平成29年9月19日 消防・防災対策について

◆25番(大川裕君) 誠風の大川でございます。本日はくしくも誠風4人が続けてやるということで、まず、私、大川が先鋒を務めさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、通告に従い順次質問をさせていただきます。
 まず、大項目1として、本市の消防における諸課題についてです。
 本年2月に策定されている小田原市消防署所再整備計画では、その目的として、消防署所については、平常時の消防救急業務に加え、大規模災害発生時には応急活動の中核となるなど、防災拠点としても重要な役割があることから、発生時にその機能を損なうことのないよう、計画的な整備を推進するとあり、また、消防署所の再配置等により、消防力を適正に配置することで、消防需要に対応した効率、効果的な消防体制の構築を図るとしています。加えて、署所の役割として、支障なく消防活動が行える機能が、被災することなく常に確保されていることや、建物や設備、消防車両等が損傷を受けないことなどが条件としてつけられています。今回の再整備計画では、再整備検討対象として、荻窪、国府津、栢山、西大友、岡本の各出張所が挙がっており、その中でも国府津、西大友、岡本の各出張所が最優先の整備対象として選定されております。
 そこで、まず、質問の(1)として、この3出張所を選定されたいきさつと理由をお伺いいたします。
 次に、質問の(2)として、訓練場所についてです。
 実際の火災や災害現場で任務を遅滞なく効果的に遂行するには、日々の訓練が必要不可欠であります。消防大学校の教科書によれば、組織目的の達成として、消防組織法第1条に定める消防の任務を完遂するため、日々消防隊の活動能力向上に努め、国民が安心して災害対応を任せられる消防隊を育成することにあるとあり、また、消防職員である以上、訓練は義務でありおろそかにすることはできず、消防訓練は消防の職を去るまで継続的かつ精力的に行わなければならないとされております。消防隊員の育成として、訓練の中でどのような災害に対しても、冷静で信念を持った活動対応ができる消防隊員の育成が目的とされ、知識、技能、態度の三要素が必要とされ、また、組織活動の確立として、育成された隊員が、隊として行動することで、各隊が有機的に結合し、個々の持っている能力の2倍、3倍の強い力となるが、この有機的結合が活動技術の統一、情報の共有化、意識の同一化に基づき達成されると記されております。加えて、各消防本部はそれぞれの地域特性を有していること、また、災害の態様は常に多様であることから、現場において的確に対応できる訓練が必要であり、住民の負託にこたえるためにも、また、隊員自身が災害現場で安全に活用するためにも、訓練を行う責任があるとされております。そこで、消防が行っている日々の訓練について、どのような場所や形態で行われているのかお伺いいたします。
 次に、質問の(3)として、消防団の運用についてです。
 消防団は、大規模災害時を初めとして、それぞれの地域の安全確保のために大きな役割を果たしております。常備消防とは異なる特性を踏まえながら、発生時の運用を考えていかなければならないと考えます。消防団の機能には次のような特性があります。まず、消防団は全国各地に組織され、いかなる場所で災害が発生しても即座に対応することが可能であること。消防団員は地域の住民で構成されているため地域のつながりが強く、それぞれの地域の事情に精通していること。消防団員は定期的に訓練を受けており、消防に関する知識、技能を有していること。消防団員は単に消防活動を行うのみならず、消防活動の指導、広報や、自然災害などの警戒に従事することなどのほか、動員力、広域運用性などが挙げられます。まさに災害発生時、地域にとって自助・共助のかなめとなる特性を有していると考えます。そこで、本市において災害が発生した場合、消防団の運用はどのようになっているのかお伺いいたします。
 次に、質問の(4)として、学校等における消防活動の啓発についてです。
 消防審議会に設置された地域防災力の充実方策に関する小委員会において報告書が取りまとめられ、その中で地域防災を担う人づくりの必要性が挙げられております。地域の防災を支えるのは、住民みずからが判断し、また互いに助け合って行動する自助・共助の取り組みであり、今後、子供を含む住民を対象に、基礎知識から実践的な内容までさまざまなコンテンツを提供し、地域のリーダー役となる人材の育成に一層力を入れていく必要があると述べられております。防災や消防活動への啓発を進めていく上で、幼年消防クラブや少年消防クラブ、また学校等での啓発活動は、将来を考慮した上で有効と考えますが、本市において現状どのような形で行われているのかお伺いいたします。
 次に、大項目の2、本市の防災対策についてです。
 まず、質問の(1)として、九都県市合同防災訓練についてです。
 防災の日の9月1日、本市の酒匂川スポーツ広場を主会場として、第38回九都県市合同防災訓練、平成29年度神奈川県・小田原市合同総合防災訓練「ビッグレスキューかながわ」が、安倍晋三総理大臣を初め関係閣僚も参加いただき実施されました。首都圏の4都県と5政令指定都市よる九都県市合同防災訓練は、毎年、防災の日に合わせて実施され、県西部での開催は24年ぶりとなりました。今回、小田原沖での大地震を想定した実践的な訓練となり、各自治体の消防、警察、自衛隊、在日米軍、医療、各種団体、ボランティア、地域住民など多くの方に御参加をいただき実施したところですが、この大規模な訓練を通じて開催地首長として得るものが多々あったかと推察いたします。そこで、今回の訓練に対しての所見をお伺いいたします。
 次に、(2)として、災害時応援協定についてです。
 大規模な災害が発生した場合、人手不足や施設、設備の故障や破壊が、被災自治体の災害対応に支障を来すことが多々存在します。財政状況が悪化していく中で、多くの自治体で行財政改革が進められ、公にまつわるさまざまな問題について行政が直接的・包括的に対応することが非常に難しくなってきている現状です。こういった防災に係る公助の限界を補う取り組みとして災害時応援協定の締結が進められているところです。しかしながら、災害時応援協定を締結しても、必ずしも協定先の協力が得られるとは限りません。実際、東日本大震災では、災害時応援協定がスムーズに機能しなかった場面もあり、協定の実効性の確保が課題となっています。そこで、まず、本市において締結先はどのくらいあるのか、また、締結する上でどういったガイドラインに沿って選定していっているのかお伺いいたします。
 次に、質問の(3)として、狭隘道路対策についてです。
 狭隘道路の定義として、①建築基準法第42条第2項の指定を受けた道路、幅員が4メートル未満であり、第2項の指定を受けていないもの、また、法の種別、位置の明確でない道路とされております。市民が安心・安全に暮らしていく上では、道は重要な役割を担っています。しかしながら、道が狭いと日照や通風等の確保が難しいといった住環境の面だけでなく、災害時や緊急時の避難、救助活動に支障を来したり、火災の延焼を助長するなどのおそれもあります。本市においても狭隘道路の解消に向けてさまざまな対策がとられておりますが、本市の狭隘道路整備事業内容と、建築確認が出されたもののうち、対象となるものの割合はどのくらいで、その進捗はどのようになっているのか、また、近年の傾向はどのようなものなのかお伺いいたします。
 次に、質問の(4)として、早川の増水対策についてです。
 本市を流れる河川のうち、酒匂川に次ぐ河川である早川は、芦ノ湖を水源として東に流れ、相模湾に注ぐ河川であり、酒匂川同様、シーズンになればアユ釣りのお客でにぎわう本市の内水面漁業にとってなくてはならない河川であります。また、一方で、荻窪用水を介して市内の田畑を潤す重要な水源でもあります。早川の水量の調整は湖尻水門の開閉によるものでありますが、過去の芦ノ湖の水利権の問題等でいまひとつその運用が明確でないと言われております。2007年の台風11号や2009年の台風9号では、上流で土砂崩れが発生し大きな被害をもたらしております。そこで、早川の水量を左右する水門の開閉状況の把握はどのようにされているのかお伺いいたします。
 次に、質問の(5)として、GISの活用についてです。
 地理情報システム(Geographic Information System)、以下「GIS」と申しますが、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータを総合的に管理加工し、視覚的に表示して高度な分析や迅速な判断を可能にする技術であります。ハードウェア、ソフトウェアの低価格化が進み、簡易なGIS導入が可能となる一方で、地図データ等については電子化されていない、データ仕様が異なり利用できない等の問題があり、GISを導入する自治体がおのおの整備する必要があって、結果的に二重三重の投資となる問題があると言われております。しかしながら、阪神・淡路大震災以降、災害を対象とした調査研究がGISによって行われてきました。そして、その機能面からの評価が高まるにつれ、自治体からの利用が増加しているところであります。そこで、本市においてGISを現状どのように活用しているのかお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。

○議長(加藤仁司君) 市長、登壇願います。
     〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員の御質問に順次お答えをいたします。
 初めに、消防署所再整備計画の内容についての御質問でございました。消防署所の再整備計画を策定するに当たりまして、消防の広域化後の消防力の重複や不均衡、救急隊配備の有無、庁舎の耐震性などを検討いたしました結果、11署所のうち五つの署所を再整備の対象署所といたしました。このうち、国府津、西大友及び岡本出張所につきましては、老朽化が著しく庁舎の耐震化も未実施でありますこと、さらに、移転・統合により救急隊を配置することで消防力の充実、住民サービスの向上が図られますことから、再整備対象署所として選定したものでございます。
 次に、消防隊員の訓練についてでございます。消防隊員が日々行っております訓練の場所につきましては、主に消防署、分署、各出張所の敷地内でございます。訓練の内容は、各出張所では、消防車両に積載しております資機材の取り扱い訓練等を実施し、消防署、分署においては資機材の取り扱い訓練のほか、放水訓練や複数の部隊の連携による火災防御訓練など、訓練塔を使用して総合的な消防活動訓練を行っております。
 次に、災害が発生した場合の消防団の運用についてでございます。消防団の出動につきましては、小田原市消防団員の定員、任用、給与、服務等に関する条例に基づきまして、規則や施行規則などで詳細を規定しております。火災が発生した場合の各分団の出動範囲は、各分団の受け持ち区域となっておりまして、周辺への延焼危険がある炎上火災の場合は、隣接する分団も出動する体制といたしております。また、水災その他の災害のときは、団長の命令した区域といたしております。なお、消防団の活動は、小田原市消防団災害等活動規程に基づき行っております。
 次に、幼年消防クラブ等における防災や消防活動に対する啓発活動についてでございます。幼年消防クラブは、現在、本市では25園で結成されておりまして、幼少期における防火指導を目的に、消防車お絵描き会、アークロードでの駅頭広報等の活動を通じまして、啓発を行っているところでございます。少年消防クラブは、本市では結成されておりませんけれども、小・中学校での地震や火災を想定した避難訓練のほか、庁舎見学で来庁する小学生に対しても、防災や消防活動についての啓発活動を実施しているところでございます。
 次に、九都県市合同防災訓練に係る所見についてのお尋ねがございました。訓練当日は、早朝から、地域住民の皆様、消防、警察、自衛隊、各自治体、医療機関、ライフライン事業者など、大変多くの関係機関から約3000人に御参加いただきまして、非常に多岐にわたる実践的な訓練が実施できたととらえています。また、消火器やAEDの取り扱い体験等への参加、各種防災機関による展示・体験コーナーへの来場、救出救助訓練の見学等を含めまして、約7000人に御来場いただきまして、防災知識の普及や意識の啓発に大きく寄与したものと考えています。訓練の実施に当たり、約1年半にわたりまして準備をしてまいりましたが、この間に数多くの団体や専門家などと連携関係を構築できましたことは、本市の災害への備えにとって大変大きな財産になったと認識しています。
 次に、災害時応援協定についての御質問でございました。本市では、平成29年8月現在、自治体との相互応援協定を24件締結しておりますほか、企業等との間で防災に関するさまざまな協定を196件締結しています。協定締結に関するガイドラインにつきましては、特に定めてはおりませんが、自治体との相互応援協定は、姉妹都市や各種協議会などを通じて締結しております。また、企業等につきましては、災害時必要となる食料・日用品や医療品の調達に関するもの、応急復旧工事に関するものなど、多岐にわたる分野の協定を締結しています。
 次に、本市の狭隘道路整備事業についてでございます。狭隘道路の整備につきましては、「小田原市建築行為等に係る後退用地の確保及び整備に関する要綱」を昭和61年度に制定いたしまして、30年以上にわたり事業を推進してきております。本事業は、道路官地がある狭隘道路に接して建築行為等を行う場合に、後退用地の買い取り、後退用地内にある門・塀等の物件除却費用の補償及び拡幅整備工事を行っているものでございます。小田原市域における建築確認申請件数は年間に1000件程度ございまして、そのうちの1割に当たる約100件が本事業の対象となっております。用地の取得が完了したものから、順次拡幅整備を行っておりまして、過去3年間の推移は、平成26年度が148件、平成27年度が108件、平成28年度が93件で、おおむね100件前後で推移しております。
 次に、芦ノ湖にある湖尻水門の開閉についての御質問がございました。早川及び湖尻水門は神奈川県が管理しております。大雨等により芦ノ湖の水位が上昇し、湖畔周辺に水害が発生するおそれがある場合には、神奈川県は湖尻水門を開放して、早川へ芦ノ湖の水を放流しております。この場合、神奈川県が、小田原市や小田原警察署、早川河川漁業協同組合などの関係機関に水門操作を開始する時間を通知しています。湖尻水門を開放する場合、早川下流域での急激な水位の変動がないよう、水門の放流水量を調整しながら、開放操作を行っていると聞いております。
 次に、GISの現状の活用状況についての御質問がございました。本市では、大きく分けまして、Navi-Oと呼ばれる統合型のGISと、各業務に特化した個別のGISを活用しております。統合型GISは、都市計画基本図をベースに、防災マップや都市計画図など複数業務の図面を一つのシステムで重ねたものでございまして、庁内で情報共有をするほか、現在、17の地図をインターネット上で公開しております。個別GISでは、道路管理や固定資産税の土地評価など、専門的な業務を処理する六つのシステムを導入し、各業務で活用しているところでございます。
 以上をもちまして、25番大川議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。

◆25番(大川裕君) 答弁ありがとうございました。
 それでは、上から順番に再質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、署所の再整備について、大体理解はできたところではあるのですが、荻窪出張所というのがこの庁舎の中にあるわけで、その荻窪出張所の空調が壊れているというふうにも伺っております。現状スポットのクーラーを使って空調対策をしているということですけれども、スポットのクーラーですと、同じ部屋で冷気が出るところと暖かい空気が出るところが同じですから、ほぼプラス・マイナス・ゼロという状況だというふうに思います。ことしの夏などは若干涼しくてよかったのかもしれませんが、やはりそういったところも整備してあげなければいけないことだと思いますし、あわせて訓練も目の前でしにくいということで、もっと言うならば、裏にある厨房設備もかなり老朽化というか、狭いところで日々の食事をつくられている話も伺っておりますので、荻窪出張所の再整備を優先すべきであると思うところなのですけれども、その見解をお伺いさせていただきます。

◎副市長(時田光章君) 消防署所の再整備に関しまして、荻窪出張所の再整備についての再質問をいただきました。荻窪出張所につきましては、平成8年に本市の防災体制の充実を図るために、本庁舎内に移転したものでございますけれども、もともと消防署としての構造ではないために、機能や執務環境が他の署所に比べて不十分であるということは承知しているところでございます。一方で、本庁舎の耐震化により安全性の確保が図られましたため、今回の再整備計画の検討の中では先送りとはなりましたものの、次の再整備計画の中では最優先として位置づけていく予定でございます。
 私からは以上でございます。

◆25番(大川裕君) 消防署所の再配置というのは、将棋のこまではないですけれども、これから先の消防業務において、効果的に物を機能的に分散させていかなければいけないということで理解できるのですけれども、諸条件をもとに決めたかと思いますけれども、再配置場所についてはどのように決めたのか、改めてお伺いさせてください。

◎副市長(時田光章君) 消防署所全般の再配置場所につきまして、私から御答弁させていただきます。
 消防署所を適正な場所に配置するためには、管内の面積、人口の分布、あるいは市街地の状況及び道路状況等の基本的な条件と、加えまして災害出動件数、現場到着時間及び緊急車両の走行速度等の活動データをもとに科学的な分析結果を勘案して決定しているものでございます。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) 署所の再配置なのですけれど、今回、成田のあたりに、西大友出張所と国府津出張所をあわせた機能を持つ出張所を整備するというふうな話も伺っておりますが、酒匂川の洪水ハザードマップとの整合はとれているのかお伺いさせてください。

◎消防長(穂坂明利君) 新たに建設をいたします出張所の洪水対策についての再度のお尋ねにつきましては、私のほうから御答弁をさせていただきます。
 酒匂川の洪水、浸水対策につきましては、流域の降雨量や河川の水位情報などから、あらかじめ被害発生の予測が可能でございますので、消防部隊及び車両を避難させるなど、事前に対策をとることが可能であるというふうに考えております。また、消防庁舎につきましても、非常電源等の重要な設備を安全な場所に配置するなど、発災時の被害を最小限にとどめる対策をとる予定でございます。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) 予測して車両を逃がすということですけれども、では、ともすると残された住民というのはどのような対応をされるのか。まさか救命ボートのみで対応するのかどうなのか、そこら辺の話をお伺いさせていただきたいと思います。

◎消防長(穂坂明利君) 次に、浸水時等の救助対応についての御質問ということでございます。河川等のはんらんによりまして市街地が浸水した場合につきましては、救助用のボート、水上バイクを初め、浮き輪や救命胴衣等の水難用救助資機材を最大限に活用いたしまして、救助活動を行うものでございます。また、本市の消防力だけでは対応が困難と判断した場合につきましては、神奈川県下消防相互応援協定や神奈川県内消防広域応援実施計画に基づきまして応援を要請いたしまして、ヘリコプターなども活用の上、救助活動を実施するといったものでございます。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) そういう条件についてはわかりました。
 再整備をする上で、これから先、国府津出張所が成田のほうに来るということであれば、国府津出張所の跡地というところが出てくるかと思います。あわせて、その使い方等もこれから検討していくということになっているかと思いますけれども、特に国府津の18分団の詰所の前のところには、キュービクルがあって、緊急車両が出入りしづらいという状況になっているところですので、そういったところを勘案しながら、しっかりとした対応をしていっていただきたいというふうに思いまして、消防署の署所の再整備については終わります。
 次に、訓練についてなのですが、訓練は常にやっていかなければいけないもので、訓練について勤務時間内に適切に行われているのか、また、場所の確保はどのようにしているのかお伺いいたします。

◎消防長(穂坂明利君) 次に、消防隊員の訓練についての御質問でございました。訓練につきましては、基本的には勤務時間内で実施しており、場所につきましては、主に消防署、分署、各出張所の敷地内で実施しているところでございます。放水訓練や火災防御訓練、救助訓練の内容によりまして、各出張所敷地内での実施が困難な場合につきましては、消防署、分署に移動して実施をいたすものでございます。このほか、過去には、寿町の酒匂川防災ステーション、また城山の小田原競輪場の敷地を借用いたしまして、救出救助訓練並びに総合的な消防活動訓練を実施したといった実績もございます。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) 小田原市の消防が広域になって、管轄の人口が30万人規模ということで、30万人規模の消防本部の訓練センターは、どういった整備状況になっているのかお伺いさせてください。

◎消防長(穂坂明利君) 次に、他の消防本部、30万人以上の訓練センターの整備状況というお尋ねでございます。県内の管轄人口30万人以上の消防本部は、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市及び藤沢市の5消防本部となっておりまして、いずれも訓練センターが整備されているというところでございます。

◆25番(大川裕君) 訓練センターが整備されているところが5消防本部ということですけれども、小田原市のカバーする範囲というのは県西地区ほぼ全部でございますので、山、川、海、いろいろあって、地域特性に基づいた訓練を行わなければいけない。それには、先ほど話したように荻窪出張所の前でまさか水難訓練ができるわけでもなく、やはり訓練の中から司令官は可能性を見出したり職員の安全を担保していくわけですから、できれば小田原市が訓練センターを整備して、集中的に訓練できる場所をつくってあげることがこれから必要になってくるかと思いますので、御検討をいただきたいというふうに思います。この件についてはこれで終わります。
 次に、消防団の運用についてです。消防団、いろいろとつらつらとその特性について話したわけですけれども、聞くところによると、小田原市と1市5町との出動の運用についてはちょっと違いがあるという話を伺っておりますが、違いがあるのかどうか、また、その点はどういったところなのかお伺いさせてください。

◎消防長(穂坂明利君) 次に、消防団の皆様の活動ということで、1市5町との出動の相違についてということで再度のお尋ねでございます。1市5町の消防団につきましては、各市町の対応マニュアル等に基づきまして、消防団長の指示により出動しているというところでございます。出動する火災種別や出動区域等に一部違いがあるものの、消防団につきましては、消防組織法に基づいた組織のため、本市と1市5町との出動に関して大きな相違はないというふうに考えております。

◆25番(大川裕君) 今伺ったのは、マニュアルの中で運用の違いというのは何があるのかというところで、例えば、火災現場を見て判断するのか、それとも火災の情報が来たときに出動をかけるのか、それはどちらなのかというところでお伺いしたところですけれども、改めてお伺いさせてください。

◎消防長(穂坂明利君) 実際の運用についての再度のお尋ねでございます。先ほども御答弁申し上げましたとおり、本市の場合は条例や規則等で決められているということでございますが、1市5町につきましては、それぞれのマニュアルといった形で中身が決められているということでございます。基本的な行動内容につきましては、消防組織法、先ほどの繰り返しになりますけれども、法に基づいたものをそれぞれ使っているということですので、大きな違いはないというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) 大きな違いはないということですけれども、消防団も組織されている中で、なかなか現場に行ける機会も少なくなっているということであります。ある上で出動させておかないと、いざ集めようと思ったときにも集まらなかったりということもよく聞きますので、消防団の運用に関して、特に小田原市が管轄する管内において、1市5町と余り違いがあってはうまくないかなというふうに思うのです。例えば煙が出ているから出動させるとか、そういった感覚的な違いというのはできるだけなくしていただければ、今後、より安全なまちになっていくかと思いますので、対応をよろしくお願いいたしたいと思います。この質問はこれで終わります。
 次に、4番の啓発活動についてですが、市内すべての学校等で防災や消防活動に対する啓発活動が対応できているのか、市内全体で本当は行わなければいけないところだと思いますけれども、そういったところがあるのかどうかお伺いさせてください。

◎消防長(穂坂明利君) 次に、啓発活動に関して市内の学校等の対応状況はどのような形かということでございます。学校等への防災や消防活動の啓発活動につきましては、要望に応じて、日程調整等を図りながら実施しているといったところでございますが、なかなかすべて要望に沿えない場合もあるといったところが現状でございます。防災や消防活動の啓発活動を地域の子供の皆さんに働きかけていくといったことは重要なことであるというふうに認識しておりますので、今後はなるべく要望に沿えるように努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) 将来の防災リーダーとかのためにも、ぜひ穴のないような対応をしていただければというふうに思います。
 次に、九都県市合同防災訓練についてです。市長の所感はお伺いさせていただきまして、先ほどから訓練、訓練、訓練と、ずっと消防で訓練ばかり言っていたので、また訓練かという話なのですけれども、訓練の中から課題が見えてくる部分があろうかというふうに思います。ある意味、いいことばかりはないわけで、本市にとって訓練を通じて足らない部分が見えてきたことはなかったかどうか、また、その検証についてはいつなされるのかお伺いいたします。

◎市長(加藤憲一君) 先日行われた九都県市合同防災訓練から見えてきた課題ということで、そちらのほうは私からお話ししたいと思います。
 25番大川議員ほか皆さん方も御参加されたので、それぞれ感じられたと思いますけれども、まず、140以上の関係機関が参加されるという非常に大規模な訓練であったわけでございます。実際の災害時には、こういった関係機関が同時に動いていきますので、こういった方たちと実際にどのように連絡調整をしていくか、これは本番においてはさまざまな課題が出てくると思っていますので、これがまず一つ非常に大きな課題というふうに受けとめています。また、当日も消防、警察、自衛隊等によって、被災住民の救出訓練を実施いたしましたけれども、実際の災害時には、こういった機関による救出には物理的にもいろいろな意味でも限界があるわけでございまして、やはり地域の住民の皆さん方が実際に共助活動の体制ができているということが重要であろうと思います。このあたりの検証、また、さらなる訓練も必要かというふうに認識いたしました。また、当日は、台風の接近等によって海上が非常に大荒れでございまして、津波避難訓練等の一部は中止となったわけでございますけれども、実際には災害は気象を選びませんので、そういうことは実際に言っておられないわけですが、天候によっても実際には救助活動が大きく制約を受ける、こういったことも改めて目の当たりにしたところであります。いずれにいたしましても、この訓練の主催者である神奈川県と本市におきまして、今回の検証を行って、そこで見えてきた課題については十分検討して、クリアしていきたいというふうに思っています。
 私からは以上です。

◎防災部長(杉山博之君) 九都県市合同防災訓練の検証について御質問をいただきました。今回、大変大きな訓練でございましたので、必要な検証を行って、今後の防災対策に生かしていきたいというふうに考えております。そこで、この訓練の幹事団体でございます神奈川県におきまして、年内をめどに全体の報告書を作成することになっておりますが、この中で訓練の概要から課題等について整理することとなっております。それで、小田原市もこの報告書の取りまとめに当たりまして、県とともに検証を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。

◆25番(大川裕君) 課題が見えてきたということは、本当にこれをやった意味があるということだと思いますので、そういった課題をクリアしながら、より強いまちをつくっていっていただきたいというふうに思います。1番についてはこれで終わります。
 次に、災害時応援協定締結についてですが、今回、9月21日、2日後ですかね、土地家屋調査士会との協定をされるというふうに伺っております。そんなところで、例えば土地家屋調査士会とは、どういったことを期待するというか、やっていただきたいというところで協定を結ばれるのかお伺いいたします。

◎防災部長(杉山博之君) 土地家屋調査士会との協定について御質問をいただきました。この協定は、神奈川県、県内市町村、神奈川県土地家屋調査士会との3者の間で締結に向けて、現在、県が調整を進めております。内容といたしましては、家屋被害認定調査等におきまして、家屋被害の調査、それから罹災証明の相談業務、こういったものを協力していただくこととなっております。
 以上です。

◆25番(大川裕君) 21日に結ばれるということで、内容的にはそういったことだということは理解できます。ただ、先ほどの市長の答弁の中で、196件という協定先があるということでしたが、これだけ協定がふえてくると、ハンドリングをしていくのは一体だれがするのということになるかと思うのですよね。実際問題やはりそれぞれの協定団体が得意分野を持っていて、今お答えいただいたように、罹災証明や家屋被害の調査とかというのはある意味得意分野だと思うのですよ。それぞれの得意分野をしっかりと把握しながら、より上を目指した協定というのをやっていただくことをお願いしなければいけない部分が、これから先も出てくるかと思うのですよ。そういったところで、協定がこういう状況の中でハンドリングは一体だれが行っていくのかお伺いいたします。

◎防災部長(杉山博之君) 協定数が大分ふえてまいりました。その際の対応についての御質問をいただきました。防災協定につきましては、まず全体を防災部が把握しております。そして、その協定のそれぞれの内容に応じまして、各部局が協定先と連携を図っているというところでございます。したがいまして、引き続き、この防災協定が有効に機能していきますように、日ごろから防災部を初め各部局が協定先との間で顔の見える関係を築いて、災害時に迅速に対応ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

◆25番(大川裕君) 現状、防災部がやられるということなのですけれども、最終的に防災部が持って各部局ごとに連携していく、実際に災害が起こったときに、防災部が軸で部局がばらばらでやっていて、果たして整理できていくのかどうかというのは、かなり疑問な部分があるのですよね。横ぐしをきちんと通した中でやっていかないと、災害発生時というのは運用ができないのではないかなというふうに思います。例えば一つのところで協定を結んでいるところが、防災部と直でやっている部分があったとして、こちらで経済部がやっているところがあったとして、でもそのときの情報共有がなかなかできないというのは、災害発生時というのは往々にしてあると思います。それがあそこにあるのにこちらに届かないということが起きると思いますから、しっかりと内部調整はしていただきたいと思いますし、改めて、この間、先日の議会、6月議会でしたか、10番小松議員のほうからお話がありましたけれども、監理官を置いてしっかりとその対応をしていくことが、これからより防災対策に力を入れていけるかなというふうに思いますので、そういった対応をぜひしていっていただきたいというふうに思います。2番については以上で終わります。
 次に、狭隘道路対策についてです。狭隘道路対策については、現状には理解ができました。平成30年4月に物件除却補償費が助成対象外となりますけれども、まずその理由についてお伺いいたします。

◎建設部長(鶴田洋久君) 狭隘道路対策につきまして、平成30年度から物件除却費用の補償を廃止する理由につきまして御答弁させていただきます。
 本市では、建築確認申請に伴いまして、道路後退が生じる場合に建築主の経済的な負担を軽減するため、昭和61年度から後退用地の買い取りや後退用地内にある支障となる門・塀等の物件に対して補償を行ってまいりました。その後、建築基準法や狭隘道路整備への理解も深まってまいりましたことから、平成22年度に支障物件の補償を移転補償から除却のみの補償へ見直しを行っております。今回の見直しにつきましては、厳しい財政状況や国庫補助金が減額されるなど、限られた財源の中で後退用地の取得と着実な拡幅整備を進めるため、物件除却に係る補償を廃止するものでございます。
 以上でございます。

◆25番(大川裕君) ここ何年か、100件前後で推移している狭隘道路対策でございますので、そういったことを考えると、制度上なくしてしまうのはいかがなものかなというふうに思うところなのですけれども、その対策をきちっとやっていかないと、先ほど冒頭壇上で申し上げたとおり、火災のときなどに消防車が入っていけなかったりするわけですから、そういった対策はきっちりとやっていただく、あわせて、これから多くの人が住んできた場合のまちづくりの面でも、狭隘道路の対策はしっかりととっていかなければいけないところだと思いますので、対応をしっかりしていただきたいというふうに思います。
 次に、増水対策についてです。これは、話はわかりました。要望として、増水対策、早川はアユ釣りする人や川遊びをする人がいて、水門の開閉状況は連絡が来るということですけれども、早川漁協とかそういったところの人に連絡が来ても周知をする手だてがないというところで、できれば防災行政無線で、水門があきましたとか、そういった情報を流していただければ、より安全なのかなというふうに思います。ちょっとしか水量は上がりませんとか、そういった問題ではなく、何かあったら困りますので、防災行政無線で流すのはそんなにお金がかかることではないかと思いますので、酒匂川のほうには、三保ダムが放水するとサイレンがついて放水中という看板まであるわけですから、早川のほうも何らかの対策は打つべきだと思います。早川については以上で終わります。
 それでは、5番目のGISの活用についてです。答弁の中で、Navi-Oが対外的で、そういった形で統合型のGISを活用されているというお話をお伺いさせていただきましたが、市役所内でも、他部署の地図を確認するために、地図を所有している部署に確認に出向かなければいけない状況であるというふうに伺っております。例えば消防が地図が必要だというと、本庁舎にとりにこなければいけないといった状況です。市役所内でGISの情報の共有化が進めれば、事務が効率化するとともに、市民に公開できる地図もふえると思いますが、個別のGISを統合していくべきと考えておりますが、見解をお伺いいたします。

◎理事・企画部長(長谷川孝春君) 庁内のGISの統合の方針についてのお尋ねがございました。庁内で個別に導入してございますGISにつきましては、それぞれの所管が高い精度で専門的な業務を処理しているため、各業務に特化した機能を有する個別のシステムを導入した経緯がございます。したがいまして、現時点でこれらを統合することは難しい状況であるというふうに考えております。しかしながら、個別のGISからデータを切り出して、統合型GISに組み込むことが可能な地図があれば、積極的に追加して、ただいまの御指摘にございましたように、できる限り他部署が足を運ぶことがないように、庁内で情報の共有化に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◆25番(大川裕君) ありがとうございました。
 GISというのは、最初は基盤があって普及があって、今、活用の時期かというふうに思います。さらに、そこから発展という形に持っていかなければ、よりその機能は発揮できないというふうに考えているところなのです。市民向けで言えば千葉県浦安市など、小田原市のGISより多くの地図を公開している先進的な都市もあります。何でもかんでも外へ出せばいいということを言っているわけではなくて、庁内の内部的なGIS、つまり先ほど言われていた固定資産台帳とか水道台帳とか下水道台帳とか、そういった地図を統合して庁内の中で一元的に見られるようにしておかないと、なかなかその効率はよくならないというふうに考えています。
 例えば、テレビドラマで「24-TWENTY FOUR-」というドラマがあるのですけれども、知っている方は知っているかと思いますが、主人公のジャック・バウアーがアナリストのクロエという女の子に住所をここだと言うと、その建物の地図が出て、その建物の情報が瞬時に出てきて、たちどころに事件を解決する、そういった番組なのですけれども、ああいったものとまではいかないですけれど、そういった形で物事が処理できればよりいいのかなというふうには考えるところです。もちろん、その情報にタッチできるのはそれぞれ職員のレベルというか、アクセス権というのを設置すれば、そんなにセキュリティーに関しては問題ないかというふうに思いますので、一つの例として出したわけですけれども、そういった形を想定すれば、そんなに遠くない世界だというふうに思いますから、そんなことをぜひお願いしたいというふうに思います。いずれにしても、内部統合は業務効率化には必要でありますし、しなければ意味がないことですから、これについては職員も、それから市民、業者もウインウインの関係が築けると思いますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと申し上げまして、質問を終わります。

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