平成24年9月18日 定例会 小田原市総合計画・教育・アマゾンについて

平成24年9月18日 定例会

◆3番(大川裕君) 誠和の大川です。きょう議場において初質問させていただくことなりました。選挙を通じ訴えてきた”強いまち小田原の復活”を具現化するべく、活動を通してその礎を築いていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従い質問をさせていただきます。
 まず第1に、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」についてです。
 おだわらTRYプランは、本市のまちづくりの基本理念や目標、これらを実現するための政策の方向を示すものであり、いわば現状小田原のまちづくりのバイブルとなるものです。この第1次実施計画において、大型案件等の事業実施のための根幹である財政収支の見通しが、昨今の本市を取り巻く経済状況を考え合わせた場合、かなり厳しいのではないかと考えます。円高ドル安、ユーロ危機など世界的になかなか経済の好転の兆しが見えず、国内においても、バブル以降20年続くデフレ基調、工場の撤退などに象徴される産業の空洞化など、雇用情勢は日に日に不安定になっています。
 そこでお伺いいたします。おだわらTRYプラン・第1次実施計画の一般財政収支の見通しにおいて、そこには、経済危機による景気後退から回復傾向にあり、企業収益が改善し、設備投資が持ち直し、法人市民税などの増収が期待できるとありますが、それの依拠するところは何なのかお伺いいたします。
 次に、人口に対する施策についてです。
 人口の増加はまちに活力を生み出すもととなります。税収も上がり、積極的にまちづくりの施策を打つことができると考えます。しかしながら、おだわらTRYプランを見ると、平成32年には19万人を大きく割り込み、そしてまた少子高齢化の傾向が今後も続くことが予想されており、将来的に安定した税収を担保する形にはなっていません。
 そこでお伺いいたします。将来のまちの礎には必要不可欠な人口増加のために、具体的にどういった施策を打っていくのかお聞きしたいと思います。
 次に、おだわらっこ教育プランについてお伺いいたします。
 平成15年3月に策定されたこの教育プランですが、10年目を迎え改定する年度になっております。ゆとり教育が転換しカリキュラムがふえたというか、ゆとり前に戻ったような形の新学習指導要領のもと、早急に改定を進めていかねばなりません。教育界は大きく揺れ動いています。この動きをしっかりととらえて、小田原の将来を担っていただく子供たちのためのプランがどうあるのか、どういった方向に行くのかお伺いいたします。
 次に、それに付随して学校2学期制についてです。
 学制以来100年以上連綿と続いてきた3学期制を崩し、ともすると半ば強引に2学期制に変更してしまったわけでありますが、導入前訴えていた2学期制の利点、定期的な行事の減少に伴う多くの授業時間の確保や、長い期間の中での評価、教員の事務作業の軽減などが挙げられていたわけですが、実際にはさほどの効果はなく、逆にめり張りがなくなっているなどと不評を買う結果となっていると言われています。また、事務作業も減るどころか、評価作業がふえたために負担が増していると言われており、まさに現状2学期制という名の3学期制とやゆされてもいます。
 本市においては、学校2学期制検討委員会が実施したアンケートをもとに、2年間にわたり検討した結果、この先も2学期制でいくという方向になっているようですが、その根拠となるアンケートの設問が、まず2学期制ありきという感じが否めません。3学期という言葉は設問に出てこず、学校2学期制は定着していますかという設問だけでは、保護者や生徒の意向はくみ取れていないと考えます。2学期制と3学期制どちらがいいですかと聞くのが本来筋であると考えます。そういったことからも、まだ学期制について検討の余地があると思いますが、見解をお伺いいたします。
 最後に、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社についてお伺いいたします。
 「広報おだわら」9月1日号に、扇町の旧ジーエス・ユアサコーポレーション小田原事業所跡地にアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の進出が決定し、本市との間でアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の小田原市への進出に関する協定を締結したとの記事が掲載されました。
 今回の進出に際して、平成23年3月17日に、(仮称)小田原ロジスティクスセンター計画に関する地元説明会が開かれ、地域にその事業計画の概要が示されました。その計画の内容は、延べ床面積約20万平方メートル、地上5階建て、高さ約31メートルの物流倉庫を建設するというものであり、地元では、その事業スケールの大きさから、交通問題をはじめさまざまな不安を抱いたところでありました。特に、建設される倉庫にどの事業者が入るかがなかなか明らかにされず、建築主や設計者との調整のみで具体的な話がなかなか進まない部分もございましたが、先日、晴れてアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の進出が発表され、今後、行政には、予想される多岐にわたる課題について対応をお願いするところでございます。
 特に通勤時の安全対策についてですが、同社の進出によって、将来的には1000人規模の雇用機会が創出されるとのことで、従業員の方々が、最寄りの大雄山線井細田駅、五百羅漢駅、あるいは小田急線足柄駅を利用して徒歩で通勤するとなると、地域は非常に混乱することが予想されます。同社の事業所の隣には、富士フイルム株式会社神奈川工場小田原サイトがあり、こちらも大規模な事業所でございまして、多数の従業員の方々が勤めておられ、その多くは、井細田駅と足柄駅から徒歩で通勤されています。もしアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社と富士フイルム株式会社の通勤時間が重なれば、通勤経路の道路は人であふれてしまいます。通勤経路に当たる道路は、比較的道幅も狭く、生活道路となっているところもあり、その安全対策が求められます。
 そこでお伺いいたしますが、駅からアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の事業所までの経路は、道幅が狭いところが多いと思いますが、通勤時の安全対策はどのようになっているのでしょうか。
 そして、もう一つは、営業開始後の周辺地域の交通事情についてです。
 大規模物流施設ですので、当然、大型トラックをはじめ、多くの物流用の車両の通行が見込まれます。事業所の前の県道怒田開成小田原線は国道255号につながり、その交差点、飯泉入り口は交通量が多く、現在でも渋滞が発生し、通行に支障を来しております。さらに、事業所北側の国道255号飯泉橋西交差点では、酒匂川下流方向から北上し国道255号を右折する車両は、矢印式信号機があるにもかかわらず、朝夕の通勤時にはなかなか右折できず、近隣交通の渋滞の発生原因にもなっているものと考えます。このように現在でさえ交通渋滞が発生している地域に、新たにアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社が進出するわけですから、今から十分な対策を講じておかなければ、交通渋滞に拍車がかかり、地域住民の生活に大きな不便を及ぼすことになってしまいます。また、車両の通行量が増加すると、いやが応にも交通事故が発生する危険性が高まってくるものと思います。
 そこで、同社の進出によって、大型トラック等の交通量が増加し、周辺地域での渋滞発生や交通事故の増加が懸念されておりますが、その対策はどのようになっておるのかお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。(拍手)

◎市長(加藤憲一君) 3番大川議員の御質問に順次お答えを申し上げます。
 はじめに、実施計画の収支見通しにおいて市税の増収を見込んだ根拠についてのお尋ねがございました。実施計画における一般会計の収支見通しでは、計画の策定当時、失業率が高く予断を許さないものの、景気の持ち直し傾向が続くことが期待されるとの国の経済報告もございましたことから、一定の税収増を見込んだものでございます。平成23年度決算ベースでは、実施計画で見込んだ市税収入は確保できておりまして、実施計画に位置づけた事業はおおむね順調に進んでいるととらえております。しかしながら、内外の政治経済情勢は依然として先行き不透明であり、決して楽観できるような状況ではございません。したがいまして、今後も、社会保障・税の一体改革などの国の動向も注視しながら、より一層財源の確保に努めまして、事業費を精査しながら着実に実施計画を推進してまいりたいと考えております。
 次に、人口増加のための施策についてのお尋ねでございました。少子高齢化が進み、国全体として人口減少社会に入っておりまして、地域の活力を維持していくために、人口の減少をいかに食いとめるかが大きな課題であると認識しております。そのためには、まず、市民生活の基本となる個々の行政サービスや事業を、質を高めながら充実させていくことが前提となります。それに加え、地域資源を生かして小田原のまちそのものの魅力を高め、より多くの人・もの・金を呼び込み、地域経済の活力をさらに高めていくといった好循環をつくり出していかなければならないと考えております。また、地域の持続可能性を維持する上で特に重要となります生産年齢人口を確保していくために、総合計画における先導的施策を軸に、雇用の場の創出と確保、そして、子供を安心して育てられる環境と、子供がしっかりと育つ環境の充実を図ってまいりたいと考えております。
 3番大川議員御質問のおだわらっこ教育プランにつきましては、この後、教育長から御答弁申し上げます。
 次に、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の進出に伴う通勤時の安全対策についての御質問でございました。本市では、去る8月7日、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社と本市への進出に関する協定を締結いたしました。この協定は、同社が本市において事業を円滑に行うことに市が協力し、また同社が地域貢献を行うことを約束するものでございます。本市の協力事項の中には、交通安全対策も含まれておりまして、多くの従業員が駅から通勤することが想定されておりますことから、その安全対策を実施する必要があると考えております。今後、通勤の方法や時間帯、また人数等がある程度明らかになった段階で具体的な対策を協議してまいる予定でございます。
 次に、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の稼働後の周辺地域の交通事情についてのお尋ねでございました。同社は、東西日本のつなぎ目であります本市に着目され、流通拠点として本市に進出したため、相当数の輸送用トラックの通行が見込まれております。こちらにつきましても、本市では、協定に基づきトラックの通行量の増加に対応した安全対策を協議してまいりたいと考えております。渋滞対策をはじめとした交通安全対策は、地元の住民の皆様にとりまして、日常生活における重要な課題であると認識しております。そこで、同社の事業計画を踏まえながら、渋滞の緩和と交通安全の確保に向け、関係機関との協議等、今後必要な対策をしっかりととってまいりたいと考えております。
 以上をもちまして、3番大川議員の御質問に対する私からの答弁とさせていただきます。

◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の御質問のうち、おだわらっこ教育プランについては、私から答弁いたします。
 はじめに、平成25年度以降の新たな計画の方向性について御質問がございました。新たな計画は、教育基本法第17条第2項に規定されます「地方公共団体における教育の振興のための基本的な計画」として策定するものでございます。現在、学識経験者、市民及び関係団体の代表者、小・中学校及び幼稚園の代表者等による策定委員会を設置し、意見の取りまとめを行っているところでございます。内容につきましては、「変化の激しい社会を生き抜く力の養成」、「小田原ならではの教育の推進」、「教育環境の整備・改善・充実」を三つの柱として検討しているところでございます。
 次に、学校2学期制について質問がございました。学校2学期制検討委員会が、2学期制の現状を把握するため、児童・生徒、保護者、教職員を対象に実施したアンケートでは、保護者から「2学期制は日本の風土に合わない」、「メリットを感じない」などの意見もございましたが、「授業時数がふえた」、「2学期制が定着し、学校も落ちついている」、「教師との教育相談がしやすい」などの肯定的な意見もございました。2学期制の導入に際して、学校では、学校行事の実施時期や開催方法、行事のねらいを見直すとともに、長いスパンでの指導計画や教育相談、サマースクールなどの充実に取り組んできました。また、実際の授業時数につきましても、平均して小学校で約30時間、中学校で約26時間の増が図られ、新しい学習指導要領への対応もスムーズに行うことができております。このような状況を踏まえ、教育委員会において2学期制の継続を決定したものでありますので、どうか御理解いただきたいと思います。
 以上をもちまして、3番大川議員の質問に対する私からの答弁とさせていただきます。

◆3番(大川裕君) ありがとうございました。
 人口に関しては将来のまちの礎となるものであるので、今言われたようなさまざまな施策を複合的に組み合わせて継続して打つことが肝要であると私も考えております。もう一つ上のステージに上げるためにも独創的な施策も必要であると思うので、今後とも、折に触れて質問していきたいというふうに思っております。
 おだわらTRYプランには、三つの命題、そのうちの一つに「持続可能なまちづくり」という命題がありますが、三大事業のランニングコストまで含めた事業費を考えると、その命題に反するのではないかと思いますが、その点について見解をお伺いしたいと思います。

◎副市長(加部裕彦君) 3番大川議員の再質問に私の方からまずお答えいたします。
 三大事業、いわゆる市民ホール整備事業、小田原地下街再生事業、お城通り地区再開発事業のことを指していられると思いますけれども、その実施が持続可能な財政という面でどうなのかという御質問かと思います。まず、この三つの事業の財源対策といたしましては、これまでたびたび御説明申し上げておりますが、本市では、市債の借入額を元金償還金以内に抑え、市債残高の減少と公債費の縮減に努めてきておりまして、平成26年度以降、公債費が大幅に減少いたしまして、そういう意味で懸案事業への投資をするための財政環境は整うものと考えております。さらに、特定財源といたしまして、社会資本総合整備計画に基づきます国の交付金を見込みますほか、世代間の負担の平準化を図るための市債、先ほど申し上げましたように、市債残高の減少に伴って投資環境が整うということでございますので、市債の活用、さらに各種基金の活用も考えているところでございます。また、ランニングコストというお話がございました。当然、施設の管理運営に係る費用について、確かに多額になることが想定されますが、この点につきましても費用の低減という点も十分配慮しながら、それぞれの施設の適切な管理運営方法を検討してまいりたいと考えております。そして、行革アクションプログラムや事務事業評価に基づきまして、行財政改革をさらに進めまして、一般財源の確保に取り組むことによりまして、持続可能な財政運営といったものの確立に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◆3番(大川裕君) 「行革アクションプラン2012」を見れば、税の減収が見込まれているし、国の経済状況も不安定な中で、見込んでいる交付金も現状どうなるかわからない不透明な状態だと思います。そういったことも含め、今後の厳しい財政状況を考えれば、基金を取り崩してまで推進させる三大事業より、老朽化したインフラ、つまり、斎場であるとか、ごみ処理場、道路、下水道、その他もろもろありますが、その整備を優先すべきではないかと考えておりますが、その点について見解をお伺いします。

◎市長(加藤憲一君) 三大事業以前の老朽化した施設の整備等を優先すべきではないかとの御意見でございました。これにつきましては、たびたび議会等でもお話をしているとおりでございますけれども、この三大案件、市民ホール整備事業、小田原地下街再生事業、またお城通り地区再開発事業、これは、いずれをとりましても、今後の本市の活力を生み出していく上で、どれ一つとっても欠くことのできない事業であるということで、今般さまざまな政策等に位置づけをして推進しているところでございます。したがいまして、市民ホールについては平成28年度までの完成、地下街につきましては来年度末までの再オープン、また、お城通り地区再開発につきましては平成26年度までの緑化歩道の整備、また駐車場施設ゾーンの供用開始、こういったものを目指して、着々と事業を進めてまいりたいと考えているところでございます。ただ、その一方で、3番大川議員御指摘のとおり、市内に多数存在します既存施設、この補修また整備等ももちろん重要な課題として認識いたしております。各施設の老朽化の状況を踏まえまして、今後、長期的な維持修繕等に係る計画を策定いたしまして、費用を多年度の間で平準化し、施設の長寿命化また耐震化等はしっかり進めていかなければならないと考えております。また、施設の整備に関しましては、そういったこととあわせまして、今後、地域コミュニティの強化といった諸施策を推進する上で各施設の位置づけがどうなるか、また、既存施設の有効活用、こういった観点からも、本市が所有しております公共施設全体の機能、あり方、その適正配置、こういったものを視野に入れながら包括的に検討していく段階に来ていると考えております。
 以上です。

◆3番(大川裕君) 扶助費も年々上がって、義務的経費が上がり続けています。税収の先細りが予想されている中で、優先されるべきはまちの基礎体力を上げることだと思っております。三大事業は、本市の活力を生み出すもととなる欠くことができない事業と言われておりますが、現状、つまり社会が縮小していくことが予想されることを考えれば、逆に活力をそぐことになりかねない。そういったことを考え合わせると、大型事業のペンディングも視野に入れることが常識的に見て妥当であると私は考えております。今後、これらの案件に関しては、折に触れ質問していきたいと考えております。
 次の質問に移ります。おだわらっこ教育プランについてです。
 おだわらっこ教育プランは策定以来10年で、前回の計画期間が10年でありましたけれども、10年では急激に変化する社会情勢にはなかなか対応できないと考えております。新たな計画期間はどれくらいで考えていられるのかお聞きいたします。

◎教育部長(三廻部洋子君) 新たな計画期間について御質問がございました。私から御答弁申し上げます。
 新たに策定する計画につきましては、国の教育振興基本計画の計画期間が平成29年度まででありますことや、社会や教育を取り巻く環境の変化が著しいことなどから、平成25年度から平成29年度までの5年間としたいと考えております。
 以上でございます。

◆3番(大川裕君) 先ほど申し上げましたように、教育を取り巻く社会情勢の変化は非常に早くなっております。しかしながら、しんとなる部分は早々変えるべきではないと考えております。例えば、おだわらTRYプランの詳細施策の一つに「小田原の良さを生かした教育の推進」とあり、そこには、郷土を知り、郷土の愛着を深めるとありますが、と同時に、私たちの住む国に対して敬意を持てるような骨太でかつ弾力性のあるプランを望むが、いかがでありましょうか。

◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の御質問にありました、小田原のよさを生かしたビジョンを持っていくべきであるがいかがかという御質問でございましたが、先ほども答弁いたしましたように、三つの柱に基づきまして、計画の柱を考えておりますが、その中でも、小田原のよさを生かした小田原独自の教育スタイルの確立を目指しております。もちろん、小田原を愛するということは、子供たちは各学区の郷土を愛する、ひいては国を愛するという心につながっていくものと思っておりますので、大事にしていきたいと考えております。
 以上です。

◆3番(大川裕君) 今の御答弁ですと、国に対する記述が盛り込まれるということで理解してよろしいでしょうか。

◎教育長(前田輝男君) まだ策定中でありまして、具体的に国という言葉を明記するかどうかは未定でございます。

◆3番(大川裕君) その点に関しましては、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。現状、国を取り巻く環境というのは、ニュース等でもかなり厳しいものがあると思います。子供たちにはぜひ国に対する思いも深めていただきたいというふうに思っておりますので、ぜひ善処していただきたいというふうに考えております。
 続いて、2学期制について質問させていただきます。
 他県や他市では、2学期制から3学期制に戻しているところがありますが、それについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。例えば他市の現況を考えると、徳島市では今春、全46の市立小・中学校で2005年に導入した2学期制をやめて3学期制に戻しております。市教育委員会が実施したアンケートで、小学校長の7割が「3学期制がいい」と答えたということでございます。群馬県の太田市では、全体の3割で2学期制を施行したが、保護者の反対により2009年で中止。横浜市では、市内500校で2学期制を実施しているが、3学期制に戻すところが既に2010年度で11校、増加傾向にあるそうでございます。大阪府の四條畷市では、年間で20~30時間授業時間をふやせると期待したが、実際にはその半分以下で、3学期制に戻している。兵庫県尼崎市では、2011年度、全校導入を見送り、ふえた時間は年10時間程度、これなら3学期制でもやり繰りでひねり出せるという答申が出ているそうです。そのほか、県内では秦野市、真鶴町、伊勢原市、大磯町、開成町、山北町、松田町、そのほかの県でも和歌山県ですとか、現状、調べている限りではこの程度でありますが、現状増加傾向にあることは間違いがないところだと考えております。
 加えて、検討委員会の構成メンバー17名は大体が教員関係で、教職員組合から2名入っている。保護者の関係は3名。これだけでは、アンケートをつくるといって検討委員会が作成したとしても、構成メンバーを見る限り、ほぼ教育委員会主導での作成ではないかと考えられます。本来は保護者、生徒の意見が最優先されてしかるべきで、私の方で直接保護者に聞き取り調査を行った結果では、8割から9割の人が3学期制に戻してくれということでありました。また、現場の教員の方の何人かにも聞きましたが、同じでありました。
 以上のことから勘案するに、今後も2学期制でいこうという根拠となるアンケートは、保護者の皆さんの意見を反映したものとは言えないものだと考えるが、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。よろしくお願いします。

◎教育長(前田輝男君) 3番大川議員の再度の質問にお答えします。
 2点あったと思います。一つは、他市の状況を知っているかということでございました。他県や他市の中に2学期制から3学期制に戻している動きがあることはこちらも承知しております。アンケートの項目に、例えば徳島市のように、2学期制と3学期制のどちらがよいかといった問いをすれば、御自身が2学期制の経験のない保護者としては、3学期制がよいと回答する気持ちは十分に理解できるものでございます。しかしながら、本市では平成18年度から2学期制を実施しておりまして、既に小・中学校では定着が見られますことから、引き続き2学期制を実施することとしたものでございます。
 それからもう一つ、検討委員会のメンバーは教職員が多くて、保護者の方は3名のみで教育委員会主導ではないか、そんな中で保護者の意向が反映されるかというような御質問でございました。今回、平成20年度に行った調査では、全体の75%程度が定着していると感じておりまして、検討委員会としては、3学期制を強く望んでいる状況ではなく、むしろ2学期制導入時の目的がよりよい方向に進んでいるととらえてきました。今御指摘いただきましたように、そのメンバー17名のうち保護者の方が3名ということですが、市PTA連絡協議会の代表の方ですから、十分に御意見はいただいたと思っております。
 以上でございます。

◆3番(大川裕君) ですから、そのアンケート設問が「2学期制がいいか、3学期制がいいか」というふうに問わないと、正しい答えが得られないと先ほどから御質問を申し上げているわけでございます。そういったアンケートを出したというその根拠をお聞かせいただきたいと思います。

◎教育長(前田輝男君) 再度の御質問にお答えします。
 アンケートの設問についてでございますが、アンケートの設問項目については、2学期制検討委員会の中で吟味してきました。そこでは、3番大川議員御指摘のように、2学期制がいいか、3学期制がいいかというような単刀直入に問うことも話題となりました。しかし、2学期制がいいか、3学期制がいいかの設問は、子供たちにとっては戸惑う質問となりまして、保護者の皆さんにとっては、自分自身の経験から3学期制が多く、子供にとって学期制のあり方がどうであるかといった視点が薄れてしまうことから、直接問うことはしてこなかったものでございます。
 以上です。

◆3番(大川裕君) 徳島市の教育委員会で、3学期制実施に対する市民の意見・反応のアンケート、要は後の意見をとったアンケートがございます。小・中学校3学期制実施後、2学期制と比較してどのような効果が得られたのか具体的に御記入くださいという設問です。そこには、「子供や保護者に対して、通知表や面談などを通じて学習の状況や成績を知らせることができ、学習への励みや反省の機会がふえた」、「2学期制実施時に行っていた秋休み期間においても、学習を継続することができ、学習効果や生活面での落ちつきが見られた」、「中学校では定期テストの回数がふえ、生徒が自分の学習内容の修得状況を一層把握しやすくなった」、「2学期制での成果を生かし、各学校が授業時間数の確保や学力向上に向けて工夫しながら取り組むようになった」、「学期の区切りが明確になり、学校生活へのめり張りが感じられる」、「秋休みがなくなった分、夏休みや冬休みの日数がふえたことは教育活動を進める上で有効であった」と。2学期制を導入して3学期制に戻してこういった結果が出ているわけでございます。こういったことを考えると、2学期制でよくなるといったことがすべて覆されると思いますが、その点について見解をお伺いいたします。

◎教育長(前田輝男君) 今、見解をということでございますが、徳島市のこともよく存じ上げております。また、群馬県太田市、高崎市等の3学期制へ戻したという内容もよく存じ上げております。また、横浜市の方も存じ上げておりますが、それぞれの市町村の実態に応じて改善しているというふうに私は感じております。小田原市の場合は2学期制ありきという考えではなくて、子供たちにとって一番よい学期制のあり方、要するに学期制というのは手段であります。その目的は、子供たちにとって豊かな学校生活の充実。それともう一つは、学力等ですね、知・徳・体の向上。そしてもう一つは、明治以来約140年続いてきた学校教育を全体的に見直していこう、そして教職員が意識を持っていくと、そういったことで学期制のあり方を見直してきているわけでございます。ということで、各市町村でいろんな考え方があると思いますので、小田原市はそのような考え方で推進しているということを御理解ください。
 以上です。

◆3番(大川裕君) 全国的に3学期制がどんどんふえてきた場合、教育委員会として、それでは、まだずっと2学期制でいくつもりなのか、3学期制がどんどんふえてきた場合、どういった対応をとられるのかお聞かせください。

◎教育長(前田輝男君) 全国的に3学期制へ戻すところがふえてきたといった場合はどうされるかという御質問でございました。これは小田原市の方で3学期制に早く戻してほしいという3番大川議員の御意向であるかと思いますが、今回の検討に当たっては、先ほどから申していますように、教職員やPTAの方々を交えて、今後も2学期制を継続していくという方向性を出してきております。そこで、全国的にたしか22%、平成23年ですが、小学校が微増で、中学校が微減というふうに聞いております。全国です。神奈川県は70%ですが。そういった状況を踏まえていくものでありますが、今すぐ小田原市で3学期制をまた検討するかということに対しては、まだ2学期制を検討していただいてすぐですから、すぐにはできないものと考えております。また、学校現場の方もすぐに3学期制に戻していくと円滑な運営に支障を来すと危惧されるというアンケートの御意見もいただいております。しかしながら、学期制のあり方につきましては、今御指摘いただいたような社会情勢とか教育環境の変化などを見ながら、子供たちにとってどのような学期制のあり方が望ましいのかという視点で、見直すべき時期が来たら検討していきたいというふうに考えております。
 以上です。

◆3番(大川裕君) やはり検討委員会の構成メンバー17人が教職員関係が多い、そういったところがつくったアンケートをもとに制定しているという時点で、既にそこの根拠というものが私から見ると破綻しているのではないかというふうに思います。2003年以降、全国的にとにかく2学期制を導入しようという機運だったと思いますけれども、2学期制のメリットがほとんどなくて、むしろ悪影響だという意見が出ている現状を考えると、子供たちのためにも、教育委員会には迅速に善処していただきたいと考えます。子供たちの1年は大人の1年と違って非常に重いものだと思いますので、ぜひ早い判断をしていただきたい。よろしくお願いいたします。この件については、こちらも継続的に調査して、改めて質問させていただきたいというふうに思います。
 次に、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の件に関してでございます。通勤時の安全対策についても、営業開始後の周辺地域の交通事情についてもアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社との協定をもとに行政としても取り組み、同社の通勤形態や事業計画が明らかになってから具体的な対策を実施することになろうかと存じますが、平成25年中に稼働を予定していると聞いておりますので、営業開始まであまり時間的な余裕がないものと考えます。ぜひとも今から必要な対策を講じていただきたいと思います。特に地元では、小学生は足柄小学校、中学生は白山中学校に通学し、同社の従業員の通勤方向と反対方向に登校する児童や生徒も多く、人の流れを十分に考慮した対策を講じなければ、スムーズな人の流れは実現できません。これは地域にとっても切実な問題ですので、今回は要望にとどめますけれども、通勤時の安全対策と周辺地域の交通事情については、具体的な対策について、折を見てまた質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それから進出協定について、「広報おだわら」9月1日号において、加藤市長は、「雇用や地域経済の振興など、さまざまな波及効果を期待しています」とコメントを寄せておりますが、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の進出の波及効果をどのように見込んでいるのか、再質問させていただきます。

◎市長(加藤憲一君) 3番大川議員から、アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の進出による地元へのさまざまな波及効果についてのお尋ねでございました。本市への進出に関する協定には、同社の地域貢献といたしまして、雇用の創出、地元地域との連携、そして地域経済振興への寄与というものをうたっているところでございます。雇用の創出では、1000人規模の雇用が発生いたしますので、多数の地元の住民の皆様の採用というものを見込んで、また期待しているところでございます。また、地元地域との連携という点につきましては、地元の自治会との良好な関係を築いていただきまして、地域に溶け込んでいただきたいと強く望んでいるところでございます。また、地域経済全般の振興への寄与に関しましては、同社がインターネット通信販売を手がけておりますことから、本市の地域の特産品の紹介、こういったことを現在も既に働きかけをしているところでございます。このように、協定に基づきまして同社に地域貢献を実施していただき、本市にとりまして、地域経済振興をはじめ、さまざまな波及効果を及ぼしていただくことを期待しているところでございます。
 以上です。

◆3番(大川裕君) 私の住む扇町も、市の御協力をいただきながら、総菜販売等の地域コミュニティショップを立ち上げて、9月25日の開店間近となっております。協定に基づいて粛々と実施されれば、地元地域貢献を含め、さまざまな地域経済振興に大きく寄与していく事業であると考えておりますので、今後とも注視していきたいと考えております。
 以上で質問を終わります。

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