◆25番(大川裕君) 誠風の大川でございます。通告に従い順次質問をさせていただきます。
まず、大項目1として、本市の消防における諸課題についてです。
(1)として、消防団の待機宿舎についてです。
消防団は、常勤の消防職員が勤務する消防署とは異なり、火災や大規模災害が発生したときに自宅や職場から現場へ駆けつけ、地域での経験を生かしつつ、その地域の特性に合った消火・救助活動を行う、非常勤特別職の公務員であります。その消防団のよりどころとなるのが待機宿舎ですが、かつてのように寝ずの番という状況になることはほとんどないとはいえ、有事の際には地域防災のかなめとして非常に重要なものと考えます。本市には女性分団を除き22分団あり、それぞれ1カ所ないしは班の数だけ待機宿舎を持っております。そこで、有事の際、地域のかなめとなる待機宿舎の更新に対し、どのような計画があるのか、また、どのくらいのスパンで更新しているのかお伺いいたします。
(2)として、指令台についてです。6月の一般質問においてこの件については伺っているところではありますが、改めてお伺いいたします。
6月の時点の消防長の答弁では、消防情報指令システムの機能が停止することはなく、部品の故障による一部機能の障害があったけれども、これにより救急業務や部隊運用といったものに支障はなかったということでありました。加えて、時田副市長の答弁では、「大きな障害が発生しないようにメーカーと保守管理契約をしている。また、メーカーとの連携を密にして維持管理に努め、日々の点検を事細かにやるといったことをして、万全の体制を整えて住民サービスに影響がないようにしたい。この契約によってシステム全体が機能しなくなるということは考えづらい」と申し述べられております。私は、システムの一部はいまだにウィンドウズXPという数世代前のソフトを使ったものであり、既に故障という事案もあること、また、計画だとシステム更新まであと2年もあり、その間に大規模災害が発生した場合、殺到する案件をさばき切れるのか危惧しているところであります。そこで、確認の意味で、6月以降、そういった故障、システム障害がなかったかお伺いいたします。
(3)として、水難事故救助の訓練についてです。
本市は、酒匂川、早川を初めとする内水面だけでなく、橘地区から江之浦地区までの長い海岸線を有しており、山岳のみならず、水難事故に対しても万全の体制で臨まなければなりません。消防の水難救助隊は、救助隊の一つに位置づけられ、各消防本部は、救助隊の編成・装備及び配置の基準を定める省令に基づき、原則として5人から成る救助隊を消防署ごとに1隊置くこととされています。消防職員は、災害現場において適切な活動をすることで、市民の安全、財産を守るという崇高な使命があり、どのような災害に対しても積極的に立ち向かうという責務がありますが、一方で、みずからの安全も担保していくためには、訓練は非常に重要なものであります。そこで、本市において水難救助の訓練はどのような場所でどのように行われているのか、また、訓練を遂行するに当たってマニュアル等はつくってあるのかお伺いいたします。
(4)として、消防広域化の効果についてです。
平成25年に広域消防がスタートしたわけですが、対象市町2市5町、地勢的には丹沢山地、地域を貫く酒匂川を中心に広がる足柄平野、そして相模湾など多様な地形を有しており、加えて大型商業施設、さまざまな工場、また東名高速道路、小田原厚木道路、西湘バイパスなどの自動車専用道路ほか、鉄道6路線が域内にあり、面積494平方キロメートル余と広大なエリアをカバーするものとなりました。広域化していくに当たりメリットとして、出動体制の強化、体制の高度化、住民サービスの向上、そして行財政運営の効率化が挙げられておりました。そこで、広域化に移行して5年ほど経過した今、現状それぞれどのような効果が上がっているのかお伺いいたします。
次に、大項目2として、障がい者雇用についてです。
日本の労働人口の8割以上が雇用の形で働いており、そのうち9割強は民間企業に勤務しています。一方、障がい者の数は、少な目に見ても人口の約5%と推定されていますが、雇用の場に出てきている人は、わずか50万人程度です。働ける人は多いのですが、福祉の領域でその機会を待っている現状と伺っております。ここ数年、障害者雇用促進法はたびたび改正されており、国が障がい者の雇用対策に力を入れている点があるのは推察できます。「障がいのある人が障がいのない人と同様、その能力と適性に応じた雇用の場につき、地域で自立した生活を送ることができるような社会の実現を目指し、障がいのある人の雇用対策を総合的に推進していく」というスローガンを掲げて動いているところであります。そこで、本市において障がい者の雇用促進対策は現状どのようになっているのかお伺いいたします。
次に、大項目3として、本市の教育における諸課題についてです。
(1)として、学校等の施設整備についてです。
本市では昭和30年以降、第二次ベビーブーム世代の就学による生徒急増の対応をするため、新たな学校の建設を含め校舎の増改築を行ってきたところであります。結果として市内には小学校25校、中学校11校、幼稚園6園あり、加えてそれらに付随する構築物は相当数あり、築後30年以上経過したものは9割弱という現状であります。平成16年3月に小田原市立小中学校校舎リニューアル整備計画を策定し、白山中学校を初めとして整備を進めてきましたが、教育内容や時代の趨勢に伴い、平成26年2月に新たに「小田原市学校施設整備基本方針」を作成し、整備を進めているところであります。
近年の学校施設は、従前の教育内容の多様化のほか、環境保護やバリアフリー化等への社会環境の変化に対応することが求められる一方で、厳しい財政状況において老朽化対策に取り組むには、既存施設を有効活用する長寿命化改修に転換を図り、トータルコストの縮減、予算の平準化を達成していく必要があります。また、従前のような施設にふぐあいがあった場合に保全を行う事後保全型でなく、計画的に点検・修繕等を行い、ふぐあいを未然に防ぐ予防保全型へとシフトする必要があると考えます。そこで、学校等の施設整備について、現状どのような経過で動いているのか、また、今後どのような形で整備していくのかお伺いいたします。
(2)として、3学期制についてです。
私は議員になって以降、この件に関しては再三質問させていただき、3学期制に戻すべきであると申し上げてまいりました。本年3月の本会議において、小田原市立学校に3学期制への回帰を求める陳情が提出され、採択されたところであります。そこで、陳情採択を受けて1年弱経過した中で、どのような動きがあったのか、また、今後どのような形で経過していくのかお伺いいたします。
(3)として、ICTの活用についてです。
学習指導要領の総則において、教師がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に加え、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ることと記述されております。また、これらの教材・教具を有効、適切に活用するためには、教師はそれぞれの情報手段の操作に習熟するだけでなく、それぞれの特性を理解し、指導の効果を高める方法について絶えず研究することが求められると記されています。教育分野におけるICT利活用の推進には、授業の双方向性を高め、児童・生徒の主体性、意欲・関心や知識・理解を高める等の効果があると言われており、特にICTを活用した授業は、活用しない授業に比較して学力が向上すると指摘されているところであります。次世代を担う児童・生徒が、早い段階からICTに親しむことは将来に向けて必要不可欠と考えます。そこで、本市の教育においてどのようにICTが整備され、また活用されているのかお伺いいたします。
次に、大項目4として、小田原漁港の活用についてです。
平成9年10月3日に水産庁長官から、漁港における漁船以外の利用について、各都道府県知事あてに、以下のように通達が出されており、その内容は、「漁港法(昭和25年法律第137号)制定以来40余年を経過し、この間、200海里体制への移行、公海漁場の国際規制等により、我が国漁業を取り巻く情勢は大きく変化してきている。一方、近年における、国民の余暇時間の増大による海洋性レクリエーションの普及に伴い、漁港の利用状況にも漁港整備時には想定されなかった変化が現れている。すわなち、遊漁船、ヨット、モーターボート等(以下「プレジャーボート等」という。)漁船以外の船舶による漁港利用が増大しており、無秩序な放置・係留等による漁業とのトラブルが問題となり、その早急な解決が求められているところである。プレジャーボート等の受入れについて、当庁では、昭和62年度から漁船とプレジャーボート等との漁港における利用を調整する漁港利用調整事業を実施し円滑な漁港の利用を図るとともに、平成4年度に模範漁港管理規程例の改正を行い、漁港利用の適正化を図ってきたところである。今般、さらに、既存漁港施設において漁港管理者が漁船の漁港利用に支障がないと判断する場合には、海洋性レクリエーションの施策の拡大を求める国民の要望に対応し、下記により、プレジャーボート等漁船以外の船舶による漁港利用に対応することとしたので、御了知の上、適正な漁港利用が行われるよう努められたい」とされております。
一方で、小田原漁港は、県西地域のみならず伊豆方面を含めた一大漁港であり、現状では漁業に特化した漁港となっております。折しも本年の10月15日に小田原箱根商工会議所青年部が企画した「おだわらマリーンDAY」が盛大に開催される予定でしたが、悪天候のため多くのファンクションが中止となりました。その中で、江の島と小田原をつなぐクルーズ船の運航だけは開催され、私も含め多くの方が乗船されたところでございます。日ごろ遊漁船に乗って小田原漁港にたびたび出入りすることはあっても、大きなクルーズ船での入港はまた違った感覚がありました。船中では小田原市の漁業関係者や行政の方も乗船されておられたところでもございます。そこで、小田原漁港の活用について、この件を通してどういった考えをお持ちかお伺いいたしまして、登壇しての質問を終わります。
○議長(加藤仁司君) 市長、登壇願います。
〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) 25番大川議員の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、消防団待機宿舎の更新計画についての御質問でございました。消防団待機宿舎の更新につきましては、築年数等施設の老朽化や施設用地の返還など、地域の実情を勘案しながら、建設用地が確保されたものから順次更新をしていくこととしております。今後、待機宿舎の老朽化が進行してまいりますことから、計画的な更新を進めるため、再整備計画を策定していきたいと考えています。
次に、消防情報指令システムの障害発生についてのお尋ねがございました。本年10月に119番受信装置と指令制御装置を接続する部品にふぐあいがあり、地図検索機能と自動出動指定装置などの一部に障害が発生いたしましたが、この障害による119番通報の受信や部隊の運用に影響はございませんでした。障害が発生した原因の特定を行い、部品を交換することで現在は正常に作動いたしております。
次に、水難救助訓練についてでございます。水難救助訓練につきましては、早川地内の小田原漁港、南町、東町の沖合、丹沢湖や酒匂川などで実施しております。訓練内容は、水上オートバイや救命ボートの出艇訓練、操縦訓練に加えて、水難救助隊員が潜水訓練などを行っております。水難救助訓練に関するマニュアル等につきましては、「水難救助隊潜水活動等マニュアル」を策定しており、このマニュアルに基づいて訓練を実施しているところでございます。
次に、消防広域化の効果についてのお尋ねでございます。まず、出動体制の強化についてでございますが、大きな効果として現場の到着時間の短縮が挙げられます。特に救急事案では、広域化前の管轄区域の境に当たる地区で、現場到着時間が平均で4分以上短縮した事例もございます。また、消防組織体制の高度化につきましては、救急課や情報司令課など専門性の高い課を新設したことで、ニーズの高い行政課題への対応力が向上いたしております。行財政運営の効率化につきましては、消防車両や高機能消防指令センターの合理化や、消防救急無線のデジタル化に係る整備費の重複投資の回避などにより多額の経費節減が可能となりました。これらのことから、消防広域化の効果は確実に実現されており、住民に対する消防サービスの向上につながっているものと考えています。
次に、障がい者の雇用促進対策についてのお尋ねがございました。障がい者の雇用は、経済的に自立した生活を営むとともに、障がい者一人一人が持っている能力を発揮し、社会参加を実現していく中で、大変重要なものと認識しております。本市では、事業所が実施しております就労移行支援の支給決定や、就労に係る相談や就労後の支援を行います「障害者就業・生活支援センター」に対する助成を行っております。また、これらの就労支援にかかわる事業所やハローワーク等関係機関とも連携しながら、障がい者の雇用促進を図っているところであります。今後とも、個々の障がい者の特性に応じた支援や情報提供等を行いまして、継続した雇用に結びつくよう取り組んでまいる考えでございます。
次に、学校施設整備の経過及び今後の整備についてのお尋ねでございます。本市では、「小田原市学校施設整備基本方針」に基づく短期計画に沿いまして、児童・生徒の安全の確保と安心して学べる環境の整備を最優先課題として、緊急度の高い修繕から順番に行ってきております。具体的には、平成26年度は安全面から雨漏りにより授業に支障を来す屋上防水、平成27年度は防災面から消火栓配管や自動火災報知設備の改修、そして、平成28年度は衛生面から教室の床カーペットの改修等を優先して実施してきております。25番大川議員御指摘のとおり、限られた予算で老朽化対策を進めるためには、事後保全だけでなく予防保全にも取り組むとともに、既存施設を有効活用する長寿命化改修などの対応が重要であると認識しています。今後は、現在策定作業中の小田原市公共施設再編基本計画と整合を図りながら、平成32年度までに中長期の整備計画を策定いたしまして、計画的な整備を進めていく予定でございます。
25番大川議員の一般質問のうち、学校教育に関する御質問については、この後、教育長から御答弁申し上げます。
次に、小田原漁港の活用についてのお尋ねがございました。国は、プレジャーボート等の漁港利用に対し、公共施設としてニーズにこたえていく必要があるとしておりますが、この対象漁港は、漁業活動に支障のない範囲内で受け入れ可能なことを前提としているものでございます。小田原漁港は、漁業が盛んでございまして、プレジャーボート等の専用泊地のスペースが確保できない等の問題があると承知しています。一方で、御紹介がございました今回の観光クルーズのような事業は、地域に新たな人を呼び込みますとともに、相模湾の魅力を最大限に生かせる有効な企画でございますため、来年度開催予定のみなとまつりと連携ができないか、関係者等と調整を図ってまいりたいと考えております。
以上をもちまして、25番大川議員の御質問に対する、私からの答弁とさせていただきます。
◎教育長(栢沼行雄君) 25番大川議員の御質問のうち、学校教育に関する御質問につきましては、私から御答弁申し上げます。
初めに、3学期制に関する陳情採択後の動きについて御質問がございました。これまで、教育委員会では、平成32年度本格実施の次期学習指導要領も踏まえた、今後の学期制・教育課程のあり方について検討を進めてまいりました。その中で、次期学習指導要領に基づく授業や評価、長期休業や、その活用等の教育課程編成上の検討事項や、新たな学期制の時期、校務支援システムや学校施設等の対応といった課題が見えてきたところでございます。
次に、今後の経過について御質問がございました。今後は、平成29年度内に小・中学校の代表者や市PTA連絡協議会の代表者、学識経験者を含めた検討会議を開催し、総合的に情報を収集するとともに、来年度も検討を重ね、平成31年度には教育委員会として方向性を示したいと考えております。なお、検討会議では、現在の2学期制実施に係る成果と課題について検証していくため、学校現場や児童・生徒、保護者の実態を把握するためのアンケート調査を実施する予定でございます。
次に、教育におけるICTの整備と活用の状況について御質問がございました。小・中学校におきましては、平成21年度及び平成22年度に学校情報通信技術環境整備事業費補助金及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用し、小学校の普通教室及び中学校の特別教室にデジタルテレビを導入した後、平成25年度に教育ネットワークシステムの導入に合わせまして、児童・生徒の使用するパソコン教室等を整備し、ICT活用のための環境整備を図ってきたところでございます。普通教室では、テレビやパソコンを用いて動画の視聴やアプリケーションソフトを活用した授業が展開されており、また、パソコン教室は、中学校の技術科の授業を初め、小・中学校の算数・数学の図形処理や理科の実験データ処理などの授業、さらにクラブ活動などで活用されております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 一定の答弁ありがとうございました。
それでは、ちょっと順番を変えて、漁港の活用から再質問をやらせていただきたいと思います。
今回のクルージングは大変好評であったわけですけれども、多くの方に、海からしか見られない景色や小田原漁港の魅力を知っていただけたのではないかと考えております。当日はあいにくの天候でキャンセルなどが出たのですけれども、募集した人数はすぐ埋まり、お断りをした方もかなりいられたという話は伺っております。当日とった乗客のアンケートでは、クルージングへの参加は初めての方が多くて、「体験してみたかったです」とか、「海から見える景色を楽しみたかった」、「また参加したい」という声が大変多かったというふうに伺っております。あわせて、小田原漁港に停泊している間、江の島から乗船した観光客により漁港周辺の飲食店等はにぎわいを見せておりました。これにより経済効果もあるものと思われるところで、実際に地元海産物や食事ができる複合観光施設との組み合わせを望む声が非常に多かったというところもあります。海からの乗客を迎える取り組みというのは、小田原ではこれまでなかった新しい誘客の取り組みと考えるので、これを契機に発展させていければいいかなというふうに考えております。今回、みなとまつりとの連携について前向きな答弁をいただきましたけれども、ぜひ実現できるように御協力をお願いしたいところです。
また、平成31年度中には交流促進施設ができるわけですから、そういったものを生かす意味でも、こういったクルーズ船の就航というのは必要なものになってくるかというふうに考えております。一方で、今回着岸した岸壁、耐震岸壁だったと思いますけれども、そこに船を着けたのですが、北東風に小田原の港というのは弱いわけで、若干三角波が立って結構乗降に破綻を来した部分もありましたので、そういったところもこれから先の問題点としては挙がっているかというふうに思います。いずれにしても、将来的には港内にポンツーンをつくって浮き桟橋の中で対応していくことが、一番費用もかからずクルーズ船の桟橋ができるかなというふうには思っておりますけれども、いろいろな角度から検討しながら物事を進めていただければというふうに要望させていただきます。
漁港の活用については以上で終わります。
次に、障がい者対策です。地方自治法施行令第167条の2第1項第3号の規定に基づく随意契約のリストを見ると、高齢者の対策がほとんどで、障がい者対策は非常に少ないのが見受けられます。中身を見ると、障がい者の方でも対応できるものもあるのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
◎福祉健康部長(神名部耕二君) 障がい者の方の雇用推進ということに関連しての御質問で、障がい者の雇用推進の立場として御答弁申し上げます。
御指摘のあったとおり、公の市役所の契約は、基本は競争なわけです。その例外として随意契約があるということでございますけれども、その随意契約の地方自治法施行令第167条の2は限定列挙ということになりますので、例えばその中に規定してあるシルバー人材センターの部分は、これは当然それにぴったり合うわけでございますけれども、障がい者の雇用を努めているということだけをもって随意契約というのはなかなか難しくて、障がい者の方の雇用推進と入札制度といいますか、契約の公平・公正の中で、どういうふうにバランスをとっていくかということが非常に難しいものだというふうに認識しています。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 私が思っていたものと違う答弁でしたが、シルバー人材センターのお話が出たのでお聞きいたしますけれども、随意契約のリストを見ると、ほぼシルバー人材センターが随意契約で受けている。中身を見ると、例えば施設の清掃ですとか、そういったことに関してもシルバー人材センターのほうでお受けしていただいているという状況を見れば、この本庁舎の中でも障がい者の方に清掃していただいて、きれいな状態を維持できるというふうなことも見受けるところでありますので、できればそういったことに内容を精査した中で、障がい者の方々の雇用促進のために手が打てるのではないかというふうに思っておりますが、御所見をお伺いいたします。
◎福祉健康部長(神名部耕二君) 市の業務の発注についての質問でございますけれども、本市では、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律に基づきまして、毎年、市の調達方針を策定し、障害者就労施設等から、物品や役務の調達に努めているところでございます。平成28年度の実績といたしましては、段ボールコンポスト用基材の購入や星崎記念館の館外清掃業務及び広報紙の点訳・発送業務の発注などがございました。障害者就労施設等への業務等の発注の拡大は、障がい者の方の社会参加や就労機会の増進、工賃の向上とともに、自立の促進につながることから、今後とも、庁内におきまして、いろいろ課題はあるところでございますけれども、調達方針の目的等を共有しながら、発注可能な業務の精査に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 本当に内容を精査した中で、障がい者の方々の雇用促進のために、また充実した生活をしていただけるように、市が率先して就労支援環境を一歩踏み込んで動いていただければありがたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、教育についてです。まず、(1)の施設整備について再質問させていただきます。
年間を通して、施設整備に関して大なり小なりどのくらいの要望があるのか、また、完了するのはどのくらいで、積み残しはどのくらいなのかお伺いさせてください。
◎教育部長(内田里美君) 学校施設の修繕工事の計画件数と執行状況についてのお尋ねがございました。平成29年度につきましては、短期計画の3年間に位置づけました中で昨年度まで実施できなかった修繕工事と、学校からの新たな要望のあった修繕工事を合わせまして約90件となっております。年度内に実施できる件数は、そのうちの5割弱程度の見込みとなっております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 積み残しが5割ということですかね。5割が消化できていないということで、それは次年度に繰り越すということでよろしいのか。繰り越したら、またどんどんどんどんふえていくのではないかというふうに思いますけれども、そこら辺はどのようになっているのかお伺いさせてください。
◎教育部長(内田里美君) おっしゃるとおり、短期計画で位置づけられたものは、きっちりできれば100%実施できるのですが、そちらがまたできなかった部分が翌年度にどうしても残ってしまう部分がございます。そして新たな学校での緊急性とかそういうものの中で要望がございますので、積み残った件数と、それから新たに発生しました学校からの要望の件数を、もう一度学校現場をきちっと確認いたしまして、その中でまた新たにその計画を位置づけて毎年やっていくという状況でございます。
以上です。
◆25番(大川裕君) その中で物事の優先順位というのを、その次の年でも、これを先にやらなければいけないよねというのが出てきたりもするかとも思うのですけれども、そこら辺の判断というのはどのようにされているのか。結局、永遠に積み残しがあった状態でいくのか、どこかでなくなるのか、そういう算段はされているのか、どのようになっているのかお伺いさせてください。
◎教育部長(内田里美君) 学校の修繕工事につきましては、やはり最優先の課題というふうには考えておりますが、その中で一番は、子供たちの生活の場とか教育の場でありますので、子供たちの命とか安全性、そういう面を最優先としまして、維持修繕など工事を進めている状況でございます。どこですべての計画が執行できるかという状況につきましては、やはり子供の命にかかわらないものは、どうしても優先順位が低くなってしまいますので、それがどうしても積み残ってしまう、今はそういう状況にございます。
◆25番(大川裕君) 状況についてはわかりました。かつて小田原ヒルトン株式会社に売却でできた基金があると思うのですけれども、そのお金の消化状況はどうなっているのか、基本的には学校等の修繕とか、そういったところに使うということでこの基金ができたかというふうに思っておりますけれど、消化状況はどうなっているのか、また、今後どうやって使っていくのかをお伺いさせてください。
◎政策調整担当部長(豊田善之君) スポーツ振興・教育環境改善基金につきましてのお尋ねにつきましては、私のほうから御答弁させていただきます。
まず、消化状況について御照会をいただきました。こちらについては総額での御答弁になりますけれども、平成28年度からこの基金を充当させていただいておりますけれども、平成28年度で総額で6億2670万4000円を消化させていただいております。それから平成29年度、本年度はまだ執行が完全に終わっておりませんので、これはあくまで当初予算ベースの数字でお答えをさせていただきますけれども、総額で5億6110万4000円の見込みでございます。今後も、一応この基金につきましては、基本的に平成32年度末までの時限で使い切るということが予定されておりますので、基本的には、現状、主にスポーツ施設の整備の関係と教育施設のトイレの洋式化ですとか、あるいは特別教室の空調関係、こちらをメーンにして進めさせていただいておりますので、基本的にはこの路線に沿ってある程度使い切りを図っていきたいと考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 基本的にそちらのお金はなかなか当てにはできないということで、使い道が決まっているということですので、修繕費をどこかからひねり出さなければいけないというふうな感じであるかというふうに思いますけれども、今回、旧片浦中学校を星槎学園にお貸しするということで、賃貸料が年間400万円ぐらい入ってくるということでお伺いしております。そういったお金を学校施設の整備に優先的に回すというお考えがないのか、御所見をお伺いいたします。
◎理事・企画部長(長谷川孝春君) 旧片浦中学校の賃料収入の活用についてのお尋ねでございます。旧片浦中学校施設につきましては、星槎国際高等学校のキャンパス及び学生寮として来年1月から貸し付けをすることとしておりまして、御指摘のとおり、年間約400万円の貸付収入を予定してございます。この貸付収入につきましては、旧片浦中学校の屋上防水ですとか外壁塗装等の今後想定される大規模な施設の修繕のほか、施設の維持管理に充てることを想定しております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 緊急性を要するものに対して整備を優先的にしていくという先ほど教育部長の答弁、生徒の命にかかわるようなことに関して、そういったことであれば、そこに先に充てていくというお答えがあったのですけれども、基本的に旧片浦中学校の防水とか外壁というのは命にかかわるかどうかというのはまた別として、やはり学校をお貸しするのであるから、学校に使っていただくというのは、一つの考え方としてありかと私は思うのですけれども、御所見をお伺いいたします。
◎理事・企画部長(長谷川孝春君) 旧片浦中学校を貸し付けることによる収入につきましては、基本的にはこれまで議会の委員会でも御説明したとおり、また今御答弁させていただいたとおりの考えを基本としております。学校施設の緊急性、特に安心・安全の確保という部分に関する整備費用につきましては、今年度から公共施設マネジメント課を新設いたしまして、そこで、学校施設だけではなくてすべての公共施設の維持修繕、これを一括して優先順位をつけて予算化することに取り組みを始めました。その中でやはり基本となるのは、先ほど申しましたように、施設の安心・安全がまず第一優先、そしてその次に、ファシリティマネジメントに着手しておりますので、その施設を使うことによる利便性ですとか快適性、そういったものが次の優先順位に位置づけて判断していくということになりますので、それに伴う財源につきましては、市全体の財政の中で判断していくというふうに考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 年度内にやり切らなかったり積み残しが多くなっている状況の中で、限られた財源を生かしていくということは必要ですし、市として収入がある、算段ができたことで、こういったものに回せるということを考えていくことは必要かと思います。
先日、城北中学校を視察させていただきました。比較的できてから新しい中学校なのですけれど、引き戸などのたてつけは既に悪くて、内緒でそっと授業をやっている教室に入ろうとしたら、がたがたがたというわけです。わざとそうしているのかどうだかわからないですけれども、床もはがれて、防水もあちこちできいておらず、体育館もフロアは傷んで競技には向かない状況でありました。1カ所の学校でこういうことですから、状況はかなり深刻だと考えております。簡単なものは先生方が対応することもあるようです。地元の自治会長会議の折に話したのですけれども、休日、学校の前を通りかかると校長先生がほうきで落ち葉を集めたりしていたわけです。自治会長からは、そういえば教頭が木の剪定もしていたよという話も伺っていて、ともすると先生方は本来の業務とは違うこともしなければならないのでは、これでは本末転倒になってしまうわけで、その会議の折、相談してくれれば手伝うのにと皆さんが言ってくれていました。この話は別の機会に質問なりしていきたいと思いますけれども、地域コミュニティ云々といろいろ言われている中で、学校施設を中心として、コミュニティ・スクールのように学校を中心としたコミュニティというものをしっかりと把握した中で、未来への投資をきっちりしていくことは、市としては義務だと思います。今後の対応をよろしくお願いいたしたいと思います。
続いて、3学期制です。先ほど答弁の中で、アンケート調査をされるというお話がありました。従前、3学期制から2学期制に変えるときのアンケートについて一般質問でもやらせていただいたのですが、その中には3学期制と2学期制のどちらがいいかという設問がなくて、2学期制についてどう思いますかという設問だけだった。ある意味誘導みたいなところがあったのではないですかという一般質問をさせていただいた覚えがあるのですけれども、今回、アンケート調査をされるということで、事前にそのアンケート内容というのは見せていただけるのかどうかお伺いさせてください。
◎教育長(栢沼行雄君) 当然、アンケートに関しては、両方の部分がしっかりと見取れるようなアンケートを考えていきたいということで、片方だけをもって調査をするということはしないというふうに考えています。また、その内容についてはお見せできるということですので、よろしくお願いします。
以上です。
◆25番(大川裕君) ありがとうございます。
香川県高松市や東京都練馬区なども3学期制に回帰をしました。最近の傾向として、2学期制のよさを生かして3学期制にしているようです。いわゆるハイブリッドタイプというものになっていると思うのですけれども、こういった先行事例を参考にしながら、紆余曲折したことを無駄にしないような経過を考慮しつつ、よりよい学習環境をつくっていただけるようお願いいたします。
続いて、ICTについて再質問させていただきます。
これも城北中学校を視察したときの話になりますが、そのときは社会の授業で明治の産業革命だかの授業だったと思いますけれども、「あゝ野麦峠」という映画を授業で流すというのでテレビをあるところから運んできて、パソコンの映像をテレビで映して流されていましたが、普通であれば「あゝ野麦峠」を見るのに音声も当然出てくるわけなのですけれども、まるっきりサイレントの状況で、ただ映像を見ているというような状況でありました。こういった状況を見ると、ICT対策は道半ばどころか、従前と変わらないと考えますが、今後、どういった形で進めていくのかお伺いいたします。
◎教育長(栢沼行雄君) 今後のICT環境の整備ということでお尋ねがございました。急速な情報化社会の進行の中、ICTを有効に活用した学習を実践し、情報や情報通信技術を主体的に使いこなす力を育成する必要があると考えております。次期学習指導要領でも、小学校における「プログラミング教育」が必修化され、教育におけるICT化はますます重要となってまいります。財源を確保し、教師や児童・生徒にとって必要なICT環境の整備を進めることで、情報技術を効果的に活用しながら、理論的に問題を解決していく力、すなわち「情報を調整する力」の向上を目指したいと考えております。
今、城北中学校のお話等がございましたけれども、テレビのほうも全校配置しているわけですけれども、確かに老朽化と、いわゆる通信速度が遅かったりとか、あるいはタブレット等も入れているわけですけれども、既に機種が古い、そういった現状が実際にあります。こういった機器を整備して、今のICTがもたらす学習効果、学力向上、そういった面に有効に活用するように、これまでちょっとおくれていました御指摘のあったところについては、今後、重点的に整備を図ってまいりたい、そんなふうに思っています。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) いずれにしても、現状、児童・生徒の周りにはIT機器、タブレットなりスマホなりがあふれている状況です。大学の受験情報を取り寄せるのも、就職の面接のアポイントをとるのもネットでという社会の状況をかんがみると、教育の中でそういった機器をツールとして使いこなす機会をつくっていくことは非常に重要であり、先生方にとってもさまざまな面で業務の効率は上がると考えています。IT技術は日進月歩であり、早いうちに親しむことが肝要だと思います。そう言う私は、既に脱落しつつあるわけですけれども、将来を担う児童・生徒はそうはいかないと思います。今まで以上にスピード感を持って事に処していただきたいと思います。
それでは、ICTは終わります。
次に、消防です。まず、待機宿舎についてですが、建設していく場合、用地の確保は市有地で検討していくのか、民間の土地を購入ないしは賃借で検討されているのかお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) ただいま消防団の待機宿舎用地の確保についてのお尋ねでございます。私のほうから御答弁をさせていただきます。
待機宿舎整備用地につきましては、まずは本市所有地を検討いたします。そして、適地がない場合には民有地を賃借することといたしております。民有地を賃借する場合には、空き家の賃借も検討いたしますけれども、市街地等でどうしても適地が見つからないような場合につきましては、緊急性を考慮した上で購入も選択肢に入れて検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 更新対象の待機宿舎は幾つあるのか、また、その待機宿舎の中で優先順位はどうなっているのか、また、最優先にやらなければいけないところはどこなのかお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 続きまして、更新対象となる待機宿舎についての御質問ということでございます。現在設置しております54の待機宿舎のうち、22施設が昭和56年以前の旧耐震基準により建設されたものでございますので、まずはこれらの施設の更新が最優先というふうに考えております。これらの施設につきまして、施設の老朽化や地域の実情といったものを勘案しながら、用地が確保されたものから計画的に更新していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) ということは、優先順位が変わることがあるということですけれども、地域のかなめとして消防団の詰所というのはあるわけで、例えば第1分団の詰所、新玉小学校のわきにある詰所などというのは、公民館と併設しているわけですけれども、相当に古い、多分詰所の中で一番古いかというふうに思います。耐震云々以前の問題でして、そこら辺のところを加味しても、用地が確保できねばなかなか整備は進まないという理解でよろしいのかお伺いさせてください。
◎消防長(穂坂明利君) ただいま御質問の一つの例といたしまして第1分団というふうな御指摘もございましたけれども、やはり優先順位というのは、先ほど御答弁申し上げましたとおり、老朽度合いとか耐震基準、そういったものを視野に入れてということでございますが、第一はやはり用地の確保、どうしても計画立てをいたしましても適地がなければなかなか建設ができないということでございますので、まずは用地の確保を最優先というふうに考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 22の対象分団のうち、用地が確保できている、もしくは確保できそうだというところはどのくらいあるか、教えていただければありがたいです。
◎消防長(穂坂明利君) 現時点で、22施設のうち、用地が確保できているといったところは、現在のところ特にございません。ただ、1カ所につきましては、可能性がある用地というものを今検討しているところでございます。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) いずれにしても、早いところ整備計画をつくっていただいて、待機宿舎、詰所を整備していただかないことには、有事のときに、まず初動体制を担う消防団が動けませんので、何とかしていただかねば、地域にとっては待ったなしの状況でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に司令台です。今回、三たび故障があったということで、6月以降、日々の点検や維持管理はどのようにされていたのか、まずお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 消防情報指令システムの日常点検についてのお尋ねでございます。毎朝の職員の勤務の交代時に、担当職員が、各制御装置のアラームランプ、ブザー音の確認をいたしますとともに、各通信指令員が常にシステム監視装置で異常が発生していないかといったことを確認している状況でございます。
◆25番(大川裕君) 今回、10月下旬に故障があったというのですけれども、実際故障があった時間はどのくらいで、その間どういった出動要請があったのかお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 今回、10月に一部ふぐあいがあったということでございますが、おおむね復旧までに5時間を要したということでございます。そして、その間に救急事案を中心に14件事案を処理しているということでございます。119番通報の受信や部隊の運用につきましては、いわゆる手動操作に切りかえをいたしましたことによって、大きな影響や弊害は生じておりませんでしたということでございます。
◆25番(大川裕君) 今回、故障して5時間ぐらいは手動でやって、メーカーが来て修理したということなのですけれど、ここで、契約の内容ということで保守管理契約ということで前回お伺いしておりますが、その契約が、故障して動かない時間に関しての瑕疵担保責任は、果たしてメーカーのほうにあるのかないのかどうなのかお伺いさせてください。
◎消防長(穂坂明利君) 保守管理の関係の瑕疵担保責任ということでございますが、今回の5時間の間、これは当然修繕をしている時間という形になりますので、これが業者に対する瑕疵につながるかということについては、こちらについては当たらないというふうに考えております。いわゆる修繕の結果、ふぐあいを生じてしまったというような大きな責任が明らかな場合には、当然業者の責任という形になりますが、あくまでも修繕をしている最中ということでございますので、そちらについては責任は生じないのかなというふうに考えております。
◆25番(大川裕君) 今回、平常時で5時間で14件という出動要請があったということですけれども、ちなみに、台風とかそういうときの非常時の出動要請というのは、押しなべてどのくらい、5時間であったらどのくらいの要請があるのかお伺いさせてください。
◎消防長(穂坂明利君) 台風の接近ですとか、大きな災害が来たときに想定される5時間の間の取扱件数というお尋ねでございますが、今回、復旧するまでおおむね5時間かかったということでございます。過去の広域化をした後の台風の発生時の取扱件数、これらから推測をいたしますと、5時間でおおむね17件の取扱件数になるというふうに推測されるということでございます。
◆25番(大川裕君) 17件ということですけれども、その中身については、今回は部隊の運用はなかったということですけれども、部隊の運用云々が入ってくるわけで、中身はまるっきり違ってくるかというふうに思います。今回、故障して5時間機能不全に陥っていたわけで、その中で手動で対応したということですけれども、そのときの手動対応のときに人員をどのように運用されたのか、増員をされたのかどうなのかお伺いさせてください。
◎消防長(穂坂明利君) 今回、5時間の不測の事態ということで人員の増強を図ったのかという御質問でございますが、当然、通常の職員に加えまして、非直の職員を2人呼び出す、また週休対象者、週休で休暇が与えられている人間も呼び出すということで、3名プラスして対応させていただいたということでございます。
◆25番(大川裕君) 人員をふやして対応せざるを得なかったということで、これは大分問題なことだと思うのですよ。これが故障しないのでなどというのは、ドラマの中の話であって、こういった状況になって対策はどうしていくのかというふうに思うわけです。保守点検だけでは対処し切れていないのが明白だと思うのですよ。既にシステムの限界なのではないかと考えます。実際故障した場合、現場では修理ということには対応できないわけですから、メーカーが来なければ修理はできないし、部品も古くてないような状況と伺っております。これでどうやって市民の安全と財産を担保していくのか、御所見をお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) システムの今後の対策という御質問かと思います。消防情報指令システムにつきましては、基本的にはメーカーとの保守管理契約に基づいて故障などへの対応を図っていく、それとともに通信指令員、職員の障害対応訓練、こういったものを重ねながら万全な体制を整えていきたいというふうに思っております。具体的には、保守管理契約の中に、耐用年数を迎えているような部品を全国から集める、そしてその部品を使うといったものも当然項目として入っておりますので、そういった意味からも万全な体制がとれているというふうに考えております。
◆25番(大川裕君) 消防長では万全だとしか言えないというふうに思います。これはやはり最高責任者の市長にお伺いしたほうがいいかと思いますけれども、市として危機管理ができていないというか、そういったことを感じるところなのですけれども、こういった状況で、例えば平成30年度の予算組みの中にシステムの更新を入れなければいけないのではないかというふうに思いますが、マイナートラブルはぽつぽつあっても、メジャートラブルがいつ来るかというのは、もうこれは秒読み段階のシステムだと思いますので、そういった状況が既に出ているのに対策を講じないというのは、危機管理がなっていないかというふうに思いますけれども、その点に関してお伺いさせてください。
◎市長(加藤憲一君) 先ほど来、消防長が御答弁申し上げているとおり、この間の幾つかのふぐあいについては、そういったものもある程度想定した対応ということで、メーカーとの連携体制、また職員の平時での備え、こういったものをしながら、どういったシステムの状況に置かれているかということを常に把握しながら対応してきているつもりでございます。御案内のとおり、平成31年度に更新を控えているということで、現在その大がかりな更新作業に向けての準備をしておりますが、新年度、そういったものを控えつつ、必要な策というものがあるのであれば、今後の予算審議の中で恐らく議論して対応していくことになろうかと思います。いずれにいたしましても、当面の手だて、また平成31年以降の更新という抜本的な手だてということを視野に入れて、これについては万全の体制で取り組んでまいります。
以上です。
◆25番(大川裕君) 小田原市だけだったらそういう答えでもいいのかもしれないですけれど、小田原市のみならず、ほかの1市5町に対しての市民の財産と安全を確保していく義務があるわけで、早急なシステムの更新をしたほうがいいと申し上げておきます。
次に、水難事故対策の再質問に移ります。漁港には船をおろすスロープがあるので、それを使うほうが安全ではないかというふうに考えております。訓練をするときに、ジェットスキーと船を重ねて港にユニックでおろしているという話をお伺いしたことがありますけれども、それだとなかなか危険ではないかというふうに考えるところで、スロープがあるというのであれば、それを台車に乗せて浮かべながらやったほうが、より安全だというふうに思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 水難救助訓練に際しまして、ボートを活用する際にスロープを利用するべきではないかというお尋ねでございます。実は、今年度、小田原市漁業協同組合や小田原漁港の施設管理者でございます神奈川県西部漁港事務所と意見交換を行いまして、小田原漁港のスロープを使用してボートを出艇するといったことにつきましては、現在、前向きに検討させていただいているというところでございます。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 本当に水産関係者や漁港事務所などと調整を図って、より安全に訓練を、そして迅速な出動をお願いいたします。
そして、広域消防の再質問です。広域の効果として人数の削減が図られるところもあるかと思いますけれども、当初の計画では353名だったかと思いますが、現状ではオーバーしていると思いますが、その原因は何なのか、まずお伺いいたします。
◎副市長(時田光章君) 消防広域化後の職員数についての御質問をいただきました。平成29年4月1日現在の消防職員数につきましては359人となってございます。この増員の主な理由でございますけれども、広域化後に消防職員の大量定年退職期を迎えたことから、消防力の低下を招かぬように、職員を前倒して採用する、こういうことをいたしましたことによりまして現場消防力を確保していたためでございます。こういったことから、広域化後の職員数は増加してございますけれども、今後も、救急業務や消防・救助技術の高度化に伴う研修機会の拡大が予想されるために、継続的な消防職員数の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 小田原市だけでなくて、1市5町からも負担金をいただいて、この広域消防は運営しているわけですけれども、1市5町の負担金の推移はどのようになっているかお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 次に、消防事務を受託しております1市5町からの負担金の推移についてのお尋ねでございます。負担金の推移につきましては、おおむね15億円前後で推移しているところでございますが、平成27年度のみ約18億4000万円と突出して増加いたしております。こちらの増加の要因でございますが、旧足柄消防組合職員の退職手当によるものとなっており、その他、職員給与費などの経常的経費につきましては、大きな変動はないといったものでございます。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 広域化して効率化を図って、負担金がふえていかないように手を打っていかなければいけないかなというふうに思いますが、例えば、救助隊の数は基準でいくと2隊で充足していると考えますが、現状、本署と足柄消防署と南町分署と3隊あって、3隊あるということはオーバースペックではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 救助隊の数といったところのお尋ねでございます。消防力の整備指針、こちらは国の示したものでございますが、消防力の整備指針における算定数は、御指摘のとおり2隊といったところでございますが、本市が管轄する地域では、山岳及び水難救助事案のほか、東名高速道路での交通救助事案など、消防活動が長時間に及ぶ要因がございます。また、大規模震災等の発生時、酒匂川の橋脚等の被害により、管轄区域が東西の地区で活動せざるを得ない、いわゆる酒匂川を境に分断されてしまうという危険性もございますので、そういった状況が想定されますことから、これらのいわゆる地域特性を考慮いたしまして、救助隊数を3隊としているところでございます。
◆25番(大川裕君) 3隊の理由はわかりました。それはそれで、例えば南町分署が海とか、本署は高度救助隊、足柄消防署は山岳と色を分けながら維持をしていっていただければ、それはより安全な救助隊になるかというふうに思いますので、その件に関してはよろしいではないかというふうに思いますが、近年、要請が非常に増大している救急隊を増隊するということは、現状お考えではないのかお伺いいたします。
◎消防長(穂坂明利君) 救急隊の増隊についてのお尋ねでございます。御指摘のとおり、救急需要の増加への対応につきましては、緊急性の高い課題として認識しております。現在、消防庁舎再整備事業を進めておりまして、消防署所の統合によりまして効率化されました車両及び人員等を活用いたしまして、小田原消防署に救急隊兼消防隊を1隊増隊する計画となってございます。このことによりまして、救急車の現場到着時間の短縮につながるほか、増加する救急需要への対応が可能になるというふうに考えております。
以上でございます。
◆25番(大川裕君) 今回、いろいろ消防について質問させていただきましたけれども、いずれにしても、サービス水準を維持しつつ、市民の安全と財産を守っていく、そしてまた、その中で効率化を図っていくことをお願いいたしまして、質問を終わります。
○議長(加藤仁司君) 以上で本日予定しておりました一般質問はすべて終了しましたので、あす14日午前10時から一般質問を続行することにいたします。
なお、改めて再開の御通知をいたしませんので、御承知ください。
それでは、本日はこれをもって散会いたします。