◆25番(大川裕君) 誠風の大川です。通告に従い順次質問をさせていただきます。
まず、大項目1として、学校施設における空調設備についてです。
地球温暖化の影響なのか定かではありませんが、年々厳しくなる夏の猛暑。ことしは関東甲信地方では平年よりも1カ月も早い6月に梅雨が明け、例年以上に厳しい暑さとなりました。家庭でも職場でもエアコンが欠かせない状況ですが、子供たちが日々通う学校のエアコン設置率は低いのが現状であります。
文部科学省では、公立学校における空調(冷房)の設置状況について、平成10年度よりおおむね3年に一度調査を実施しています。近々では平成29年6月9日に結果が公表されましたが、その報告によれば、平成29年4月1日時点で、公立小・中学校における普通教室・特別教室の全保有室数82万532室のうち、空調設備を設置している室数は34万2267室であり、設置率は41.7%(前回29.9%)、11.8ポイント増でありました。神奈川県においては、同じ時点で小学校では普通教室で76.5%、特別教室45.3%、中学校では普通教室85%、特別教室38.9%となっております。全国的に見ると、調査を開始した1998年度と比べれば6倍以上に伸びております。折しも文部科学省では、小・中学校や大学の室温基準などを定めた「学校環境衛生基準」をおよそ50年ぶりに見直し、これまで「10度以上30度以下」としていた望ましい室温を「17度以上28度以下」に変更したところであります。
そこで、質問の(1)として、まず、本市の学校施設の空調設備の現状はどのようになっているのか、また、暑さ対策を現状どのようにとっているのかお伺いいたします。
8月4日の読売新聞の地域版のところに「小田原市 学校にエアコン」と大きく出ておりました。記事によれば、3日に行われた小田原市総合教育会議の席上で、市長が話されたとのことでした。内容的には、また来年の夏までに小・中学校全36校にエアコンを設置すること、エアコンの設置には学校施設の変電設備をかえる必要があるため、国の補助金の動向を見きわめながら、ガス冷房やリースも選択肢に入れる方針等、書かれておりました。
7月の下旬に、市内の小学校に子供を通わせている保護者から、エアコン設置を求めるインターネット署名約1万5000名分が提出されたことは周知のことであり、私自身、学校にエアコンを設置することに関して異論を挟むことはありません。しかしながら、財政的な面から見れば、数十億円かかる事業であり、実施するまでにクリアにしておかなければならない問題はかなりあると考えます。
そこで、質問の(2)として、今後この事業をどのように展開していくのかお伺いいたします。
次に、大項目2として、本市の宿泊施設についてです。
訪日外国人の急増により、ホテルの客室稼働率が高どまりをしております。日本政府観光局の発表によれば、2017年の訪日外国人の数は2800万人を突破し、前年比19.3%増となっております。政府は2020年に訪日外国人4000万人を目標としておりますが、この目標はこのままのペースでいけば達成できる数値となってきています。ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、訪日外国人は今後も増加する見込みで、国内旅行の日本人を含めると、今後ますます宿泊施設が足りなくなるのは確実な情勢であります。実際ホテルの客室稼働率は年々上昇しており、ビジネスホテルに至っては稼働率が80%を超える状況になってきています。
従前ですと、本市の位置づけは、宿泊するところというより、箱根や伊豆に向けてトランジットする場所といったイメージが強かったと思います。つい最近、8月27日に295室のホテルがお城通りにオープンしました。今後、東口にさらにホテルがオープンする計画もあり、本市における観光客のオプションがふえてきつつあります。こうした需要の波をしっかりと受けとめていくには、宿泊施設の状況把握と連携が重要になると考えております。
そこで、質問の(1)として、市内の宿泊人数等の現況はどのようになっているのかお伺いいたします。
次に、民泊についてです。民泊とは、個人が所有する住宅の一部や別宅、マンションの空き室などに旅行者を宿泊させることですが、もともとは民家に宿泊することを意味する言葉で、英語のホームステイと同義語で用いられてきました。2010年ごろからインターネットを通じて宿泊者を募集し、一般住宅などに宿泊させるサービスが世界的に拡大したことを背景として、日本では、こうした寝泊まりができる場所そのものや、宿泊する行為、または宿泊を仲介するウェブサービスを指す呼称として、民泊という言葉が使われ始めたということです。
厚生労働省が公開している「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」によると、個人宅の空き部屋に旅行者を泊める民泊であっても、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業に当たる場合には、旅館業法上の許可が必要となっています。しかし、国は、訪日外国人の急増によるホテル不足と、全国で増加する空き家対策の観点から、民泊の規制緩和を進め、全国的に民泊を解禁する住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法を本年6月15日に施行いたしました。インターネットで検索すると、本市においても何件かヒットする状況になっています。民泊については、増加している観光客の受け皿になっている一方で、さまざまな問題点も指摘されております。
そこで、質問の(2)として、本市において民泊の状況はどのようになっているかお伺いいたしまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
P.54 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、学校における空調設備と暑さ対策の現状についてのお尋ねでございました。現在、全小・中学校の保健室などの管理諸室については、空調設備の設置が完了しております。また、文部科学省の「公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況調査」におきましては、平成29年4月1日現在で、音楽室、パソコン教室などの特別教室につきましては、小学校で7.7%、中学校で5.9%の教室に設置しておりますが、普通教室には設置しておりません。普通教室の暑さ対策といたしましては、平成23年度から天井扇風機の設置を進めており、現在、すべの普通教室に設置が完了し、教室内の空気の循環を行っております。また、児童・生徒には衣服による温度調節や小まめな水分補給、首をぬれたハンカチ等で冷却するなどの指導をいたしております。
次に、空調設備整備の今後の展開についてでございます。これまで、来年夏の稼働に向けまして、庁内各部署が連携して、発注方法や財源、スケジュール、事務手続等について検討を進めてきたところであります。今後、事業者選定委員会を設置して募集要項等を決定し、プロポーザルを経まして、11月末までに事業者を選定・仮契約の後、市議会12月定例会において本契約締結の議案を提出したいと考えております。設置工事につきましては、土曜日、日曜日、祝日、春休み期間などの学校休業日のほか、必要に応じて平日の授業に影響のない時間帯にも行ってまいりたいと考えています。
次に、市内宿泊施設の収容人数についての御質問がございました。市内には、ホテルやビジネスホテル、旅館、民宿など、大小さまざまな規模の宿泊施設があります。宿泊施設の営業許可などにつきましては、神奈川県が所管しておりますけれども、本市で把握している主な宿泊施設の収容人数は約1800人でございます。
次に、民泊の状況についてでございます。住宅宿泊事業法に基づきます事務を管轄しております小田原保健福祉事務所環境衛生課によりますと、同法に基づく届け出受付が開始された本年3月15日から8月末までの間に、市内では42件の相談がありました。8月末現在、同法に基づく届け出が行われた民泊施設は8件でありまして、無届け出の民泊施設につきましては、把握した時点で適切な指導をしていると県に確認しております。
以上をもちまして、25番大川議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
P.55 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 答弁ありがとうございました。
では、大項目2のほうからやらせていただきたいと思いますけれども、1800人が泊まれるような現況ということで、これから先、ホテルもできる計画があるということで、さらに宿泊する人がふえてくるかというふうに思います。そのような中で、宿泊する人というのはいろいろいるわけで、中には体に障がいがある方ももちろん旅行することもあるでしょうし、そうした方の受け皿として、いろいろと考えていかなければいけないという一つの時代なのかなというふうに思いますが、市として、新たな宿泊施設の整備に対しまして、バリアフリーの居室の整備を促進していくお考えがないかどうかお伺いいたします。
P.55 福祉健康部長(神名部耕二君)
◎福祉健康部長(神名部耕二君) 宿泊施設の客室のバリアフリー化についての御質問でございました。客室のバリアフリー整備は、障がい者に快適な滞在時間をお過ごしいただくことや、より多くの障がい者を本市にお迎えすることにつながる、重要なことと認識してございます。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律におきましても、事業者にも社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮を行う努力義務が規定されていることから、本市といたしましては、障がい者が生活しやすい環境整備の啓発に努めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
P.55 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) この間できたホテルについても、事前に見させていただいたときに、バリアフリールームというのが1室用意されていまして、現状ですと、これは努力規定ですからつける必要もないわけですけれど、シングルを2部屋つなげて、介護の方も一緒に泊まれるような形になっておりまして、それは、宿泊の前日までそういった方の対応のために必ずあけておくそうです。前日になってオープンにして、泊まる人はそこに泊まっていただくという形をとっているようで、結構フレキシブルな使い方をなされているという話を聞いております。今後、例えば、一つ登壇してお話ししましたけれども、外国の方が来たりすることもふえると思いますし、ホテルができてくるということは、小田原に泊まって箱根に行く、そういったオプションが、新しい旅行の流れができてくるかと思いますから、市としては、こういったところで、障がい者支援ではなく、それも含めた形で、経済効果も期待できますから、ぜひこういった考えを進めていっていただければというふうに思います。
次に、民泊についてですが、8件あるということで、民泊施設についてはいろいろと問題があるということは言われておりますけれども、そういったトラブルについて、市の対応・対策はどのようになっているのかお伺いいたします。
P.56 理事・企画部長(林良英君)
◎理事・企画部長(林良英君) 民泊施設でのトラブルに関しまして、市の対応・対策がどのようになっているかとのお尋ねでございました。民泊施設での騒音あるいはごみの処理といった生活環境に悪影響を与えるようなトラブルにつきましては、住宅宿泊事業法に基づきまして県保健福祉事務所が監督・指導を行うこととされております。こうしたトラブルにつきましては、市民にとっても身近な問題でありますことから、県・市の関係機関から成ります地域連絡会議が設置されまして、民泊全般についての情報共有を図ることとしております。トラブルへの対応につきましては、個々、ケース・バイ・ケースになるわけでございますけれども、今後も県と情報を共有しながら、連携して適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
P.56 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) この間、ちょっと新聞の記事を読んだところでは、民泊の新しい法律ができた後、もっとふえてくるかというふうに想定されていたところですけれども、ハードルが余りに高くて、なかなか民泊のできるような施設がふえてこないというような話も載っておりました。一方で、外国人が泊まりがちなところというのは、どちらかというと生活に即した、ちょっと私たちとは違うような観点で泊まるところを決めるような傾向があるというふうには伺っておるところで、民泊施設ができるということは、これから先の宿泊の一つのオプションができてくるのかなというふうに思っているところです。
そのような中で、記事には、例えば、かぎの管理とかが一番トラブルが起こるもととなっているということで、マンションの一室のかぎをただ渡すだけや、送られてきたかぎの番号だけであけたり閉めたりするというところで、やはりトラブルが起きているというふうに伺っておりますけれども、一つの考え方として、例えばそれが観光協会とかそういったところが受け皿となって、民泊施設のあっせんなり何なりということは、これから先、一つの形としてはありなのかなというふうに思いますので、民泊の管理方法なども含めた形で、市として一つの考え方をお持ちいただければありがたいかなというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
大項目の2については以上で終わります。
それでは、きょうは議案関連質疑も出ておりまして、つらつらとお三方がお聞きになられましたが、重なっている部分があるかとも思いますけれども、お伺いしていきたいというふうに思います。
まず、今後の展開のほうについての再質問として、来年夏までに空調設備を設置する方針に至った経緯についてお伺いいたします。
P.57 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) 来年夏までに空調を整備するに至った経緯、先ほどの御質疑等でも少し触れた部分でありますけれども、改めて私のほうから簡単にお話をしておきたいと思います。
御承知のとおり、ここ近年の夏の猛暑の傾向に対しては、本市は扇風機の設置をしてきたということにおいて、県内他市でも空調が整備されている中で扇風機でいいのかという議論はずっとあったところではございますけれども、従前より、そうした中で普通教室への空調設備の設置につきましては、先進都市の事例、県内他市の状況等も踏まえながら、平成31年度中の稼働を一つの目標として、来年度の当初予算に計上すべく、庁内で検討していた経緯がございます。そうした中、御承知のとおり、ことしの夏は連日、全国的に35度以上になる猛暑日が続きまして、中でも愛知県豊田市では小学校で児童が校外学習から教室に戻りその後命を落とすという事件があったわけでございまして、まさに子供たちの命にかかわる事態が発生したわけでございます。そこで、この酷暑、これはことし限りとは限らないということでございまして、来年以降もこの猛暑が続くであろうということを想定しなければいけないということに立ちまして、稼働時期を来年の夏に前倒しをしようということで、全庁的に緊急に対応を検討いたしまして、政策会議において方針を決定させていただいたものでございます。
以上です。
P.57 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 今、市長のほうからそういった御答弁がありましたので、ちょっとお伺いしますけれども、豊田市の事件というのは、課外授業をやっていてその中で熱射病にかかられて亡くなられた。痛ましい事故があったわけですけれども、その話とエアコンをつける話というのは、根本的に違うと思うのですよね。暑さ対策でするのはわかるのですけれど、事故で亡くなられたお子さんの話というのは、そのときに課外授業をして、その手当てが悪かったからそういう事件が起きた。一方で、このエアコンをつけるというのは、同じ暑さ対策でも話が違うし、もしそれで対策をとるのであれば、登下校の間に暑さ対策をしたほうがそれは理にかなっているかなというふうに思うところがあるのですけれども、そこら辺のお考え、まずお伺いいたします。
P.58 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員御指摘のとおりでありますけれども、それが課外であっても、またそうでなくても、児童たちが全国的に置かれている酷暑の中の状況というのは、どこで事故の原因があったかということはともかくとして、そういう状況に置かれていることは間違いないということで認識したところでございます。
以上です。
P.58 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) それで、これを決めた政策会議についてなのですけれども、政策会議というのは、どのぐらいの頻度で、どういった状況の中で行われるものなのか、まずお伺いさせてください。
P.58 理事・企画部長(林良英君)
◎理事・企画部長(林良英君) 政策会議につきましては、市の主要な政策決定を諮る場として、通常ですと、議会開催月を除く月に1回程度開催を予定しておりますけれども、案件の状況によりまして、開催をされない月もあるということでございます。
以上でございます。
P.58 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 普通の通常の案件のときは、政策会議をやって部局内でオーソライズして、それから市長の記者発表なりそういうものがあるかと思うのですけれども、今回に関してはどういったいきさつだったのかお伺いいたします。
P.58 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 今回の政策会議を経てとの市長の新聞記事ということでございますが、こちらにつきましては、総合教育会議を白山中学校で行いました。そのときに、白山中学校はやはりエアコンが入っていない状況の中で会議をやっているところで、今回そういう話題が出ました。これは政策会議で決定したということではなくて、会議が終わった後に記者が、その会議の中で学校施設の整備というところ、こちらは空調にかかわったことではございませんけれども、これから先、学校施設の整備を今後どうしていくかというところの議題であったものですが、そこの部分を少し学校施設について空調の部分も触れられたところがございました。そこで、市長が、この暑さ対策の中でやはりエアコンを設置していかなければいけないという考えを持っているということで、それをお話ししたところでございます。
以上です。
P.58 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 伺っているのは、通常こういった大きな事業をするときに、オーソライズをしてから物事を進めるかというふうに思うのですけれども、そういった発言、記事になったものがあって、それから政策会議をやるというのでは本末転倒、逆なのではないかと思うのですけれども、そこら辺のところを伺っているのです。
P.59 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) 今、教育部長がお話ししたとおり、白山中学校で総合教育会議をやったときには、たしか日程的には政策会議の前でしたので、あくまで総合教育会議で臨席された委員の皆様と、そのときの教育にまつわる課題を、当然会議の中でいろいろ意見を言い合うわけでありますけれども、その中で、特にその会場自体が非常に暑い会場でもあり、また、ちょうど保護者の方たちも非常に関心が高い事案でありますので、当然この酷暑に対しては市としても考えていく。そういった中で、エアコンの設置に向けては現在庁内で検討しておりますという話を私から冒頭させていただきました。それを受けて終了後に記者との議論の中で、どんな感じなのですかという話があったときに、今の検討状況をそのままお伝えしたところであります。それがああいった記事になって出たということで、正直我々も、正式な発表でも何でもなかったので、ああいう書かれ方をして、既成事実として書かれてしまったことは、ややちょっとびっくりした部分もあるのですが、進めていく方向に誤りはなかったので、それについてはそのままとしたというところでございます。
P.59 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) そうですか。基本的にもとに話がちょっと戻るところがあるのですけれど、教育部的には、確認ですけれど、いつごろからエアコンを設置しましょうよ、してくださいよ、今回、来年度に概算要求するつもりだったというお話をちょっと伺ったのですけれども、いつごろからそういうふうなことをしようかなと思って、逆に言えば、総合教育会議でぽんと来年の夏までにというくくりができてしまったことに対して、教育部的にはどのようにお考えなのかお伺いします。
P.59 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 先ほど市長が御答弁したとおり、空調設備におきましては、神奈川県でも本市につきましては普通教室は天井扇風機でずっとそのまましのいできたという言葉が、表現が妥当かどうかわかりませんが、してきました。この議会でも何回も空調設備については御質問された状況でございました。しかしながら、小田原市としてはなかなか財政的にも厳しい状況もございますし、また、小田原市は地理的にと申しましょうか、海や川とかそういうので自然の風もございますので、今までは天井扇風機で普通教室もそんなに暑いということはございませんでした。しかしながら、他市の状況ですが、今までは基地対策のような形で、県央とかそういうところが空調がいち早くついている状況でございました。こちら、西のほうにつきましては、まだ小田原市と同様に、普通教室も空調は設置していないような状況でございました。しかしながら、昨年、ことしと、だんだん近隣の市も、リースやそういう形で、ガス方式などで設置してきている状況がございましたので、教育部といたしましては、平成30年度になって、来年にはつけたいということでいろいろな調査を教育部内ではしてまいったところでございます。それで平成31年度には予算を計上するよう所管で検討してまいりました。先ほど市長が申し上げたとおり、ことしの夏は、梅雨が6月末で明けてしまったということで猛暑が続いたということでございますので、やはりこれは早急に稼働しなければならないという状況になってきた状況です。
以上です。
P.60 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 経緯については、また後ほどやりたいと思いますが、次に空調設備の熱源についてのお話をさせていただきたいのですけれど、先ほどの議案関連でも電気かガスかというお話がございましたが、防災的な観点、学校というのは基本的に災害が起こったときに避難所になるという可能性が大きくなりますので、そういったところで防災的な視点を入れる必要があると考えるけれども、市としてはどのようにお考えかお伺いいたします。
P.60 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 空調設備の熱源につきましては、これまでイニシャルコスト、またランニングコスト、そして工期などさまざまな要素を念頭に検討してまいりました。25番大川議員御指摘のとおり、防災の観点は、熱源を考える上で大切な要素であると考えております。災害発生時の早期復旧についても比較検討してきたところでございます。
P.60 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 先ほどの議案関連質疑の中で、維持管理費用ということで都市ガスとLPガスがまざった場合、6月から9月までは3000万円、LPガスだけだと3700万円、電気だと1億700万円、暖房を入れた場合は、それぞれ、7700万円、1億400万円、1億3200万円と。ガスのほうが電気よりは安いというところなのですけれども、さまざまな観点からやはり熱源というのは考えていかなければいけないですが、特に防災の観点から言えば、LPガスのほうが可搬性もあるし、設備復旧は非常に早いということで、なおかつ避難所の煮炊きに使えるということであれば、LPガスというのが単価は都市ガスよりは若干高いのかもしれないけれども、そういったことは考慮に入れたほうがいいのではないかというふうには思います。熱源については以上でございます。
次に、空調設備を整備することに当たって、小田原市も他市と同じような傾向で、将来児童・生徒の減少が残念ながら見込まれているところですけれども、ということは教室の数はだんだん減っていくということであると思います。そういうことを含めた中で、空調設備の整備を検討されているのかお伺いいたします。
P.61 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 空調設備整備と将来の児童・生徒の減少についてということの御質問でございました。今回の整備は、保有するすべての教室に設置するわけではございません。普通教室等の使用見込みを学校に調査した上で、必要数を算出しております。また、将来的に児童・生徒数が減少することで、普通教室として利用しなくなる教室も発生すると見込まれますが、児童・生徒が日中多くの時間を過ごす普及教室等につきましては、来年度の必要数はここで整備しなければならないと考えております。
以上です。
P.61 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 普通教室の全部につけないということでございますが、その整備をする場合、先々物すごいことが起きて子供たちがふえる、それで教室を多くしなければいけないという幸せなことになった場合、エクスパンドできる、拡張できるような考え、そういったシステムを考えておられるのか、まずそこをお伺いいたします。
P.61 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 現在、普通教室につきましては、通常級、クラス数とプラス今回は今後普通教室でも使用される場合、本来は生徒数が少なくなれば減少するのですが、場合によっては、今、少人数学級とかそういう形で、教室を違う形で使う場合もございますので、そういうものも含めて、今回は計上させていただいております。
以上です。
P.61 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ふえた場合の対応策も考えておいていただきたいと思って、今お伺いしたので、ぜひそういったところも考えておいていただければと思いますが、学校の中長期整備計画への整合というのですか、将来的に建てかえなり、白山中学校あたりは60年ぐらいたっていますので、それでまた10年、15年と、エアコンがついて建てかえができないということになれば、またそれはそれで問題かなというふうに思いますが、あわせて学校施設の統合なども視野に入れながら計画を練られているのか、そこら辺の整合はどうなっているのかお伺いいたします。
P.61 副市長(時田光章君)
◎副市長(時田光章君) 空調の整備に当たりまして、学校施設の中長期整備計画との整合について御質問をいただきました。学校施設の中長期の整備計画につきましては、本年度中に策定する予定の公共施設再編基本計画との整合を図りながら検討・策定するということになっております。中長期的には、学校施設の長寿命化対策のための改修や、改修による延命が困難な場合の建てかえ、こういったことも想定されるわけでございますけれども、年々ひどくなってくる炎暑から児童・生徒の命を守るためには、空調設備の整備は至急に取り組まなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
P.62 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ありがとうございます。
そういったことで学校にエアコンがついた場合、基本的に夏休みというのは暑いから夏休みになっているわけで、ここでエアコンがついて環境がよくなった場合、夏休みの扱いというのは、例えば、若干カリキュラムがふえておる現状の中で、授業時間をふやすために夏休みの期間を短くするとか、そういったお考えがあるのか、また、他市においてそういった事例があるのかどうかお伺いいたします。
P.62 教育長(栢沼行雄君)
◎教育長(栢沼行雄君) 今後の夏季休業の扱いについての御質問には、私から御答弁申し上げます。
普通教室において空調設備が整備されることで、夏季休業中でも児童・生徒が活動できる一定の環境が整うととらえております。こうしたことから、夏季休業の扱いにつきましては、その期間やサマースクール・補習等の内容面の検討をしていくことが考えられます。しかしながら、児童・生徒の登下校や普通教室以外で行われるさまざまな学習活動のことも踏まえていく必要がありますことから、今後、学期制検討に関する懇談会での意見も参考にしながら、教育委員会で検討していく考えでございます。
私からは以上でございます。
P.62 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) それでは、財源のほうに話を移していきたいというふうに思いますが、まず、22億円弱という金額についてなのですけれども、あくまでこの事業に関しては当初なかったことで、ぽんとここで出てきた。まして補正予算で22億円というのは相当大きなことだと思うのですが、さまざまな事業を小田原市は抱えておる中で、今後この事業をやることにおいてハレーションが起きないのか、まずお伺いいたします。
P.62 副市長(加部裕彦君)
◎副市長(加部裕彦君) 財政的な面につきましては、所管しております私から御答弁申し上げます。
まず、今回の空調設備の整備につきましては、るる今、市長が御答弁申し上げているとおり、非常に優先順位の高い事業ということで、今回、補正予算という形で追加上程させていただきました。そこで、とは言いながら、22億円を超える大規模な事業でございますので、それなりに財政的な影響というのは当然検討しなければ、簡単に予算化できるものではございません。したがいまして、財政サイドでも十分検討はさせていただきました。今回の財源としては、75%の市債、地方債と、あとは約5億5000万円ほど一般財源で予算を計上させていただいておりますけれども、一般財源は補正の段階で繰越金、前年度からの繰越金を充てることとしております。市債については後年度の財政負担になるわけですが、これはまた実質公債費比率等いろいろなものを勘案しながらの財政運営で見ていかなければいけないのですが、問題は、やはり一般財源を年度の途中で5億5000万円近く手当てするというのは通常なかなか厳しいことでございます。しかしながら、今後また平成29年度の決算で御審議をいただきますが、平成29年度の一般会計の実質収支は、私どもが想定した以上によかったということがございまして、相当な繰越金、実質収支38億円余の繰越金を計上することができました。今年度の財政運営に影響を与えるかどうかという部分につきましては、その繰越金の上振れ分というのが充当できるということで、他の事業への影響は極力影響することがないような形での財政運営ができる見込みが立ちましたので、今回、補正予算という形で計上させる意思決定をさせていただきました。
以上です。
P.63 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ほかの事業に余りハレーションが起きないということでございますが、今回こういった事業が上がってきて、補助金のお話を少しさせていただきたいと思います。先ほど10番小松議員もお伺いしていた部分かと思いますけれども、基本的に、学校の施設を整備する補助金というのは国から3分の1出るということで、そういった話を伺っているところですが、今回、市の単独でやるということになった経緯はどうなっているか、まずお伺いします。
P.63 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 国庫補助の関係でございますが、通常は、エアコンを設置する場合、特別教室などは国庫補助を待って設備をいたすものでございますが、今回につきましては、本当に緊急という形で予算を上げさせていただいたところでございますので、今回につきましての国庫補助につきましては、国のほうの動きがまだ私どもに情報が入っておりませんので、今後、国の情報をつかみながら財源確保に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
P.63 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 現状は取れていない、単独でいくということで、この工事が始まってから、この補助金というのがもし国のメニューとしてできてきた場合、市としてその補助金が取れるのかどうなのかお伺いいたします。
P.64 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 私どもの知識の中で、今確実には言えないのですが、工事が始まる前、要は契約前であれば補助金は申請できるものと思っております。
以上です。
P.64 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) ということは、工事が始まってしまうと補助金は取れないと、現状はそういう形ということで理解いたします。
それで、先ほど経緯のところでお話ししましたけれども、教育部的に以前からエアコンをつけましょうよという形で計画を考えていたと。ここに来て、全体でやりましょうという形になった中で、もともと教育部的には、例えば契約方式、リースだったのか、単独でいこうとしていたのかというのは、どのようにお考えだったのかお伺いいたします。
P.64 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 教育部内での議論で、さまざまな成功している市、また近隣の市等の状況を参考にしながら、教育部内といたしましてはリースで考えておりました。と申しますのは、やはり金額が相当な金額になりますので、リースで単年度の負担をできるだけ抑えるような形でという考えのもと、そういうリース方式がよろしいのかという中では考えておりました。
以上です。
P.64 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 教育部的にリースというふうに考えていて、なぜ単独でこういうふうになったのか、ちょっと見えないところがあるので、そのいきさつはどうなっているのかお伺いいたします。
P.64 教育部長(内田里美君)
◎教育部長(内田里美君) 一番の理由は、来年夏に稼働するということが決め手だと考えております。部内で、まずリースというので平成31年度の予算を上げようとしたときには、夏という稼働がなかなか厳しいので、平成31年度中という中での考え方でおりました。しかしながら、夏にはやはり猛暑が続いておりますので、夏に稼働するためにはリースというところはなかなか厳しいものがございまして、今回はこういう形で直接工事という形で上げさせていただいた。
以上です。
P.64 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) わかりました。すべては来年の夏という時限を決めたから選択肢がなくなったということで理解していいかと思うのですけれども、何ゆえ来年の夏に決めたのかと思うのです。ここのところ毎年暑いのはしようがないとしても、暑さ対策はある程度学校的にもされているという中で、何ゆえ来年の夏に時限的に決めてしまったのか、どうにも理解ができないし、やはり計画的に物事を進めなければいけないところで、本当にイレギュラーな形の進め方になっているかと思うのですよね。教育部的にはいろいろと研究した中でリース方式がいいといったものに関して、単独で補助金もない中でやってしまうというのが、ちょっと拙速ではないかなというふうに感じるところですけれども、お考えをお伺いいたします。
P.65 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) これは、今回の先ほどお話ししたとおりのこととまた同じ内容になりますけれども、ことしのような酷暑がまた来年も来るということに立った場合に、では、来るということをわかっていて、なおかつ来年の夏をやり過ごすことができるのかという判断を25番大川議員御自身がされた場合にどう考えるか、ぜひそれは私が逆に伺いたいところでありますけれども、そう考えたときに、やはり同じ状況になって、保護者の方の御心配以上に子供たちが同じ状況に置かれるということを考えた場合には、やはりそこを回避する手だてがあるのであれば、多少当座の財政運営に予定よりも負担がかかるとしたとしても、それについては対応すべきではないかというのが私どもの考えでございます。というか私の考えということで、今回こういったプロセスを踏み出したということでございます。
以上です。
P.65 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 市長のお考えはわかりましたけれども、今回、7月24日ですか、保護者の方々からインターネット署名が出されたということで、読売新聞の記事には、それが後押しになったというふうに市長のお答えが載っていたということで、もしその署名がなかった場合でもこの事業はやったのかどうか、それをお伺いいたします。
P.65 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) これは、署名が出る前から、両副市長との意見交換等も含めて当然議論しておりました。そうした中で、たまたまという言い方はおかしいですけれども、保護者の方の署名活動が出るということで、これについては、そういう動きをむしろ後押ししてもらえるものだねということで、我々としては肯定的に受けとめる、時系列としてそういう順番でございます。
以上です。
P.65 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) わかりました。
それで、先ほど補助金の話をさせていただきました。本来であれば、どこの自治体の首長も文部科学省に行って、こういった学校施設に関しての要望活動というのをなされているわけで、きのうだかおとといの神静民報にも、南足柄市の加藤市長が文部科学省に行って要望活動をされてきたという話が載っておりました。本市において加藤市長が文部科学省に行った経緯があるかどうか確認させてください。
P.66 市長(加藤憲一君)
◎市長(加藤憲一君) そちらについてはまだできておりません。
以上です。
P.66 25番(大川裕君)
◆25番(大川裕君) 本当にそこなのですよ。トップはやはりセールスマンで行っていただかないと、これは物事が進まないわけですよ。行列のできるお店に行って、横入りして注文するわけにいかないわけです。みんな並んで待っているわけですから、それはやはりトップみずから行っていただかないと、なかなか取りに行けるものも取りに行けない。ただでさえ学校施設の整備のお金というのは欲しいところがいっぱいあって、特に今回のエアコンに関しても、本当にそういった自治体が多いかというふうに思いますので、それはこちらから逆に本当にお願いしますと言いたいところなのです。3分の1の補助金が取れていれば、それほど財政にも年度をかければそんなに影響はないかというふうに思いますから、その点において、今から行っても多少遅いかもしれませんけれども、ぜひ、そういった動きを、ここら辺のさまざまな事業がある中で、本当にこれに関してはお願いしたいというふうに思います。
何度も言うようですけれども、命を大事にとかそういったことというのは、行政をおあずかりする立場においては、普遍的コモンセンスみたいなものであって、そういったことを踏まえた上で事業を執行することが求められる。もちろん、その中にはさまざまな事業がありますから、すべてはバランスをとりながらやらなければいけないというふうに考えております。ぜひとも、市長には決断力と行動をしっかりと整合させた中で動いていただきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。