8キロメートル、県道718号(鴨ノ宮停車場矢作)でございますが、こちらで約0.4キロメートル、また、市道では昭和62年度より事業に着手いたしまして、市道2216(お城通り)などの11路線約5.8キロメートルの整備を、これまで行ってきております。平成29年度以降は、現在施工しております都市計画道路栄町小八幡線におきまして国道255号と連携し、引き続き事業を推進いたしますとともに、市道2189、すなわち銀座通り南街区では、事業化に向けて、地元や関係機関等との協議を進めてまいります。また、歴史的な景観が残ります、かまぼこ通りと板橋旧街道につきましては、回遊性を向上させるため、無電柱化に向けました整備手法の検討に取り組んでまいります。
次に、Wi-Fi環境の整備についてのお尋ねでございます。平成29年度当初予算では、本市の施設の中でも観光客が多く利用しております石垣山一夜城や清閑亭、松永記念館など6カ所を、各担当所管の連携のもと、新たに整備する予定でございます。今後、新たな施設への導入を検討する際には、利用者のニーズや通信技術の動向などを考慮するとともに、関係所管で連携を図りながら、Wi-Fiの整備を考えてまいりたいと考えております。
以上をもちまして、誠風・25番大川議員の代表質問に対する答弁とさせていただきます。
◆25番(大川裕君) それでは、何点か再質問をさせていただきます。
まず、地域コミュニティについてなのですけれども、26地区できたから次、ではないかというふうに思っているところです。まだ、結果を出す段階というよりは、もうちょっと地域のことはしっかりと把握されたほうがいいかと思うのですが、ともすると自治会と考え方がかなり乖離している部分があろうかと、いろいろなところを回っていると結構耳にします。ということで、まず地域コミュニティを進化させていくには、足元である検証というのが非常に必要になってくるかと思いますけれども、それをどのように行っているのか、まずお伺いいたします。
次に、市民ホールの整備について再質問いたします。
まず要求水準書骨子についてですが、示されている機能の整備は、また市民ホール基本構想と基本計画にも盛り込まれており、同様に必要性と役割、整備の方針と目的もうたわれているところです。であるにもかかわらず、機能のみを示すことは、余計な不信感を生むことになりかねないことから、公表のあり方には慎重を期すべきだというふうに考えております。この点に関しては意見として申し述べておきます。
次に、諸機能の一部を街なかに配置することについてですけれども、展示系及び創造系・支援系機能の整備については、要求水準書骨子に明示はされておりますけれども、一方で、民間再開発事業で整備するとの方針も打ち出されているところです。この重複する方針について、どのように整理されているのかお伺いします。
また、民間再開発事業における市民ホールの一部機能の整備については、事業者等との協議調整はどのようになっているのかを、あわせてお伺いします。
次に、整備方針についてですけれども、さきの厚生文教常任委員会では、デザインビルド方式を採用することとして、そのメリットとして、不落リスクの回避とコスト削減を挙げられております。しかし、デザインビルド方式は建設予定額での整備は見込めるのですが、一方でゼネコンの営利主義から、デザインの品質不良リスクを招くおそれが生じてくることも考えられます。そこで、デザインビルド方式によるコスト削減と、デザインと品質不良リスクの相反する問題について、市長はどのように考えているのかお伺いします。
それから、このたび公表された要求水準書骨子は、整備の根幹をなす整備の使命や目的が明示されておりませんで、事業の進め方に不安が募っております。また、デザインビルド方式による整備も、現状では、本市として最も望ましい手法であるという確信も持てません。さきの厚生文教常任委員会でも、全委員から整備方針に対する多種多様な質疑と意見があって、懸念と不安がさらに広がっていることがうかがえました。また、今後の厳しい財政見通しの中にあって、市立病院の建てかえなど、市民ホールを含めた公共施設等の整備のあり方や優先順位をどのようにとらえ、整備すべきかとの議論も生まれてきています。そこで、これまでの整備方針の検討、いきさつを改めて検証した上で、市民、整備関係者と市議会の十分な合意形成のもとに、本市にとって最も望ましい事業のあり方を探求するため、市民ホール整備事業は一たん立ちどまることを視野に入れるべきではないかと思いますが、お考えをお伺いします。
次に、インフラ・公共施設の維持と再配置について、公共施設の維持管理の効率化を図ることは大変重要であると考えますが、一方で、まちの人の流れや物の流れをつくる血管とも言うべき道路、橋、水道、下水道といったインフラに対しては、しっかりとしたその機能を果たせるよう維持拡大、改良するために投資をしていくことは、まちの経済を循環させる上でも重要であると考えております。この相反する命題をどのように折り合わせていくのか伺います。
次に、小田原市立病院の経営計画についてです。市立病院の未収金抑制施策についてですけれども、この医療機関の未収金については、全国的な問題にはかなりなっているところです。市立病院にも未収金があるということです。そこで、毎年度未収金が幾らあるのか、また、不納欠損が幾らあるのか、過去3年度分の推計及び累計について伺います。
続いて、消防救急体制の充実について、先日、消防本部を視察させていただいた折に、発災時の中枢となる指令システムを見させてもらったのですけれども、大規模災害のときは多くの案件をしっかりとさばいていくために、非常時にはシステムがエキスパンドする形になっている一方で、現状使っているそのシステムの基幹ソフトは、既にメーカーがアフターサービスを停止したものになっています。ということは、いつシステムダウンしてもアフターはきかないわけで、これは非常に大変なことだと思うのですけれども、そういった現状を非常に憂慮しております。今後を考慮すると、早急にシステムの入れかえを図らなければならないと考えますが、御所見をお伺いいたします。
続きまして、小田原漁港の交流促進施設について、魚を調理することも体験の一つなのですけれども、その前に、まずつかまえるということは一つの切り口かと考えます。決して個人的に言っているわけではなくて、昨年、フィッシングパークが検討に入りましたが、ここは大変に期待するところであります。そこで、その進捗について伺います。
また、交流促進施設の開設に伴い、来訪者の流れが複雑化することが予想されます。回遊性を担保していく上で、どのような策を打っていくのか伺います。
それから、三の丸地区全体の整備構想についてです。三の丸地区全体の整備構想について、市長も、検察庁と裁判所の全用地を取得したほうが望ましいと考えていることは理解いたしました。また、これまで市では、検察庁の用地取得に向けて取り組んできたことも承知をしているところです。例えば、平成16年8月13日、当時の小澤市長は横浜地方検察庁検事正に対して、(仮称)城下町ホールのため、用地の提供を文書で要望しております。その後も市では、用地の提供を最終目標に、検察庁と調整を続けてきたものと思っておりますが、三の丸地区全体の整備構想の作成に取り組むという現時点で、全用地の取得を断念するのか。到底理解ができるところではありません。答弁にあった代替地の確保や移転費用の負担の問題は、用地の提供を最終目標とするならば、どの時点でも同じだと考えます。それなのに、なぜ検察庁と裁判所の移転を断念するような土地の交換を協議しているのか、その理由を改めてお伺いいたします。
◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員から複数の御質問をいただきました。順番に答弁いたします。
私からは1点、この期に及んで、市民ホールについてはいろいろまだ皆様方の中で納得できない部分があるので、立ちどまるべきではないかという話がございました。これについては、再三再四、御議論してきているとおりでございますので、また繰り返しになりますけれども、さまざまな経緯の中で、今回は紆余曲折があったものの、私どもとしては全力を挙げて、この市民ホールの建設に向けたスキームの見きわめをしてまいりました。また、財政のいろいろな課題もクリアして、こういう形であればできるということで見きわめをしてまいりました。また、当然御承知のとおり、今御指摘のとおり、市立病院ですとか水産市場ですとか、いろいろなものの整備が控えておりますが、この間の経緯にかんがみて、この市民ホールについてはこの局面でしっかり整備する。また、同時に市立病院の建てかえ等については並行して議論しておりますけれども、直ちにその後に着手できるような検討はしていく。水産市場もそうであります。また、先ほど登壇で遺憾の意を一部表明しました学校施設の修繕等についてもありますので、そういったものを当然やっていきますが、この市民ホールについては、ここで先送りするということはもちろんなくて、ここでしっかり整備して、この問題についてはある意味決着をつけて、そして次のいろいろな課題にしっかり向き合っていく、そういうフェーズに移行してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
◎副市長(加部裕彦君) 私からは、インフラ・公共施設の関連の再質問にお答えをいたします。
公共施設の維持管理の効率化とインフラへの投資という命題を、どのように折り合わせていくのかという御質問だったと思いますが、公共施設の維持管理の効率化を図ることによって、ライフサイクルコストの低減及び施設の長寿命化を図らなければ、施設運営を持続可能なものとすることはできないと考えております。その一方で、道路、橋梁、上下水道などのインフラの整備につきましては、市民生活に直結するライフラインでございますので、ライフサイクルコストの低減を意識して、長寿命化を図りつつ、必要な予算の確保には鋭意努力していかなければならないと考えております。
以上です。
◎副市長(時田光章君) 検察庁と裁判所を含む三の丸地区の件でございますけれども、用地交換について協議していること自体が理解できないというような、そういった御質問でございました。この三の丸地区につきましては、多くの観光客を迎え入れる、大きなポテンシャルを持った地域であるということは、先ほど御質問の中で触れられましたけれども、誠風の思いと我々の思いと全く同じ思いでございます。
現在、小田原市では、まちづくりの未来への分水嶺に立っているようなところにございまして、御承知のように平成の大改修をしました小田原城天守閣、ここには御承知のようにたくさんの内外からの観光客の皆さんが訪れてきている。そしてまた、東口の再開発につきましては、優先交渉権者が決まりまして、いよいよ再開発ビルの建設に入っていく。そしてまた、この市民ホールを含みます三の丸地区ですけれども、ここも芸術文化創造の空間と、そして観光の交流空間、これが共存する地区に仕立てていくことが可能であるというふうに思っております。この三つの大きな拠点の引き合う力、これがこれからの小田原の中で、さまざまな人の流れを生み出していくというふうに考えております。
まちの活性化の基本につきましては、人の流れが新しく生まれてくるというところにあるというふうに思っておりまして、そういう中での検察庁の大きなリノベーションの話が舞い込んできたわけでございます。我々としましては、何もいじらないでほしいというような思いはございますけれども、やはり、あの検察庁の合同庁舎も昭和44年に建設したものでございまして、もう約50年近くたっているわけです。なので、これを大規模なリノベーションをするとしますと、どういうようなものになってくるかというのをお聞きしましたら、市道2196、つまり鐘楼がある、将来の大手門を復元していくというような御質問もございましたけれども、あの通りです。あの通り沿いに、猫の額のような面積のところに駐車場が整備されているわけですけれども、あそこの土地に、リノベーションによって4階建て程度の建物が建ってしまうというようなことに相なるわけでございます。そうしますと、あそこは景観重点地区にも指定されておりまして、一番景観に気を使わなければいけない土地になっているということでございまして、ですから、用地の交換について今、協議をしている最中でございます。これはまだ決まったわけではございませんけれども、そういった意味で用地の交換の協議をしているということでございます。
また、検察庁と裁判所をセットで移転していただくということにつきましては、これはもう相当程度の財政出動、そして時間もかかる課題でございまして、これは大きな市民合意を得て、例えば小田原市もそうですし、小田原市議会の皆さんもそうですし、あるいは小田原箱根商工会議所、小田原市の商店街連合会、そして観光協会あるいは文化団体、こういった団体が、すべてベクトルを合わせて移転を要望していくといったような動きにならないと、なかなかなし遂げられるような課題ではないというふうに思っております。昨日も市長が答弁をいたしましたように、準備が整い次第、機をとらえてそうした動きをつくっていきたいというふうに思っておりますので、25番大川議員におかれましても御協力を賜りたいというふうに思っております。
以上でございます。
◎市民部長(諸星正美君) 地域コミュニティ組織の取り組みに対する検証につきましては、私から御答弁申し上げたいと思います。
今年度につきましては、各地域コミュニティ組織がみずから取り組んでおります事業につきまして、地域別計画の見直しの中で検証に取り組んでいただいたというふうに認識しております。具体的には地域の変化といいますか、地域別計画策定時には、すべての地域に設立されていなかったわけでございますし、現在では地域コミュニティ組織がすべての地域に設立されておりまして、その取り組む組織形態そのものも変わってきている中で、また地域の状況の変化ですとか、あるいは課題としてとらえるべきものが、どう異なってきているのかということについても検証を行っていただき、また、地域によっては詳しいアンケートなどを地域の中でとっていただいたりして、その声を吸い上げた形で地域別計画の見直しをやっていただいたというふうに認識しております。
自治会長を初めとする地域の方々との認識に乖離があるのではないかという御懸念をいただきました。これは、私どもは重く受けとめなければならないと思っております。私ども、地域に入っている担当職員は、昼夜を分かたず地域に入って会議に出席し、本日もこの雨の中、ウオーキング事業に取り組んで小田原市内を歩いている職員もございます。そういった中で、地域の方々との信頼関係を築いて、ざっくばらんにお話をさせていただきながら、地域の声を吸い上げて、それを施策にも反映してきているところではございますけれども、ただ、地域によっては地域コミュニティ組織の組織構成も違いましたり、あるいは声の吸い上げ方なども地域によってやはり異なっているところもありますので、私どもがなかなか至らないところが、もしかしたらあるのかもしれません。そういった点では、お気づきの点がございましたら、御懸念の点がございましたら、ぜひ御遠慮なく私どもに御指摘をいただければありがたいと思っております。
私からは以上でございます。
◎文化部長(関野憲司君) 市民ホールの関係、これの大きくは2点だと思います。一つは、市民ホールの一部機能の関係、民間再開発との関係でございます。そのことにつきましては、まずは三の丸地区に、限られた整備費の中ではございますが最大限の実現を図るということを目指しておりまして、それが来年度早々には、どういう機能をつくるのか確定できる、そういうふうな段階に入ってきたところでございます。そういう段階を踏まえまして、民間再開発の中にどのような機能が配置できるのかにつきましては、合わせたところで検討していく、そういうふうな段階でございます。
それから、もう一つは事業手法に絡みまして、コストとデザイン、その辺の相反すること、その辺のところの理解が得られていないのではないか、難しいのではないかということでございます。確かに、そのことにつきましては難しいところはございます。ですから、そこにつきましては、コストコントロールあるいは質の管理、工程管理につきましては、専門のノウハウを持った事業者等あるいはアドバイザー等に協力していただきまして、しっかりと管理していきたいと思っております。
以上でございます。
◎市立病院病院管理局長(加藤裕文君) 市立病院の未収金及び不納欠損額の推移について御質問がありました。病院の診療報酬につきましては、請求から入金までにちょっとタイムラグがありますので、前年度の3月分の請求について健康保険組合等から入金がほぼ終了した8月末時点での状況についてお答えいたします。
患者負担の未収金の累計額につきましては、平成25年度時点では約1億600万円、平成26年度時点では約9500万円、平成27年度時点では約1億800万円でございました。また、時効のため債権放棄した不納欠損額は、平成25年度に約1700万円、平成26年度に約1300万円、平成27年度に約1600万円で、3年間では約4600万円でございます。
◎消防長(守屋伸彦君) 消防情報指令システムのオペレーションソフトにつきましての質問がございました。25番大川議員御指摘のとおり、現在使用しておりますオペレーションソフトは、メーカーによる公式サポートが終了したものであり、そのソフトを使用するコンピュータ部品は生産停止となっているため、保守部品の不足が危惧されております。しかし、メーカーとの保守管理契約によりまして、故障などへの対応については可能となっております。この状況から、システムの更新を計画的に推進すべく、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」後期基本計画に位置づけまして、着実に整備してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
◎水産振興担当部長(櫻井政和君) 水産関係の2点についてお答えいたします。
初めに、(仮称)フィッシングパークについてですが、交流促進施設の海側にある防波護岸を釣り施設として利用することを検討しております。整備する場所につきましては、地元の漁業者の漁場となっておりまして、漁場に与える影響や運営方法などを検討するため、今年度から行政内に釣り護岸検討会を設置しまして、有識者等から助言をいただきながら進めていくことにしておりまして、この検討会において課題等を整理し、今後の方策を検討してまいります。
次に、小田原漁港周辺の回遊性についてですが、新港西側エリアの交流促進施設は、水産を中心とした地場産品の販売・情報発信拠点として事業展開していく予定でございます。新港西側エリアと本港エリアの関係につきましては、両エリアを「海・港・魚と人がふれあう空間」と位置づけまして、回遊性の向上による小田原漁港全体のにぎわいを創出していきたいと考えております。回遊性の向上方法といたしましては、回遊バス、レンタサイクル、歩道の設置等が考えられますが、今後、実現可能性等も考慮し、実践できるものを検討してまいります。
◆25番(大川裕君) 答弁ありがとうございました。
この後、予算特別委員会もございますので、くどくど再質問はしないのですけれども、最後に意見として、まずホールについてなのですが、我々は、整備事業の一時休止によって、完成のおくれや消費税増税、交付金問題などの課題が生じることは承知をしております。今は、市民、整備関係者と市議会の疑念や不安が払拭された上で事業を進めることが、最も望ましい姿だというふうに思っております。変な話、土地の形が決まっていなくて、中に入るものがある程度決まって、そこでやってくださいよというのもちょっと変な話で、自分が家を買うことを考えたときに、地所の形が決まっていなくて、トイレとふろと台所と寝るところがあればいいよという、それと同じなのですよね。それでいいものができるかどうかというのは、よく考えればわかると思うのですが、いかんせん、ちょっとステイをしてやっていくことというのは、やはり一つのオプションとして考えておくべきではないかというふうに思っております。
次に、病院について、これだけ多額の未収金があるわけですから、その改善に手をつけるべきであると思います。未収金を、施策については改善していくとのことでありましたが、未収金回収フローを早急に見直し、しっかりと経営改革に取り組んでいただきたいと思います。
冒頭、モデルという言葉をお伺いしたわけですけれども、一つの例として地域コミュニティを挙げますが、ともするとまちを使った実験のような施策、側をいっぱいつくって、側ばかりで中身がなくて、ある意味タマネギのようで、むいていったら中が何もないみたいな、それではなかなか理解を得ることは、まちの人にはできないと考えております。しっかりとまちの実態に即した裏づけのもとに、施策を打っていただきたいことを切にお願いいたしまして、質問を終わります。